私は中学の頃は美術部所属で、高校時代はマン研に入っていた。何故だかひたすら絵が上手くなりたかったし、幼い時に夢で「テレビに出演している漫画家になった自分」を見たので、絵でメシを食っていくものとばかり思っていた(オッサンになって「テレビに出演している漫画家になった自分」が、実は江川達也だったと判明し、ガッカリした)そういうわけで、マンガが大好きな愛娘たろもとの会話もそれ系のものが圧倒的に多い。
今の関心事は「マンガに出てくる効果はどうやって作られているか」だ。
例えばマンガに出てくる点描
一昔前は「スクリーントーン」という模様が描かれた透明なフィルムを貼り付けてこの効果を出していたのだが、今ではフォトショップの「二値化」を使う人が増えている。
二値化というのはザックリ言うと全ての色味を黒か白に分けるということ。例えば
グレーのような中間色を二値化すると、最初にあったような点描が簡単に作れるのだ。応用で
こういう濃淡をつけて二値化すると
怖いシーンのバックにあるようなアミかけが出来る。
色を飛ばして同じ効果を使うと
空っぽいトーンが出来上がる。スクリーントーンだとクズが出来て原稿や部屋が汚れるし、使えば使うだけお金がかかる(一昔前の漫画家さんは一ページ作るのにトーン代が10万近くかかったとか)何より徹夜で描いている時に「トーン切れ」を起こすと致命傷になる。ひっきりなしに絵を描いているプロの漫画家ならフォトショップを買って使ったほうが断然安上がりだし安全というわけだ。特殊なバックはまだスクリーントーンの出番になるが、それでも昔と比べると随分安価で効率的になった。
こういうくどくてややこしい話を少女マンガ雑誌片手に父が1コマ1コマ解説していくのだけれど、このグダグダな話を延々と聞き、さらに質問までしてくる娘の忍耐力と貪欲さは、絵の上手さ以上に凄い才能なのではないかと最近気がつき始めた。話の長さが売りの父と、聞き上手が売りの娘。かなり円満な家庭環境ではなかろうか。
(追記)
ちなみにこの二値化、写真にも応用が利く。例えばこの写真。
コントラストをガンガンにかけて二値化してやると
こんな感じになってゲーフラなどの下絵にも使えるのでオススメ。
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