5/15/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第13節 C大阪 2 vs 4 山口 天王山。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #renofa #レノファ山口


ここが限界ではないだろうか。これ以上敗北を、失敗を続ければ、選手の気持ちは完全に切れる。それをもとに戻すのに何節かかるかわからない。それくらい今やっているサッカーには説得力がないんだ。


スターターにはテコ入れが行われた。ここ数節狙われている左サイドバックは椋原健太に託した。ボランチではより読みがうまくボールを拾える橋本英郎を入れた。この二枚はまず守備から入ろうという大熊清監督の考えを具現化したものだ。


だが、先制点を奪ったのは山口、それも対策を練っていた左サイドから崩された。

4-2-3-1の山口は、セレッソが攻撃に入った際に3-1-5-1にシフトすると、そのままセンターバック二人とボランチ二枚に圧をかけることができる。


そこでボールを奪えばカウンターに入られるし、奪われなくても追い回していれば苦し紛れのロングフィードが出るから、それを準備万端奪えばいい。


適当に蹴ったロングボールはリカルド・サントスや杉本健勇に向けられるが、体勢不十分でキープもできない。特にリカルド・サントスは北谷史孝に完全に封じられ、まるで役に立てなかった。

その中で気をつけていた左サイドから崩される、セレッソの動揺はどれほどだったろうか。

これは左サイドに入った椋原個人の問題ではない、センターバック二枚の問題でもない。それぞれがどんな時にどんな動きをすればいいのか、決まり事がまるでないのが問題なのだ。


その後セレッソが逆転をするのだが、二得点ともに個の力を活かす形、悪く言えば個人技頼みのゴールだった。その個人技を繰り出せるのがセレッソの強みではあるのだけど、それに頼ってしまうのがセレッソの弱みになっている。

柿谷曜一朗、ブルーノ・メネゲウらの力は確かに素晴らしい。けれどそれに依存して、おんぶにだっこでチームと言えるのか疑問を感じる。前半終わって2-1、けれど山口がまだ死んでいないことは誰の目にも明らかだった。


個人技のセレッソ、組織力の山口が拮抗する、時には山口が上回る、徐々に山口の時間が長くなり、セレッソは防戦一方になる。後半15分過ぎには何度も何度もカウンターを食らい、数えきれないほどのコーナーキックを浴びた。


今までの、開幕したてのセレッソであれば自身を持って跳ね返せたかもしれない。けれど対策を練られたセレッソは脆かった。簡単に同点に並ばれ、逆転された。


玉田圭司の投入も、関口訓充の投入も後手だった。



さらに、前に出たがるソウザがワンボランチとして残ったことで、山口のスピードに乗ったカウンターを鈍化できる選手は誰もいなくなったてしまった。

4点目のカウンターを防ごうとボランチの位置で奮戦したのは、本来前線にいて相手を切り崩す役割りを担うべき関口だったのはどういうことだろうか。


そうして無様な敗戦の後、セレッソの選手達がキンチョウスタジアムを周回する。バックスタンドでは普通の観客は4失点目の時点で帰路についていて、罵声を浴びせようとした酔客か、勇気づけようと残っていた心底セレッソが好きな人しか残っていなかった。


そのスタンドを、柿谷はただぼうっと見ていた。恐ろしいくらい生気のない顔、魂を抜かれた人形の顔。それをファインターにとらえて、俺は心底ゾッとした。そしてどうすればこの闇が晴れるのかをずっと考えていた。答えは、ついぞ出なかった。

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