10/31/2005

幸せだけがそこにいた。

 昨日は私個人としても「勝負の日」でありました、なにせ「さくらのきのしたで」の初お目見えの日でしたから。正直ウケルのかどうか心配でした。

 でも本を手にとって頂いた皆さんが、とても喜んでくださったのを見て、嬉しさと安堵が混ざり合った、何ともいえない気持ちになりました。たろもへのプレゼントも頂いたりして、やっぱりセレサポで良かったな、と再確認しました。本当に、感謝しています。

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 試合の後は残った本を持って長居近辺のお店に本を置いて頂けるよう営業活動をしていました。りんでんのマスターにも本当に感謝です。いくらタダとはいえ、皆さんにこぞってお持ち帰りして頂けたというのは有り難い事でした。

 他のお店の方々も、皆さん配布に気前良くOKしていただけました。パリーネの店長さんなどお店に入ってすぐの一番良い所に本を置いて頂けました。お店の方達にも、また感謝です。

 それから本を持ってあっちこっちさまよっている時に「西中島さんですよね?」と声をかけてくださった方が沢山いらっしゃって、その方達も本を快く本を受け取ってくださいました。そういうのって滅多に無い体験でしたので、驚くやら有り難いやらで…。長居じゃ悪い事出来ませんね〈笑


 この本の製作がこれほど大きな流れになったのも、沢山のセレッソを支えている方達の温かさが有ったからなんですよね。いろんな人に「大変でしたね」なんて言われるんですが、むしろ私はずっと幸せでしたし、これからもセレッソがある限り、幸せでいられるのだと思います。この本のおかげで、私は何物にも変えがたい何かを得たように思っています。




C大阪0VS0鹿島 血塗られたカード

 これほど損闘と呼ぶにふさわしい試合も無いだろう。0-0、記録に残るのはその味気の無いスコアだけだが、その裏側には、損力を尽くして戦った両チームの血と汗がたっぷりとこびりついている。今日の試合がどれほど・晴らしいものであったか。27708人の観衆の殆どは「一見さん」だったが、タイムアップの笛が吹かれる頃にはみなその世界にはまり込んでいた。

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 負傷のゼ・カルロスはやはり間に合わず、スタメンには徳重、ベンチには苔口が入った。

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 試合開始前から異様な雰囲気を醸し出していた長居スタジアムだったが、試合自体もそれに引きづられるようにヒートアップしていった。そしてそれが90分間続いた。

 それには明確な理由があった。主審の柏原氏のジャッジの不正確さが両軍の混乱を招き、それがゲームを不安定なものにしたのだ。審判団はそれを過渡なホイッスルやカードでしかコントロールできない為、選手はメンタルをコントロールするのにたいへんな労力を割かなければいけなかった。

 セットプレーなどでも小競り合いが続き、前半では鹿島岩政がゴールポストに激しく接触、暫く殆ど動けなくなるというシーンが有った。FC東京のルーカスの件が有っただけに、相手チームながら肝を冷やした〈その後岩政は無事復帰しフル出場、西澤や古橋をガツガツと削っていた、心配した分少し手加存してほしかったのだけれど〉


 それでも優勝を狙うチーム同士の対戦だけあって、おう!と感嘆するプレーもたくさん生まれた。

 まず鹿島はセレッソの3バックの両サイドを執拗に突いた。長短のパスを上手く織り交ぜて突破を試みる。小笠原のタクトで躍る深井、増田、アレックス・ミネイロ、本山。スピードとテクニックに自信を持つ4人がゴールに迫る。そしてそれを弾き返したとしても新井場やフェルナンドが拾って分厚い二次攻撃。狭いスペースをかいくぐるプレーは、さすが鹿島。

 対するセレッソもサイドをワイドに使い、徳重のドリブル、久藤、森島、西澤の組み立て、ファビーニョの攻め上がりと持てるパターンの全てを繰り出す。守備においては1対1を作らないなど最低限の約束を徹底し、泥臭く、しかし堅実にボールを跳ね返す。目を覆いたくなるようなシュートも吉田が気迫のセーブでゴールを割らせない。

 前半の45分の濃密さは、それは凄まじいものだった。この45分間だけでも、チケット代以上の内容。


 この快感すら感じる流れを断ち切ったのは、やはりジャッジだった。後半開始早々、モリシの飛び出しに対応しきれなかった新井場が慌ててタックル、一発退場を宣告された。

 さらにさあこれからというところで西澤にも不可解なカードが与えられ、今日2枚目ということで退場させられてしまう。J通算200試合出場のプレゼントとしては、いささか悪趣味ではなかったか。


 10対10の局面で流れを掴んだのは鹿島だった。4-3-2にした上で、ボールエリアでの数的有利、空いたスペースへの飛び出しなど、運動量を前面に出して猛攻、幾度も決定機を作り出す。西澤という大黒柱を失い、次第に自陣に釘付けになるセレッソ。


 この危機を乗り切る為に小林監督がとった策は、空いたスペースを有効に使えるだけのスピードを持った選手、苔口の投入だった。

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67min


 「カサにかかって攻めていると後を突くぞ」という抑止力として、苔口はよく機能した。実際後半最も効果的な攻撃は左サイドの突・だった。前へ、スペースへ、相手よりも速くボールに追いつけ。このシンプルでありながら難しいミッションをこなしていく苔口の姿は、一時の不振から脱却したのではという期待を抱かせた〈もちろん復調した苔口は今以上の脅威になるだろう〉

 ボールを「運ぶ」役が出来た事を確認すると、次の手はフィニッシャーの投入。黒部がモリシに代わって入り。ゴールチャンスをうかがう。

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73min


 ただこれらの交代も全体の流れを完全に引き寄せるほどの影響は与えられず、全体的なイニシアチブは相変らず鹿島だった。シュートの雨が吉田を襲う。後半だけで被シュート数は実に10本、その内枠内が5。

 これを無失点で凌いだのは、吉田、ブルーノ、前田、柳本という守備陣が長い間築いてきた信頼関係であるとか、相互理解という部分が大きい。若い前田や、言葉のハンデを持つブルーノの個としての成長もさることながら、こうした繋がりが、今までのセレッソを支えてきた。


 後半も残り15分程になると、さすがに両軍の足が止まってくる。ここまで来るともう精神論の世界。勝利に対する渇望が強い方が、勝ち点3を得られる。丁度この辺りでガンバ敗れるの報が長居に届き、選手もサポーターもさらにヒートアップしてきた。最後のカードとなった宮原は、残り少ない時間で勝負を決めるプレーを期待されたと多測する。

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84min



 そして鹿島の猛攻を凌ぎきったセレッソに、最後にして最大のチャンスがやってくる。カウンターが見事にはまり、2対1の場面を作ったのだ。

 左サイドから・晴らしいボールが中央を突進していたファビーニョに届く。飛び出した曽ヶ端が足を払おうとするが、彼は別次元のボールコントロールでこれをかわした。ゴールは無人、この熱戦にピリオドを打つべく右足を振りぬく。はたしてボールは、少しずつシュートし、ゴール右側をすり抜けていった。そしてそれは同時に、掴みかけた勝ち点3が、指の間からすり抜けていった瞬間でも有った。ピッチに倒れこむセレッソの選手達の耳に、タイムアップを告げる無情なホイッスルの音が響いた。


 セレッソは首位との勝ち点差を4と縮めたものの、得失点差で4位に交代した。しかも久藤、ファビーニョ、西澤が東京V戦では出場停止となる。どの選手もチームの根幹となる選手であり、正直にいって非常に厳しい。

 西澤のところには黒部、久藤のところには徳重か酒本が入るだろうが、ファビーニョの代えはいない。下村がギリギリ間に合うかも知れないが、けっしてベストコンディションとは言えないだろう。苦しい闘いが続く、だが希望の火はまだ燃えている、この火が燃え続けている限り、チームも、私達サポーターも、全力で勝利を勝ち取らなくてはいけない。

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10/29/2005

orz

 誤植見つけた…。あわわ、あかんがな、入稿前にしっかり見とかな…。すごい小さなところなのにすごく気になるよ…。まあ見つけたら(・∀・)ニヤニヤしてください、すごく笑ってしまうタイプミスなので。

 第二版はしっかり修正しよ。〈←刷る気まんまん〉

本でけた。

 「さくらのきのしたで」本当は明日家に着く予定だったんですが、会社の帰りに印刷所に上がりこんで見本を一部頂いてまいりましたよ。

 いやー、やっぱりこうして「形」になると嬉しいものですね。記念に写真を。

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 これがあと500冊来ると思うと「どこに置いとこうかな」と憂鬱になったりするんですが、気合入れて営業すればすぐにはけちゃうでしょう。そうせんとまずいし。

 これ持って明日家内に会いに行きます。喜んでくれるかな?喜んでくれたら、もっと嬉しいな…。

 

10/28/2005

精神論の嫌いな人の精神論。

「やればできる」

 私はこの言葉がキライです。

「やればできる」

 この言葉に潰された人を沢山見てきたから。


 そういうわけで、押し付けがましい精神論がキライです。根性とか、なんじゃそれ。

 でも、「気持ち」ってのが人間にとって大切なファクターなのは、よく知っているつもりです。


 家内の病気が悪化したのは、担当されていたお医者さんが代わられてからでした。新しい先生になっても薬や治療法に変化は無かったのですが、家内は日頃から新しい担当の方に強い不信感を持っている様子でした。

 そうすると不思議なもので、今まで効果的だった薬が途端に効かなくなってきました。病状が悪くなっても新しい先生は何ら新しい手をうとうとせず、それがまた家内の不信を深刻なものにしていきました。

 入院が必要だ、という段になっても、その医師はあっけらかんと「今は病床が空いていませんから入院は無理です」と答えるだけでした。私はあまりひどい医者にかかった事が無かったものでしたから、こういう人が人の健康や命を守る職にあるのかと、怒りを通り越して呆れてしまいました。


 今家内はまた新しいお医者さんに治療を受けています。すこし辺鄙なところに有る病院ですが、静かで落ち着いた雰囲気は、家内の心を幾許か楽にさせているようです。またお医者様、看護して頂いているスタッフの方達も献身的に働いているようです。そうした姿も、家内の心に届いていると思います。



 今、大分が強いですよね。シャムスカ監督になってから5勝1分、まだ一つも負けていない。これを「マジック」という人がいますが、私は要因はもっとシンプルで基本的な部分に有るんじゃないかと思っています。

 例えばボールを追うにしても一人が頑張るだけではなかなか難しい。みんなが連動して動かなければ、無駄に体力を使うだけ。そうなると今まで追っていた人まで「疲れるから止めとくか」となってくる。

 でも「俺が追えば、後ろが必ず動いてくれる」という信頼が有れば、率先してボールが追える。これだけで一歩出足が変わってくる。それで結果が出れば、チーム全体が変わってくる。全員で動ければ、無駄にラインを引き下げられたり、FWが自陣から長躯しなくて済むからみんなが楽になって、より動けるようになる。


 シャムスカは弱小と思われているチームでも、積極的な補強はしないのが信条だとどこかで見ましたが、チーム全体を早く把握し、人心をまとめる為にはその方が好都合なんでしょう。


「やればできる」

 私はこの言葉が真実だとは思えないでいます。でも、

「やりたいと思えばできる」

 というのは、少なくとも間違ってはいない言葉だと思っています。互いを信じ、自分を信じ、前に進む。難しいですが、実践できれば、結構凄い事が出来ちゃうんじゃないでしょうか?





宣伝ページを作ってみました。

 トップに有るバナーをクリックすると「さくらのきのしたで」宣伝ページに飛びます。一番下は今のところバナーになっていますが、配布させて頂けるようになったお店やグループがでてくれば随時追加して書き込んでいきます。よろしく!

10/27/2005

参戦宣言したりバナー作ったり。

 狼里ちゃんからトラックバックがありましたよ。鹿島戦は当然参戦予定です。娘のたろもは風邪が相変わらず抜けきらなくて、ちょっと無理っぽいので、点はとられるかもしれませんが、とにかく勝ちに行きましょう。多分SB声出し隊に加わるかと…。ミス・カルビ(大学の同級生、焼肉屋でバイトしてたんでこんなあだ名)そういうことなんで彼氏に宜しく言っといてね~。


 その時には「さくらのきのしたで」持っていきます。お店に置いてもらう分も含めて多分50部くらい。営業が成功すればスタにつくころに10冊くらいになっているはず。「くれやゴラァ!」って言ってもらえればOKですんで。絶対欲しいって人はメールに「何時に何番ゲートで待ってます」って書いてもらえればうかがいます。

 調子こいて作ったバナーなんですが、どんな感じですか?何分エヴァ世代なんでどうしてもDFP極太明朝体ばっかり使ってしまいます。でかく作ったんですがタテヨコ比が1:2なんで縮小拡大がしやすいですよ。試しにサンプル置いておきます。お好きなサイズでガツンガツン使って下さい。


200×100px

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100×50px

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 サプライズゲストももう発表していいかな?村民No.6の人です。マジです。「コラム少しでいいんでお願いできますか」とお願いしたんですが、凄いボリュームの原稿がやってきました。これだけセレッソを愛して仕事してくださっているんだと思うと、ホント嬉しいです。

 あと今宣伝用のページも作成中で、今晩には出来上がります。明日あたりバナーをクリックしてみてください。


 ぐああ、久しぶりにセレッソの話がしたかったのにまた宣伝かよ!!いや、鹿島戦こそ「決戦」だと思いますよ。他に1つくらい負けても、苦しくなるにはなるけれど、まだリカバリーできる。でも次の試合はそうはいかない。向こうも死ぬ気でやってくるだろうし、こっちも死ぬ気でぶつからないと無理。もちろんサポーターも含めて。

 私も風邪気味で喉痛いけれど、是閣下や東美ちゃんや江添君の足はもっと痛くて、試合に出られない。私は何とかスタジアムで声を出せる、旗を振れる。だったら泣き言言ってられんでしょう。とにかく、やるだけ。





10/26/2005

「さくらのきのしたで」を置いてくれるお店探しています。

 原稿も無事に締め切り前に入稿できました。今週の土曜日には印刷所から初めてのオフセット本が届く予定です。こういうのって緊張しますね。イメージ通りの本になっているのか、落丁、乱丁の類は無いか、自分もかつて作っていた側にいたんで、そこんところは厳しくいきます。

 上手くすれば入院している家内に出来たての「さくらのきのしたで」を見てもらえるかもしれません。喜んでもらえれば嬉しいのですが、少し情緒不安定な様子らしく、気になっています。先生は安心してくださいと言っているので、あまり心配しすぎるのもあれなんですが…。


 気になるといえばこの本を置くところ。置いてもらえるかもというところが殆ど決まってないんですよ。本を作るのに必死で販路(というか配布場所)の開拓をあまりしていなくて。

 で、遅ればせながら現在「さくらのきのしたで」の販促ページを製作中です。出来たらトップの方にバナーを貼り付けるんで、勝手にリンクばしばし貼りまくってください。というかお願いします。


 10/30のイベントの方は家内と二人で行こうと決めていたものですから、中止にしようかと思っています。その分長居に早めに行って営業をかけます。

 また今までの記事を見ていただいて「ウチにも置いたろやないか」と思われた寛大なお方がいらっしゃったらメール下さい。京阪神ならどこでもうかがいますので。


 この頃疲れを取ろうと思っているのですが、週末毎にどうしても動かなくてはいけない用事が出来てしまって、なかなかだるさが取れません。これも三十路前だからなのかなぁ。





10/25/2005

紙の力。

 入院中の家内に手紙を書く為に、会社への出勤途中、便箋と封筒を買ってきました。便箋は50枚入りとか有ったけれど、25枚入りのものにしました。それ以上家内の入院期間が延びるなんて考えたくなかったからというのが、理由です。

 病院には電話も出来るし、当然面会も出来ます。面会の時間が有ればなるだけ行こうと思うけれど、電話は控えめにして、その分手紙をしっかり書こうと思っています。


 西中島は紙媒体にこだわるのです。手書きの手紙と携帯のメールとでは、同じ事を書いても伝わり方が違うと思っています。悪筆なのだけれど、それでも手書きの方が彼女の心の支えになれるのではないかと、悪戦苦闘を決意しました。


 「さくらのきのしたで」を「WEBページ」にせず「本」にしたのも、そういうこだわりが有ったから。「手にとって開く」「気軽に持って歩ける」というのは、紙媒体の強力なアドバンテージ。

 以前も書いたかも知れませんが、WEBページからダウンロード出来る「さくらのきのしたで」WEB版もpdfファイルにする予定です。オススメのWEBページ紹介等は省くので書籍版よりも若干ボリュームは落ちますが、ほぼ同じ内容です。普通にページにしてしまってもいいのですが、やはりプリントアウトして頂いて、それを手に長居に来ていただきたいので、より印刷しやすいpdfを選択しました。


 以前家内が入院した事が有り、その時にも手紙を書いたのですが、退院する時に私が送った手紙をキレイに整理していたのを見て、ああ、手紙を書いてよかったと、救われた気になりました。この「紙の力」を、もう一度使ってみようと思っています。





ゼ・カルロスと前田は軽症だったけれど、 僕の大好きな人は重症だった。

 二人の軽症は何より。前田は「痛んだ」と感じた瞬間さっと身を引いたのが良かったのだろう。そういう判断力は評価すべき。もちろん下村のようにファイティングスピリッツを前面に出していくプレーヤーも必要だが、クールな存在も等しく貴重。


 ところで、この二人とは正反対に、私の半身が病気をこじらせてしまった。入院して治療法を探らねばならないらしい。忍耐の要る辛い日々が、これから彼女を待っているのだと思う。

 時々思う。


 家内は私と出会えて幸せだったのだろうか。


 彼女がもっと幸せになれる方法が有ったのではないか。


 一通り入院手続きを済ませて、疲れた身体をどっと電車の座席に埋めると、いろんな想いがよぎってきた。

 私は、少なくとも幸せだったし、彼女が彼女でいる限り、その幸せは続いていくと思う。でも彼女はどうなんだろう?

 そういう疑問ってみんな抱くのだろうか?私が惰弱だから、意思がぶれてしまうのだろうか?今日はとても辛い一日だった。


 

10/24/2005

広島1VS2C大阪 勝利の対価。

 勝つには勝った。球団新の7連勝。広島には6試合ぶりの勝利。しかもアキ、モリシのアベック弾。本来ならもっと喜んでいいはずの試合…。しかしチームの柱が二人も負傷したことで(しかも一つは明らかなレイトタックル)その喜びも半減してしまった。

 西澤、ゼ・カルロスの出場停止が明け、今の時点でのベストメンバーが揃った。

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 二人とも休養十分といった様子で、特にゼ・カルロスは野に放たれた猟犬が如く左サイドを疾走する。


 ところが先制は広島。前半早々の一本目のコーナーキックを森崎和幸にバックヘッドでそらされゴール。狙っていたのなら素晴らしいゴールだし、コースを変えようとしていただけだとしてもファインプレー。

 開始8分で追う立場になったセレッソに、さらに試練が待っていた。左サイドからペナルティエリアに侵入、グラウンダーのクロスを入れたゼ・カルロスにジニーニョがタックル、そのままゼ・カルロスが負傷退場してしまった。

 ジニーニョはこの後も西澤に体当たりを食らわせたりとダーティーなプレーを続け、しかも主審はそれにカード一枚出さなかった。

 チーム事情なり、個人の力量なり、疲労なり、弁解する余地が無いわけではない。しかしそれを二度三度と繰り返している選手に対しては普通に非難したい。

 セレッソで言えばブルーノやファビーニョ、前田、下村といった面々は、決して相手を「壊す」ようなプレーでボールを奪ったりしない。もちろんカードをもらう時も有る(下村に関してはあまりに意義申し立ての類が多いのが残念なのだけれど)、しかし最低限のスポーツマンシップを持ってプレーをしている。それが今日のジニーニョには感じられなかった。


 結局ゼ・カルロスの位置には徳重が緊急投入された。

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22min



 ここからの展開は一進一退。両者が意図したチーム戦術でゴールに迫る。

 広島は前田俊介と佐藤寿人のスピードで、前がかりになったセレッソの裏を狙う。二人とも単純にスピード勝負をするだけではなく、キチンとラインのギャップやサイドのスペースを突いていた為対処に非常に苦慮していた。リ・ハンジェのスルーパスを前田が受けて一対一の場面も有ったが、ここは吉田が落ち着いて対応。

 対するセレッソはいつものコツコツと長短のパスを繋ぎ、サイドを広く使う攻めが見られない。徳重の左サイドは古橋、柳本との関係作りに暫くの時間を要したし、何より久しぶりに先制点を許した事でチーム全体に焦りの色が見て取れた。広島がそれを見越した上で前の二人にある程度攻撃を任せて守備に人数をかけていたことも有り、苦戦する。それでもいくつかのチャンスを作って見せたのだから、驚く。


 そしてこの構図のまま終了するかと思われた前半ロスタイムに、広島が一番恐れていたであろうミスが生まれた。

 古橋が右サイドにまで回りこんでセンタリング、これを森島がヘッドであわせる。ところがこれはキーパー佐藤の守備範囲。

 普段どおりなら何気なくセーブされていたであろうこの場面、しかしこのJ初スタメンの若いゴールキーパーは、僅かにボールをジャッグルしてしまう。西澤が素早く詰めて同点に戻した。ファインゴールでのリードをミスでかき消された広島の焦りと、連勝を続けるセレッソの余裕が、精神的優位を逆転させる。


 後半のセレッソは全てが上手くいっていたわけではなかったが、前半のような焦燥感は無かった。キープすべきところはキープ、スペースを見つければそこにボールを回していく。守備も前半よりばたつかなくなった(それでも前田俊介は脅威で有り続けた。運動量を考えると交代は止む無しかも知れないが、下がった時は安堵した)


 そして後半20分に、この優位を決定付ける一撃が生まれる。ファビーニョの正確な右クロスがゴール前に、それにあわせたのは僅か168㎝の森島。180㎝オーバーの巨人達の間をすり抜け、ボールをゴール左隅に叩き込んだ。逆転。


 こうなるといつものパターン。堅実に、確実に相手の攻め手を読み、硬い守備陣を引く。ボールが保持できれば手数をかけずに速攻。時間稼ぎもしたたかに。


 ところがここでもさらにアクシデント。今度は守備の要人前田。相手との競り合いの際に左足を痛めてプレーが不可能な状態になった。画面で見る限りは痛みに顔を強張らせるなどという様子は見られなかったが、それが逆に不安。

 交代はベンチで唯一の守備的選手だった藤本。前回に続き本業ではないストッパーでの起用。しかも広島はガウボンら高さの有るプレーヤーを投入し、ロングボールと空中戦に活路を見出そうとしていただけに、試合がわからなくなってきた。

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73min


 結果論で言えば、勝ち慣れたセレッソのしたたかさが相手の攻撃を封じたのだが、前田→藤本の交代はその堅実さを僅かばかり下げていた。これは別に藤本が悪いわけではないのだが、強い個が抜けた穴をチームの総合力で補う限界が近づいているように感じたシーンだった。


 小林監督の最後の、そして唯一戦術的な交代は森島に代えて宮原。前線の活性化によって後の負担を軽減する狙いが有ったものと解釈している。

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82min


 宮原は急激にチームとフィットして来ている。試合毎に新しいコンビネーションやプレーが生まれてくる。もちろん押しも押されもせぬ主力というわけではないが、チームに欠かせない存在になりつつある。


 タイムアップの瞬間は、この乱戦のラストシーンとしてはあまりにもあっけないものだった。着実な試合運びが板についたセレッソなぞ去年の今頃は予想もつかなかったが、実際そこにいる彼等は実に手堅く試合をまとめ、相手を確実に封じている。今日のような試合でさえ、だ。

 これで首位とは勝ち点差5。次節の鹿島戦はガンバへの挑戦権を賭けた死闘になるだろう。しかしこの「当たり前の事を当たり前にこなす」姿勢が変わらなければ、リーグ戦制覇も十分に有り得る。ゼ・カルロスと前田の怪我の程度は心配だが、今はただ軽症であると信じたい。





10/22/2005

鹿島戦とイベントがバッティングしている件について。

 今日、入稿してきました。入金してきました。もう後には引けん是…。

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証拠画像(名刺と領収書と最近買った本)



 名刺片手に長居を駆け回りますよ、ええ。頑張ります。


 ところで最近になるまで私、


鹿島戦とイベントの日が同じだという事に

気付きませんでした。




 アホやね、アホや、ホンマもんのアホ。

 でもイベントは新大阪で11:00~15:00、試合は長居で15:00~、イベントはいつ抜けてもいいので二つとも参加出来ます。ああ良かった。


 予定としては11:00~13:30までイベント。長居までは地下鉄1本、一時間もあれば着くでしょう。14:30からは長居で試合観戦。17:30くらいから「のりを」か「きてや」で祝杯をあげる予定ですよ。ええ、「祝杯」をね。


 とにかく10/30は忙しい一日になりそうです。





10/20/2005

原稿ソロタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

今朝、


ついについに、


最後の原稿到着。



 嬉しいと言うか、ホッとしたというか…。

 後はこれを編集して出力見本を作ってCD-Rに焼いて発注書書いて印刷所に納入するだけだ!!

 …。


まだ仕事いっぱいあるやん。orz



 でも印刷や製本の苦労を知っているから、その辺りもキッチリしておきたいんですよ。せっかく作っても発注でミスがあればイメージ通りの本は出来上がりませんからね。ずっと昔印刷所で働いていた事が有って、お客さんが適当な発注をしたばかりに変な本が出来てしまう、というところを何度も見てきたんで、不安なんですよ。


 例えばカラーインクって透過性が有るんですね。つまり下の色、紙の地の色が透けて見えちゃう。色見本だと鮮やかなグリーンに見えても、紙がクリーム色とかレモン色だと黄緑とか浅葱色になってしまう。まだ髪の毛とか服の部分とかならいいんですが顔の色が変だとしゃれにならない。

 しかしそう指定したのは間違いなくお客さんなわけで、イメージと違うんだろうなぁなんて思いながらも、私達はそのまま作るしかなかった。よく2ちゃんの同人板なんかで印刷所の悪口を目にするんですが、お客さんの知識不足が原因のトラブルも決して少なくないですよ。

 とかなんとか言っちゃってるわりにお客さんとして、しかもデジタルで入稿は初体験なんですよね。一応ホームページに書いてあるような最低限の処理はしているんですが、はてさて上手くいくかどうか…。怖いな~。失敗したらウン万がパーか…。


 内容には自信が有りますよ。サプライズゲストの皆さんも凄いリキが入っているし、入りすぎて原稿多すぎてレイアウト変更連発するくらい!(涙 いやいや、これは嬉し涙。泣く泣くボツにした原稿も有ります、こちらは本当に悲しい涙。

 とにかく最初から最後までパンパンの、クドイぐらいの本になるはずです。重ねての宣伝になりますが初出は今月末、10月30日の関西コミティアです。もしよければいらしてくださいね。「西中島本舗」というサークル名です。11/3には試合の前後に名刺持って本持って長居の街を走ります。よろしく!





10/19/2005

ブログ個性化の時代?

 最近ブログの管理人さんが胸の内を吐露している記事が立て続けにエントリーされました。「サッカーのある幸せ」さんのこの記事を読んでいただけると判りやすいかなと。

 私がブログを始めた丁度1年前くらいから、新しいブログが沢山立ち上がりました。私も最初の頃はそうした他の方のブログに負けまいと、ひたすらひたすら記事を書きまくっていたわけですが、さすがに1年もやっていると、ちょっとした話題でも記事にするのはがっついているかなとか思うようになったり、ビッグニュースでも「他の人とは記事の主旨がかぶらないようにしよう」なんて注意してしまうようになりました(そういう考えの人は他にもいたりするので、丁度同時期に瓜二つのエントリーが並んでしまうなんて事もあるんですが)。

 それは「ブログをより良く見せたい」という欲求が「自分が感じた事をそのまま伝えたい」という立ち上げ当初の気持ちを上回ってしまっているからなのだとおもいます。それもまた「感じた事をそのまま伝えている」のかも知れませんが。


 時を同じくするようにサポティスタさんのタレコミ掲示板が一時閉鎖となりました。バッシングブログの存在が有ったりしたみたいですが、それを退けても最近は自分のサイトやブログのアピールの場になってしまっていたり、はたまた業者の宣伝が貼り付けられまくっていたりと、かなり荒れてしまいましたから、管理人さんの判断はやむをえないとは思います。ただあのページは多くの人が情報源として訪れていた事でしょうから、少し悔やまれる気もします。


 そういう内外の変化というのは、やっぱり私自身であったり、私が管理しているブログにも影響を及ぼしています。

 それが良い事なのか悪い事なのかは判りませんが、ここも含め、これから多くのブログがかなり偏向したエントリーを発表していくのではないでしょうか。「差別化」なんて言葉がよく使われていますが、共通の情報源を持たず(というと言いすぎか。「情報の共有率の低下」?変な言葉)、今まではわりと目立たなかった管理者の意思や環境がエントリーの内容に大きく影響するようになれば、おのずとそういう事になってしまうでしょう。


 この変化が良い方向に進めばより個性豊かなブログが沢山生まれてくるのでしょうが、誹謗中傷やバッシングで埋め尽くされた不快なブログや、無味乾燥でアフィリエイトがべたべた貼られただけのブログも沢山出てくるでしょう。「見なけりゃいい」といってもサーチエンジンの検索に引っ掛かる事もあるわけで、やっぱり捨て置けない話です。


 もう一年もすれば環境もより変化し、もう少し潮流がはっきり見えてくるのかも知れませんが、今はさしずめ「混乱状態」といったところですかね。





10/18/2005

ゲスト原稿が揃ってきました。

 「さくらのきのしたで」でコラムを依頼していた方達の原稿がほぼ揃ってきました。何とか期日中に印刷所に入稿できそうです。


 ゲストの方達の原稿を校正したりレイアウトしたりしている時、ついつい読み込んだりしてしまうのですが、原稿を寄せていただいたどの方も、サッカーが好きで、セレッソが好きで、それを誇りに思っているのだということを、改めて実感させられました。

 よくサポーターの友人から「本を作るなんて大変だね」と言われることがあります。でもサポーターである限り、自分が出来る範囲でチームを応援していきたい、というのは当然の心理なわけで、イラストレーターだのフォトショップだのを(上手い下手は別にして)使うのが好きで、過去に同人誌の製作経験が有った私が、セレッソにできる貢献が、たまたま大変っぽく映ってしまうような分野であっただけなんですよ。

 私はアウェーにはあまり行けませんし、ダンマクをガンガン作ったり、大旗を振ったり、声を枯らしてコールを続けたりも出来ない、だから私は、そういったことが出来る人達のことをとても尊敬しています。

 今回はそういう方もゲストとして寄稿して頂いています。原稿は、やっぱり熱いものでした。行間からそういう熱意がにじみ出てきて、瞳を焦がす程でしたよ。


 またゲストの中には、仕事としてセレッソに接して頂いている方もいらっしゃるのですが(勘の鋭い方ならピンと来られているかも知れませんね)、その方も上辺ではなく、本当に心底セレッソというチームを愛し、頑張っていらっしゃるのだということを、原稿を拝読し、再確認させて頂きました。


 そうしたいろんな人の熱意が、チームを支えていると実感出来た。それは私にとって、とても素晴らしい体験でした。そうした感覚を僅かでも、この本を通じて感じていただければ幸いなのですが…。

「さくらのさくころに」完成までもう少しお待ちください。





10/17/2005

フクアリ綺麗だなー。

 まあ当然テレビ観戦だったわけですが(笑 いいスタジアムが出来ましたね。屋根も大きい、ピッチとスタンドまでの距離、角度も申し分なし、屋根つきスタジアムに有りがちな芝枯れも無く、むしろ青々としていた(雨のせいもあったでしょうが、多分屋根とスタンドの間、一階席と二階席の間に風が通る空間があるのが要因なのでは)。これでスッキリ勝てればジェフサポも大満足だったのでしょうが。


 オシム監督は談話

「すごく多くの記者の方が来ていますが、何をしに来たんですか?スタジアムを見に来たのか、試合を見に来たのか。」


 なんてコメントを残していますが、カシマスタジアムの例を挙げるまでも無く「いいスタジアムがサポーターを呼び、育む」と思っている私としては、よそのチームのこととはいえ、こんな素敵なスタジアムが生まれたのが嬉しいのです。


 関西のスタジアム事情は、正直言ってあんまり良くないですよね。ウイングは専用だけれど芝の状態に問題が有るし、他の3球団は陸上競技場だし…。万博はサイドスタンドを改築するよりトラックに仮設席を設けた方が距離も近くなるし良いように思うんですが、どうなんでしょ?(国内では例がないですが、外国ではそういうところも有るみたいです)

 まあガンバは高槻、サンガは城陽に専用スタジアムの計画が有るらしいので、そこに期待しています。ガンバにはスタ(ハード)だけではなく運営(ソフト)も頑張っていただきたいですけれどね。極真のガードマン増やすとかじゃなくて…。




10/15/2005

今日はお留守番。

 今日は仕事です。雨もふっとりやす。風邪が治ったら一緒に行こうねと言っていた娘の微熱もひかず、私も朝から腰痛です。つまりその、試合観に行けません(涙


 大宮戦は不思議と縁が無くって、J2時代も観てないんですよね。今年も観られずじまいか…。


 布部は下村の穴を埋めてくれるのか。

 酒本くんは左サイドでどう生きるのか。

 久しぶりの黒部スタメン。

 チーム史上初の6連勝はなるのか。


 ああっ!見所が一杯有るじゃないか!!観たいぞ!早退していいっすか!?

 なんてな、言えるわけない…。とりあえずJ's GOALとにらめっこです。

 

10/14/2005

茨の道だよ天皇杯。

 トーナメント表でましたね。普通にキツイ道のりのような…。というかセレッソがあまり相手にしたくない相手が続くというかなんというか…。もっと押せば口から毒っ気がダラダラと出てくるんですが、やめ。そもそも




 一つ一つ大事に勝ち上がらないとね。「ピークは決勝に」なんてぬるい考えは、やめ。

 まずしょっぱなはHONDA FC、古橋の古巣ですね、ちゃんとホームページまである、しかもカッコイイ。「次の試合まで」のカウントダウンなんかいいアイディア。去年のザスパより強そうな感じがするのはネガティブな思考のせいなのか。

 それに勝ったとしても順当に来れば次は千葉戦ですわ。しかも会場鳥取ですわ。遠いっちゅうねん。どないやっちゅうねん。


 そして、


 そしてそして、


 それに勝ち上がれれば次は。



柏戦。



 え?違う?



神戸?




 えーっ。



まさか横浜FC?




うん?見えんな~。

私には他のチームなぞ見えませんな~。



 うそうそ、こんなん書いとったらまたサポティスタに書き込まれるっちゅうねん。

 いい加減食傷気味ですが、やっぱりダービーしたいですよ。選手のやる気も違うでしょ。

 ところでこちらのブログの方がおっしゃっておられますが、そうなった時の長居ってホームになるの?アウェーになるの?むー。





10/13/2005

東欧遠征まとめ。

 最近の代表の国内戦はどうも興業的な色が濃くなって、ショーを見ているような感覚に襲われる事がある。そこにいるのは調整不足のまま乗り込んできた欧州組と、彼ら有名選手見たさに足を運んだ「観客」だけ。そこに熱い熱気をほとばしらせる「サポーター」の姿は少ない。試合の内容も、そんなぬるま湯のような空気に流されてしまうのか、あまり良いとはいえない。

 ただアウェーの地で行われる試合は、例え相手が格落ちであっても、観客が少なくても、そして協会に落ちてくるお金が少なくても、価値があるものだと思っている。結果としては物足りないというか、消化不良の二試合であったけれど、それなりに収穫はあったと思う。


 中盤では松井が「黄金の中盤」にひけをとらない働きをした。彼の動きは他のどのMFよりも独特で、アクセントとしてだけでなくスターターとしても十二分に働けるということをアピールした。サイドに流れる動きやちょっとしたリズムの「転調」で相手を切り裂く姿を見ていると、アテネ世代も捨てたものではないと思わせた。

 また中田、中村を中心とした今までの中盤もかなり成熟してきている。攻撃もさることながら守備においても献身的な動きを見せた。今回の二試合は共にダイヤモンド型を採用していたが、今の中盤であるならばどのタイプの組み合わせでもある程度機能するだろう。ラトビア戦で見せたほころびを修正すべくバックラインと密にコミュニケーションをとる中田の姿を見て、少し安心した自分がいた。


 「通用しない」のが確認できた。というのもやや悪い表現かも知れないが、収穫には違いない。4バックにすると、やはり両サイドのバランスが悪い。特に三都主のところを狙われると辛い。ウクライナ戦では相手の攻撃の基点が右サイドバックだった事も有って、それがより顕著に現れた。では4バックの左サイドは誰が適任なのか、と聞かれてもなかなか答えに窮するのだけれど、やはり左から崩されると怖い。


 嘉人は、この2試合で「不合格」の烙印を押されてしまったのだろうか。ラトビア戦はともかく、ロスタイムに放り込まれたウクライナ戦は評価のしようが無い。せめて45分は見られないものなのだろうか。他のFW陣と比べて、あまりにも時間が短すぎた。


 最後に今回一番の収穫を。やはり「審判」に触れずにはいられないだろう。あからさまに悪意の有った(日本人なら普通にそう感じられるだろう)ウクライナ戦の審判でも、主審は主審であり、ピッチ上での裁定は絶対なのだ。中田浩二の退場、箕輪のPK等は「不可抗力」と言えなくも無いが、頭の片隅にでも審判の傾向を置いていれば、もう少し前の段階で悲劇を防げたかも知れない。そういう試合がW杯でも有るという可能性は、02年の韓国の「怪」進撃で証明済みなわけだから、そこまでケアが出来るチームを06年までに仕上げていってほしい。





10/12/2005

本当にラストだよ!!

 オールスターは見てないです、丁度娘の運動会だったので。終わって帰宅したのが丁度後半開始直後だったのですが、「森島に代わって…」というアナウンスを聞いてテレビ消しました。絶対後半から出てくると思っていたのに…。


 ラトビア戦は、しっかり見ました。最後の方は見たくなかったですが。見たかったモリシが見れなくて、見たくないお粗末な失点シーンだけ見てしまうのは日頃の行いが悪いからなのか?どうなんだ?

 もしロスタイムの中田浩二のバックパスが無かったら、なんて仮定はしない方がいいかなというのが個人的感想。もし精神状態、肉体の疲労度、メンバーが同じなら何度やっても中田浩二は同じパスをするでしょう(それにしても中田浩二は時々凄い事するなぁ)。

 改善しなければいけないのはメンタリティなんだと思いますよ。あの時に冷静さを保つようお互いが意思疎通していれば、せめてそれが率先して出来るプレーヤーが守備陣の中にいれば、ボールホルダーはしっかりキープ、周りは少なくとも二つパスコースを作る為に動く、なんてごく基本的な事が出来ないなんて状況にはならなかった。そういう意味では宮本の存在は大きいのかな。


 攻撃に関しては嘉人に期待していたのですが、空回りしていましたね。飛び出しで一つ良い所が有りましたけれど(結局ハンドの判定になりましたが)それ以外はちょっと辛いシーンが多かった。

 例えば入ってきた時のシチュエーションを考えれば、嘉人に与えられた役割は運動量の落ちた中盤のカバーとドリブル突破や飛び出しによる相手守備陣の撹乱、押し下げだったはずで、もう少し下がってみたり、サイドでポイントを作ったり、プレスに参加してもよかった。でも結果を求めるあまり前に前に行ってしまい、ボールを貰う機会が激減した。共に遠征に参加している松井が中盤に新しいバリエーションを加えたのとは対照的でした。


 それだけに、今日のウクライナ戦には期待しています。ラトビアよりも格上だけに、もう少し押し込まれる時間が増えるでしょうが、それはつまり相手の背後にスペースが生まれる可能性が有るという事。嘉人も心に期すものが有るでしょうし、このままで終わってほしくないですからね。


追記

 あと個人的には解説と実況にももう少し頑張ってほしいですね。お義父さん(サッカーはあまり興味なし)が「ウワーとかばっかりで全然様子がわからんがな」と申しておりました。





10/11/2005

とりあえず原稿完成。

「ここまでいろんなことが有った。短いと言われるが長かった。振り返る自分の足跡。支えてくれたみんな有難う。」

 というわけで、自分が担当している部分の原稿が全て完成いたしました。長かったよホントに…。でも印刷所の締め切り2週間前に仕上げられたのは我ながら偉いな。後で校正したら凄いボロが出まくるんだろうけれど(笑


 もともとこの本は今月末の同人誌即売会用の企画だったんですが、いろんな方に期待される大きな企画へと成長していきました。

 最初はホームの広島戦、あのロスタイムにPKでドローに持ち込んだ試合の時。私は熱があってフラフラだったのですが、どうしても合わなくちゃいけない人達がいて、きつめのかぜ薬を飲んで試合後にミーティングをしました。そこで荒い枠を決めたりして、今後の予定を立てました。


 それから掲示板を立てて、いろんな人の情報を聞いて、それの裏付けをして、原稿に起こす。それをひたすら繰り返しました。アミューズメントスポットなら実際に行ってみて、遊んだり、施設をチェックしたり。飲食店なら食事して味を確かめたり。客層とか、コストとか、営業時間なんかもエクセルで管理して…。

 今回は初めて印刷所に依頼するということで、データ入稿用に画像をいじったりしなくちゃいけない。そういうわけでイラストレーターの知識も無駄につきました。本業とはかけ離れた知識なんで生きていくうえではほとんど役に立たないのですが、何か得したような気分です。


 あと身についたのは「度胸」。何度も書きますが今回の本を一番見てほしいのは「いままでサッカーを観た事が無い人」、だからそういう人の目に付くところに置かなければ意味が無い。でもそういうところを管理されている方もまた、サッカーに興味がない方という場合が多いわけで、そういう人達にいちいちこういう企画をしていますと説明する必要がある。実際回ってみて長居近辺でもそういう人が結構多いのにビックリしました。本が出来上がってからもこの苦労は続きそうです。


 このまま特に問題なく進めば10/31に大阪某所でやる同人誌即売会で配布できそうです。もちろん無料配布ですが、入場にお金がかかりますのでご注意を。11/3に天皇杯が有りますから、長居近辺のお店にはその時に配れると思います。今のところJJクラブの近くにある「バロン・ドール」というお店には確実に置いてもらえる予定です。「のりを」さんと「木亭屋(きてや、木と亭はあわせて一文字)」さんにも置いてもらえるかも。「りんでん」さんは微妙かなぁ。

「スタジアムにおるから配れやコラ」

 という方は事前にメール下さい。スタで観戦する時は5冊10冊は持っていく予定ですから。


 というわけで「さくらのきのしたで」どうか宜しくお願いします。





10/10/2005

名刺がいるなんて。

 原稿を書きながら「さくらのきのしたで」の配布方法を考えてました。身内に撒いたら単なる自己満足だし、やはりサッカーをあまり観たことの無い人に手にとってほしいわけで、でもそういうところはサッカーに理解が有る場所じゃない可能性が高い。「のりを」なら「西中島だけど」で通るけれど(そんな場所の方が珍しいっつうの)


 そんな時、取材に行った「りんでん」のマスターが

「そういう事をするんなら名刺の一つも作らなきゃあな」

 とコーヒーをいれながら呟いていた事を思い出しました。


 名刺?


 今までの人生で名刺を役立てたのは1年くらいです。ましてブロガーとして名刺を作るなんて考えもしませんでした。でもいちいち氏素性を話すよりは、ずっと楽なのも確かなんですよね。


 というわけでイラストレーターで名刺を作ってみました。名刺のサイズが91㍉×55㍉ってのも初めて知りましたよ。

 しかし名刺というのは難しいものですね。限られたスペースに自分が伝えたい全てを、それも見易いようにデザインしなけりゃいけない。ただフォントをでかくすればいいってモンじゃないし。結構時間を使いました。


 次に名刺作ってもらえる会社をネットで検索。最近はデータをメールで送れば作ってもらえる印刷屋さんってのが結構増えてきました。代引きを使えば実際にお店に行かなくても済む、便利になったものです。


 今日注文したばかりなんでまだ手元にないですが、本が出来たら、この名刺持って営業活動です。





10/06/2005

「さくらのきのしたで」表紙が出来ました。

 いつまでも「セレ本(仮)」だと悲しいので今回から正式表記。「さくらの木の下で」だと字面「木
」と「下」が固いので、全部ひらがなにしました。というわけで特に今決める理由は無いんですが、「セレ本(仮)」は今後「さくらのきのしたで」と表記します。このまま「セレ本(仮)」が正式タイトルになったら「新体操(仮)」みたいで嫌だし(あっ!そこ!検索するなよ!絶対だぞ!)、仮の名として彦左衛門よりかはましだったけれど、やっぱりキチンとタイトルが決まると気持ちもスッキリします。


 そんでもって原稿の進捗具合ですが、大体出来ております。ラフは完成しているし、決定稿も8割方は完成してるし。

 そうそう、表紙も作りましたでございますよ。


 見ます?


 ではちょっとだけ。




 gif画像でちょっと荒めですが、書籍版にする時にはデータ入稿で直接色版を作るのでもう少しきれいになるはずです(K社のK西さん、Iさんお願いします!)。真中が丁度背表紙になって、左が表表紙、右が裏表紙です。この継ぎ目の部分を背表紙のど真ん中にするのが難しいんだ!(S本君頼んだよ!)。


 本の中身もちょっと宣伝。入門偏としてチケットの買い方から説明していますが、結構深いところまで突っ込んでいます。応援の仕方とか、暗黙の了解にしているマナーとか。

 あとどんな所に住んでいる方でも長居に来られるように地図や路線図を沢山入れています。長居のオススメスポットマップも結構頑張って作ったと思うんで、多分目的のお店に迷わず行かれるかと思います。

 お店に関しては全て突撃取材です。飲食店なら実際に食べたり飲んだり(下戸なんでちょっと辛かったけれど)して記事を書いています。長居で商いをされている方で、店にデジカメをもった挙動不審な男がいたらそれは私です(笑 殆どのお店は許可を貰っていますけれど、忙しそうなお店はさささっと取材させて頂きました。お店からのスペシャルプレゼントも有ります。これは書籍版だけにしようかpdf版にも入れようか迷っていますが、とりあえず書籍版にはガチで入ります。


 それからゲストコラムも用意しました。それぞれその道では有名という方に原稿を依頼させて頂いています。見たら結構ビックリする人にもお願いしています(村長さんじゃないよ)。


 次に本の話が出来る頃には原稿印刷所に入っていると思います。今まで手作りでしたが、初めて印刷所で頼みます。全部自腹です。ははは。どないやねん。

 という事で、また原稿作っておきます。





10/04/2005

東美の穴はみんなで埋めよう。

 cerezoblogさんところに怪我をした瞬間の画像が載っていますが、これは足を狙っていると言われても仕方が無いプレー。マリッチはこの分だと来年いるかいないか判らないけれど、もし来たらブーイング。

 スライディングを受けた足も有り得ない方向に曲ってるし、よくあのままプレーをしつづけたなと思う。普通にピッチを出ていても誰も文句は言わないのに。それが東美の良い所でもあり悪い所でも有るのかも知れない。

CEREZO OFFICIAL

下村選手の負傷について

10月2日(日)に行われましたJリーグ第26節対浦和レッズ戦で負傷いたしました下村選手が、本日3日に大阪市内の病院で受けたMRI検査の結果を下記の通りお知らせします。

負傷名:右足関節靭帯損傷(みぎそっかんせつじんたいそんしょう)
    ※右足首の靭帯の損傷

全 治:6週間


 この6週間の間、チームは大宮、鹿島、広島、東京Vと戦う。特に鹿島とは2位3位の直接対決、ここで東美がいないのは痛手。改めて、下村東美というプレーヤーの凄さを感じている。

 惜しみない運動量。頑強なフィジカル。素晴らしい展開力と、それを支える広い視野。負けず嫌いのメンタル。リーダーシップ。今までの快進撃は、下村抜きには語れない。


 今までの小林采配から考えて、代役は恐らく布部になると思うけれど、正直スケールダウンした感は否めない。ただそれでもやるしかない。相手チームによって選手を変えてみるとか、もうこのポジションの人間は交代する事を前提に考えて飛ばしていくとか、そういうのもありだと思う。

 ともかく何とかして、東美の復帰戦を大一番の大事な試合にする。それが残されたスタッフから、今までチームを引っ張ってくれた東美への、唯一にして最大の復帰祝いなんじゃないだろうか。





10/03/2005

業務連絡。

 もともとセレ本を作ろうと思い立ったのは、年に2回あるとある同人誌即売会の為でした。最初は極々小さな規模の話だったのですが、いろいろな方のご好意が有り、結構な本が出来上がりそうです。

 というか、作らなくては。

 今のところ私担当分のページは3/4くらいは出来ています。残りも文字のアウトライン化ぐらいです。ちょこちょことした修正が有りますが、何とか間に合いそう。


 ゲストの皆様には申し訳ないのですが、締め切りが迫ってきております。原稿を貰ってからの編集なども有りますから、出来ましたら大宮戦までに原稿をメールでご送付下さいます様御願い致します。

 画像など添付される際は、出来ましたら解像度を350dpiで統一してください。もしダメでしたらそのままでも構いません。グレースケールにはせずカラーのままでお願いします。


 あとタイトルについてなのですが、掲示板のタイトルスレの「ちゅん」さんが書き込まれた「さくらの木の下で」に非公式という文言を入れて「さくらの木の下で Cerezo Osaka unofficial fanbook」で行こうかなと考えています。


 いろいろ異論が有る方もおられるかと思いますが、とりあえず締め切りまでに仕上げる為にピッチを上げていきますので、暫くはお答え出来ないかもしれませんどうかご容赦を。

 

C大阪3VS1浦和 女神の願い赤壁を崩す。

 あんなに一生懸命ゲーフラ作ったのに。

 重さやリーチまで考えたのに。

 素朴なかわいいゲーフラになったのに。

 当日にお熱出しちゃうなんてどういうこったい。

 ちなみにゲーフラ

IMG_1069.jpg


 そりゃ、泣いて嫌がったよ。サッカー絶対観たいって、ずっとずっと言ってたもんな。畜生、スタジアムの様子は逐次速報してやるからな、という重い気持ちでスタへ。

 「勝利の女神」がいないから、不安がたっぷり。與野レッズさんところもなんか不敵な感じだし、「景気付けに食うか」と思った「カツ丼」ならぬ「勝丼」もメニューのフォントが赤かったし。

IMG_1073.jpg

まあ美味しかったけれどね。



 さてここから試合、マジメモード。結論からいうと圧勝だった。3-1というスコアよりも、さらに差が有った。

Field-2005-10-02-01.gif


 理由はいくつか有るけれど、浦和は前3枚のキレがイマイチ。ポンテは初見なので良く分からなかったけれど、あまりチームとフィットしていない様子。永井もちょっと…。唯一田中が獅子奮迅の動きを見せるけれど、十重二十重と囲まれては仕方が無い。

IMG_1086.jpg


 対するセレッソは森島が元気。一週間のリフレッシュが効いたのか、所狭しと駆け回る。攻撃に守備にと惜しみない運動量でチームを支える姿は全盛期を思い出させた。

 西澤もキレがよく、ネネ相手に互角以上のプレーを見せた。悪いときは相手DFにべったりとつかれて四苦八苦するのだが、今日はこまめにスペースに下がってボールを受け、軽やかに捌いていた。結果論だけれど闘莉王の欠場が響いた形か。

 事実、セレッソサポーターから見ても3得点の内、森島のJ通算100ゴールとなる先制弾と古橋の駄目押しゴールに関しては、防ごうと思えば防げる形だった(ファビーニョのゴールはさすがに文句のつけようが無いだろう)。GKと急造DFラインのちょっとした連携のほころび(ミスという程度ではない)が失点を呼んだ。


 ただそういうところをしたたかに使える狡猾さが、今のセレッソには有るのも認めていただきたい。ネネが痛んで内舘が入り、空中戦で分が良くなると見るや、西澤は意図的に右に流れ、森島はその裏を徹底的に突いた。

 また3-0と「安全圏」に入ると痛んだ選手、運動量の落ちた選手を的確に交代させた(その後下村が傷んだ事を考えると、もしもの時の為に一枚余らせても良かったのだけれど)

 結果後半半ばにはこのような布陣に。

Field-2005-10-02-01.gif


 守備的に意識がシフトした上に前線の運動量が落ちたため、押し込まれて失点をしたが、あくまで「想定の範囲内」。気を取り直すと宮原が基点になってしばしば効果的なカウンターを仕掛けて見せた。宮原はこの3試合で確実にチームにフィットしており、限定的な使用ならば既に有効な戦力になると確信できるプレー内容だった。

IMG_1086.jpg



 さて、次節だが、これが結構つらい布陣になりそう。今までチームを牽引していたファビーニョ、下村が共に負傷、特に下村の怪我は重そうだ。また西澤、ゼ・カルロスが出場停止なのも痛い。結構やりくりが必要になるかもしれない。そこをそれなりにするのが小林監督の得意技ではあるのだけれど…。





10/02/2005

浦和戦前予想 今度は赤い波。

さいたま禁止.jpg


 明日の天気を見る限り、今度の浦和戦は昨年以上の威圧感を感じる事になりそう。

 ちなみにこの試合、負けた方が優勝争いから脱落してしまうらしい。

…。

優勝争い?

今まで降格圏とにらめっこしていたのに優勝争い?

 すげぇ、セレッソも強くなったなぁ。今日頑張って娘用ゲーフラ作った甲斐が有ったよ。軽量で見栄えがいいゲーフラって難しかったよ。

 という事で布陣予想。


Field-vs-Reds-05.gif


 セレッソは柳本の調子が良くないとの2ちゃん情報。代わって入るのは山崎かと。鶴見の足元って怖いからそういう事でいいのかな。何せレッズの2トップは二人ともドリブル大好きだし。対する浦和も闘莉王が欠場濃厚。

 次はボランチ。ファビーニョ、下村対長谷部、鈴木。ひいき目に見れば絶対セレッソなんだけれど…。ファビーニョは別格でしょ。

 前は両チームシステムが違うから単純比較できないけれど、キーパーソン(浦和ならポンテ、セレッソなら西澤)を止められた時のオプションはどっこいどっこいという感じ。ゼ・カルロスがどれだけ楽しくプレーできるか。


 こうして見ると結構似たようなチームなのか。センターラインに欠場者がいる浦和の方が劣勢と読む。しかし彼等の後ろには赤いサポーター達がいるから、無様な試合は出来ない。セレッソだって同じだけれどね。ひょっとするとキーパーソンはスタンドにいる私達かも知れないな。





10/01/2005

浦和戦の準備が忙しいってのに某一流企業の行動が可笑しすぎる件について。



この画像は何にもインスパイヤされてないし、
そもそも本文と関係無いです。


エイベックスが「のまネコ」商標登録取り下げ、CDの特典映像も収録中止

このリンクも本文とは無関係です。


 2002年のW杯の時、フジテレビのW杯の報道に関して怒りを覚えた人達が特定の番組のスポンサー企業に対して不買運動をした事が有った。そしてその企業の中にベビー用品を扱う企業も含まれていた。この企業を仮にA社としておく。


 家内がスーパーのベビー用品売り場の「異変」に気がついたのはW杯後しばらくしてからだった。

「A社のオムツ、最近あっちこっちでバーゲンやってんねん」

 ベビー用品に対する知識などまるで無い私にとってみれば何の興味の無い話だったのだが、家内はたいへん驚いていた。A社のベビー用品ブランドのウリは品質の高さ、高級感であり、こんな安売りは考えられないと。

 件の不買運動の事を覚えていた私はもしやと思い、ふたたび2ちゃんの不買スレッドを覗き、驚いた。何とA社の販売している商品の殆どが不買運動開始時期からシェアを3%も失っていたのだ。小売業の方や計理等をされている方なら3%という数字がどれだけ大きなものかご理解頂けると思う。


 2ちゃんで一度大きな流れが生まれれば、それをせき止めるのは容易ではない。今回某社がしたような(私の目から見てもあからさまな)工作活動はむしろその流れを加速させるだけだ。沈静化を望むならそれなりの誠意を見せ、じっと耐えるしかない。


 ところでこの頃「2ちゃんねらー」とか「ねらー」というカテゴライズをする人が増えているが、これは間違ったくくりではないかと思っている(だからあえて冒頭「フジテレビのW杯の報道に関して怒りを覚えた人達」と書いた)。

 別に2ちゃんねるに書き込んでいる人間は全て同じ団体に所属しているわけでもないし、統一した思考を持っているわけではない、2ちゃんねるの名がニュースに載る時は大抵「祭」状態で、ひとかたまりになっているように見えるが、一人一人きちんと独立しているのだ、それを感覚的に理解できないと、今回のような騒動が起こり、またややこしくなる。

 某社は今日発表したコメントの締めくくりに「殺害予告」云々という文言を載せ、「2ちゃんねらー」に対する悪い印象を世間に与えようとしているが、どうもその辺りに対する理解が無い様に思う。彼等が発信しようとしている世間一般の人達こそが、2ちゃんねらーという虚像の正体だというのに…。