7/30/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第19節 G大阪 3vs1 C大阪 #cerezo #photo #diary


このブログを見ていただいている方は、サポーター歴が長めだと感じている。けれど、2015年以降にサポーターになられた方、今年J1に上がって、強いセレッソばかりをご覧になられている方も、何人、何十人かくらいはいらっしゃるかもしれない。その方たちに伝えたい事がある。

敗れるとは、こういうことだ。ダービーで、ライバルチームに「イキられる」とは、こういうことだ。

屈辱と、徒労と、無力感と、絶望と、そういう苦しみや痛みや悲しさを、一年間引きずる。それが敗者へのペナルティなのだ。

スターティングラインナップ


GK、キム・ジンヒョン。DF、右から松田陸、マテイ・ヨニッチ、山下達也はケガのため木本恭生が入る、丸橋祐介。MF、ソウザと山口蛍、二列目右には水沼宏太、左に柿谷曜一朗、トップ下に山村。FW、ワントップに杉本健勇。

リザーブ、丹野研太、藤本康太、田中裕介、関口訓充、木本恭生、福満隆貴、澤上竜二。スターターは前節柏戦からは変化なし、リザーブは秋山大地が抜け、藤本が入っている。


ピリピリとしたスタジアム


市立吹田サッカースタジアムは、独特の雰囲気を持っている。

入場ゲートは安普請の鉄筋のみ、スタジアムに付随する施設も最低限、立地も見事に最悪だ。一方で、サッカーを心いくまで楽しむための計算はしつくされている。スタンドの配置、傾斜、照明の塩梅、全てが最高クラスのスタジアム。36,177人の大観衆がため息をつき、熱狂して叫び、それが屋根に反射して増強される。セレッソとしてはやりづらい雰囲気だった。

それでも、サポーターは気合いの入った応援で、桜の戦士を後押しした。その効果は少なからずあったと信じたい。


前半は、相手の長所短所を探り合うような、そんな戦い方だった。お互いにいろんな技を仕掛け、バリエーションを試し、その中で「これは使える」「これはダメだ」という選別をする45分間だった。

簡単に書くと、セレッソは中央で起点を作ってサイドに流れ、最後にもう一度中に戻すという攻めが効果的で、ガンバはスピードある両サイドがガンガン仕掛けた時に得点の香りがあった。


セレッソの両サイド、水沼、柿谷は守備に得手なプレーヤーではないが、一方で、ボランチの山口、ソウザのラインはしっかりしているので、倉田秋や藤本淳吾らが中に絞った時でも、ある程度のケアはできていた。

できればもう少し、バイタルエリアで山村に持たせてやりたかったが……そういう心理的な余裕はなかったろうな。

ガンバから見てみると、倉田、藤春廣輝のようなスピードスターに苦労しているセレッソの守備陣に対して、攻略のヒントを掴んでいただろう。後半の交代策には、そうした意思が感じ取れた。スコアこそ動かなかったが、後半へと続く伏線は、そこかしこにはられていた。


早すぎた先制点と、ガンバの素早い交代策


後半は、前半、相手に仕掛けて効果的だった攻めを、互いに絶え間なく続ける45分だった。

セレッソはセンターバック、ボランチでカットしてから全体が上がり、サイドに一度散らしてそこから中の杉本、山村に入れる。ガンバはサイドバック、サイドハーフの選手がタッチライン際から動かず、幅を作って攻撃するスタイル。




セレッソの先制点は後半6分、中でうまくボールを受けた杉本が個人技でこじ開けたもの。そこに至るまでのボールの流れ、受けた杉本の判断、シュートスキル、全てが素晴らしいもので、そこに異論はない。

ただ、この得点自体、後半開始早々で、ユンセレッソが得意にしている逃げ切り策に入るにはあまりに早すぎた。杉本のバー直撃のヘディングや、山村の流し込むだけのシュートなど、2点目の香りがしたのも判断を鈍らせる要因になった。


ガンバはこの後、セレッソが5バックに移行するギリギリ手前、一度しかなかったチャンスを確実にモノにした。Jデビューとなったファン・ヴィジョは、高さも速さも強さもあり、さすがだった。ヨニッチ、木本がゾーンで守る隙間にスルスルと入っていく狡猾さは、ただ褒めるしか無い(止めるとすれば、クロスの時点でもう少し寄せが必要だったろう)


そこから、ガンバ長谷川健太監督は、アデミウソン、米倉恒貴と突破力のある選手を続けて送り込んだ。セレッソのサイドハーフは好守にハードワークを求められるタフなポジションで、柿谷も水沼も、ケガをしている清武弘嗣も、フルタイム、ベストのパフォーマンスを続けることは難しい。


相手とすれば、カウンターのためにスピードのある選手を前線に配置すれば、彼らの残り少ないスタミナをさらに消耗させられることになる。ガンバは、セレッソとしてはもっともしてほしくないプレーを見つけ出した上に、そのために必要な選手がベンチに残っていたのだ。セレッソはこのやり方に対して最適な対抗策を見つけられなかった。

ジョーカーのいないベンチ



セレッソの交代策は後半16分に水沼に代えて関口、続けて後半28分に柿谷に代えて澤上。最後のヨニッチに代えて藤本はヨニッチが背走を繰り返し、パンクしたためのもので、戦術的な交代ではない。


攻撃で7アシストを記録している水沼と、ピッチ上でチームを牽引する柿谷を下げざるを得ず。さらに圧倒的な高さだとか、そういうスペシャルなプレーを持った選手がベンチにいないというのはセレッソの泣き所だ。最後は澤上、杉本、山村が並んで空中戦に持ち込もうとしたが、クロス自体精度を欠き、杉本、山村も疲労困憊だった。3-1となった時点で勝負は決した。


この悔しさをリーグ戦で晴らすためには、全ての試合が終了した時点で彼らの上に立つしか無い、それが順位表の一番上なら最高だ。天皇杯、ルヴァンカップと、直接リベンジする可能性も残っている。

ただし、そのためには勝ち続けるしか無い、カップ戦では1敗した時点で終わりなのだし、ね。勝ち続けよう、勝たせ続けよう。この怒りも悲しみも忘れずに、最後まで。

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