「写真が撮りたいんで、カメラとレンズを選んで下さい(できれば安く)」
という質問をされる。写真好きの同士が増えるのはとてもよいことだが、困る質問でもある。なぜか、人によって撮りたいもの、撮るシチュエーションが全く違うからだ。それによって買うカメラ、レンズは変わってくる。人それぞれにベストチョイスは違うのだ。
ただ、いくつかのケースに大別することはできるので、そのケースごとにカメラ、レンズ選びをご指南しようと思う。ううう、偉そうだ、すまん。指南という単語がいけないな。
カメラ編
まずはカメラ選び、ぶっちゃけるとスマホのカメラがベストという場合もある。日中屋外で日常を撮る、画質はそこそこでよくて、SNSにアップするだけが目的、それならスマホが一番便利だから。ただ、サッカーを撮る場合はいろんな制約がある。狭いスタジアムの通路やスタンドが撮影場所、被写体は遥かピッチ上の選手だったり、暗いスタンドの友人だったりする。そんな時はやはりいいカメラがほしい。
いいカメラとは?簡単に言うと、新しくて、センサーのサイズが大きなカメラだ。つまり、高いやつだ。具体的に言うと「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」などとうたっているカメラが欲しい。最近は「1インチセンサー」というのも増えだしたが、日中の試合に限ればそれでもいいか。
センサーが大きいほど夜、室内など暗い場所でもキレイに撮れる。逆に言うと昼間の練習場で選手を撮るだけならマイクロフォーサーズのような小さいセンサーでもOKだ。センサーが小さいとボディやレンズも小さく、軽く、安くできるので、わざわざ高いカメラを買わなくていい。
まとめよう。
ナイトゲームや暗い場所で写真を撮るなら「フルサイズ」「APS-C」
昼の試合だけ、日中の練習だけなら「マイクロフォーサーズ」「1インチセンサー」
で、「フルサイズ」「APS-C」ならキヤノン、ニコン、「マイクロフォーサーズ」ならオリンパスかパナソニックということになる。他社もカメラを出しているけれど、後々出てくるレンズ選びの選択肢が狭くなるのであまりおすすめできない。
現時点でのベストチョイスはこれ。
「マイクロフォーサーズ」編
入門機
OLYMPUS PEN Lite E-PL6中、上級機
OLYMPUS OM-D E-M1「フルサイズ」「APS-C」編
入門機
Nikon D3300EOS Kiss X7
中級機
Nikon D7100EOS 70D
上級機
Nikon D750EOS 7D Mark II(激しく動く選手を撮るなら)
EOS 6D(激しく動く選手を撮らないなら)
「マイクロフォーサーズ」は新しいほど画質がキレイではあるけれど、大きな差は感じない。それでも「OLYMPUS OM-D E-M1」は別格、メカ周りがしっかりしているので「写真をしっかり撮りたいけれど、重い荷物は厳しい」というカメラ女子や年配の方におすすめする。
「フルサイズ」「APS-C」に関してはそれぞれ個性がある。まず入門機とした「Nikon D3300」「EOS Kiss X7」はどちらも小型軽量で、機能も初心者向けと間口が広いカメラだ。
中級機の「Nikon D7100」はローパスフィルターレスという珍しい技術が使われていて、クリアで高精細な画質が楽しめる。「EOS 70D」はオートフォーカスがとても優秀で高速、サッカーを撮るのにも重宝するだろう。
上級機の「Nikon D750」はニコンが激しく動く被写体を撮るのに最適化したフルサイズカメラだ。チルト液晶、Wi-Fi搭載など、使える機能が多く、暗い場所での画質もトップクラスになっている。
対する「EOS 7D Mark II」はキヤノンの考えた動く被写体に対して特化したカメラで、センサーサイズこそD750より小さいが、オートフォーカスの性能などはD750と同等か、それを上回る。「EOS 6D」はD750と同じく暗部でも画質がいいフルサイズカメラで、動かない被写体(止まっている選手とか、スタジアムの様子だけを撮る場合)にはこちらの方が安価だ。
うーん、長くなったな。レンズはもう少ししてからにしよう。
暗い夕刻の舞洲でも、フルサイズならかなり粘れる |