前半5分 アジエル(湘南)
前半31分 酒本 憲幸(C大阪)
後半1分 香川 真司(C大阪)
もうほんの僅かではあるけれど、セレッソにはまだ3位に食い込み、入れ替え戦に臨む可能性が残されている。ただし残り3試合全てに勝つことが最低条件。負けはおろか引き分けすら許されないタイトな状況の中、今日のセレッソは勇敢に戦ってくれた。湘南のらしくないばたつきに助けられた部分もあったけれども、序盤のビハインドをよく跳ね除けてくれた。
スタメン1トップは出場停止のカイオに代わって小松、3-4-2-1のスタイルは変わらず。
試合は開始早々いきなり動いた。開始僅か5分でPKを献上してしまったのだ。
リードを奪った湘南は、この後キッチリとした2ラインディフェンスをひき、カウンター狙いに徹するようになる。攻撃の要はやはりアジエル。
ところがそのアジエルのプレーにキレが無い。1対1の局面などでは優位に立つのだけれど、うまく周りと連携がとれず、少し浮いているシーンもあった。その為流れの中ではピンチらしいピンチは殆ど無かった。
そうしてセレッソは徐々にイニシアチブを奪い、湘南ゴールに攻めこんでいったのだが、アジエルとは逆にキーパーの金永基が当たっていて決定機をことごとく潰されてしまう。コーナーギリギリのフリーキック、流れの中でのチャンスもモノに出来ない。ジウトンの速いクロスは小松が反応しきれず。
この堅い守備を崩したのは酒本だった。この試合プレスキッカーを担当していたのだが、そのキックが絶好調。精度、スピード共に素晴らしい出来で、同点弾となったフリーキックも見事ゴールの隅に突き刺さっている。
毎年秋口になると脂が乗りだす酒本だが、どうやら今年もそのようで、右サイドでよく基点となっていた。もう少し乾と連携がとれれば右サイドの攻めのレベルがグッと上がるのだけれど、それは贅沢というものか。
さて、同点となってさあこれからという時に、思わぬアクシデントがセレッソを襲った。小松が相手との競り合いで顔面に蹴りを受けてしまい、プレー続行が不可能なほどのダメージを負ってしまったのだ。湘南の選手が取り立てて悪意を持っていたとは思えないが、観ていてゾッとする場面だった。急遽古橋が投入され、そのまま前線に入る。
この交代でセレッソの前線には全く高さが無くなってしまったが、ボランチや両サイドから香川、乾、古橋に低い、いいボールが入るのでさして気にはならなかった。湘南の守備がやや緩慢だったのも幸いし、相手に主導権を渡さないまま前半を終えることが出来た。
少し様子見という感のあった前半とは打って変わって、シュートシーンが多く見られた後半戦。口火を切ったのは香川だった。相手DFラインをズタズタに切り裂いて、左足でこれもゴール隅へ強烈な一撃。ゴール後のパフォーマンスは、勿論これだった。
これで見事逆転に成功したわけだが、セレッソの(特に最近の)試合を観ている人なら、1点のリードというものがどれほど僅かなアドバンテージであるかご存知のはずだ。湘南が意気消沈している間に、できればもう1点欲しかった。香川、乾、古橋、ジウトン、そしてジェルマーノまでもがゴール前に殺到し、シュートシーンを作るのだが、決めきれない。これは残り2節の課題になるだろう。
しかし、こと今日に限ってはリードはこの1点で十分だった。相手の攻撃は精度を欠いていたし、何よりも気持ちで劣るところが一度も無かったから。途中湘南が「天敵」加藤望を入れ、4-3-3にシステムを変えても、受身に回らず前に前に陣を取る。前線に運動量の多い古橋、香川がいたことも幸いし、全体が比較的コンパクトにまとまっていた。
今まで散々酷評していたジウトンも、今日はよく働いた。クロス、スペースへ長躯は素晴らしかった。守備意識も高く、一度アジエルのドリブルを右サイドまで追い込んで封じたシーンも。後半41分に交代した頃にはバテバテになっていたが、このクオリティを維持できるのであれば、3-4-2-1も悪くないかもしれない。
これで連勝、まだ仙台に何とか食らいついている。勿論可能性が薄い事は承知だが、選手がこれだけ頑張っているのにサポーターがさじを投げていい道理などどこにも無い。ただ行けるところまで突き進もう。
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