11/30/2014

2014 J1 第33節 C大阪 1vs4 鹿島 枯れても、まだ咲けるはずだ。 #cerezo #photo #diary

得点者

前半33分 カイオ(鹿島)
後半14分 赤崎 秀平(鹿島)
後半22分 赤崎 秀平(鹿島)
後半24分 永井 龍(C大阪)
後半35分 柴崎 岳(鹿島)

試合のことは…そうだな、完全な力負けだった。いい選手がいなかったのか、いい監督もいなかったのか、あまりいい組織ではなくて、いいチームでもなかった。つまり、最近のセレッソから何ら改善はされていなかった。短期間で劇的に変わるものではないから期待はしていなかったけれど。


いい選手ばかりでも監督がよくなければダメだし、逆でもいけない。そのどちらもが揃っているのが鹿島で、ガンバで、浦和であって、セレッソはその真逆を行ってしまったんだろうな。


「レヴィー・クルピ達をカットすることでディエゴ・フォルランを呼ぶことができた。」

今年の初め、上機嫌で岡野雅夫社長が語っていた。彼はチームを4位に押し上げた名伯楽と、チームでは数少ないゲームメーカーだったファビオ・シンプリシオ、まとめ役の一人だった茂庭照幸を放出した。チームの頭脳と魂を売り払って、高い服だけを買って、身なりがよくなったと喜んでいたんだ。


結果、チームはいびつになった。若手ばかりが揃ってまとめ役がいない。キャプテンの山口蛍は代表で抜け、ケガで抜け、チームを牽引するどころではなかった。エースの柿谷曜一朗はボールの供給源を奪われ、代わりにテレビスターのような役どころを任されて、試合に集中できる環境になかった。頼みのディエゴ・フォルランも意思疎通に苦しみ、チームにフィットしなかった。


セレッソは有望な若手が多い、才能ある選手が巣立っていった、だから育成型クラブの成功例だともてはやされたけれど、内実は違っていた。高額年俸のベテランや外国人選手(と言ってもフォルランの何分の一ほどのサラリーだったはず)はチームにいられない、若手にたより、時折育つ有望な選手を海外に売ることで食いつなぐのが精一杯の小クラブだったんだ。

それが、親会社のひとつ、ヤンマーの海外戦略に乗せられて露出ばかりが増え、チームがチームの体をなさないほど規律が無くなっていた。練習後に冷えた体でファンサービスをする選手たちを守る者が誰もいなかった。


これだけひどい状況下で、よくここまで延命できた。セレッソにはまだ才能が残されているんだという証拠とするには、あまりに皮肉なものだけれど。


過去2回の降格もそうだったけれど、今回の降格も試合の中で解決できる「戦術的な問題」ではなく、その前段階、チーム編成だとか、監督選びだとか、練習環境だとか、試合に臨む前の「戦略的失敗」の側面が大きい。

2001年の降格は代表クラスのセンターフォワード、西澤明訓の穴。2006年の降格は2005年躍進の立役者ファビーニョの穴を小さく見積もったクラブのミスから始まった。その教訓が活かされず、立て直すこともできないまま、今日の日を迎えてしまったのはクラブとしての失敗だ。

キチンとしたビジョンを持って、実のある監督を選ぶ。チームをまとめるベテラン、キーマンのレベルを落とさない。それだけでチームはチームとしての体をなす。それをしっかりと続けていくんだけなのにな。


今回の降格でも、以前と同じように選手の流出があるだろう。余程のことがなければ(クラブが出費を惜しまず、山口蛍や山下が呼びかけるでもしない限り)何人かの大切な人材がチームを離れるはずだ。選手にも生活があり、よりよい選手になりたいという欲がある、仕方のない事だ。僅かの出費を惜しんだ挙句なのだから、恨むならクラブのはずだけれど、それをしても選手は帰ってこない。なら、その力はチームの応援に振り分けよう。

来期はかなり底の位置からチームを作っていくことになる。厳しいけれど、その中に光が見えることだってある。香川真司は監督のクビが飛ぶ大チョンボをするボランチだった、山口蛍は簡単に振り切られる右サイドバックだった、乾貴士は好不調にムラッ気があり、柿谷曜一朗は素行が悪かった。みんな、J2の舞台で力をつけ、日本を代表するプレーヤーになった。その素地、ハナサカクラブのような根幹はまだ生きている。なら生き返る萌芽はそこかしこにある。

根が生きていればまた花が咲く。何度散ってもまた力を蓄え、育つ。それを来期の楽しみにしよう。




今日はみんなお疲れ様。今シーズンの残り1試合、そして来シーズンの戦いのために、今はただ休もう。おやすみ。

11/22/2014

2014 J1 第32節 仙台 3vs3 C大阪 Battle Battle Battle... #cerezo #photo #diary

2014年11月22日(土) 17:04キックオフ[ 観客 19,404人 ]ユアテックスタジアム仙台

得点者

前半3分 野沢 拓也(仙台)
前半17分 赤嶺 真吾(仙台)
前半38分 杉本 健勇(C大阪)
後半27分 永井 龍(C大阪)
後半43分 ハモン ロペス(仙台)
後半45分+3 カカウ(C大阪)

試合だけを、そのものを評価するなら、よくぞ心が折れそうな流れを引き戻し、くじけず下を向かずに戦ってくれたと思える。けれども、この結果だけを考えれば、降格の可能性はまた一段と大きくなってしまった。90分間(プラス7分ものアディショナルタイム)だけのものと、これまでの、2880分間トータルのそれとで評価は変わってしまう。難しいな。


スターターは、セレッソの今年の混迷を表したような布陣。岡野前社長がヤンマー本社を口説き落としてまで獲得したディエゴ・フォルランは遠征に帯同もしていない。起死回生の一手と獲得したカカウもベンチスタートで、前線は生え抜きの南野拓実と永井龍となった。杉本健勇は右サイドで、左は楠神順平、ボランチには長谷川アーリアジャスールと扇原貴宏。守備陣に変わりはなしで、代表帰りのキム・ジンヒョンがゴールマウスを守る。


急造の、寄せ集めの11人ではあった。けれども、この布陣は俺個人が一度試してみてほしかったものに近くて、期待はしていた。杉本はプレッシャーがきつい前線よりサイドトップとして起用したほうが活きるはずだし、南野のフィニッシャーとしての力もゴールに近いほうが発揮できるだろうと、長谷川も窮屈なサイドよりもセンターの方が活躍できると。


しかし、試合開始から僅か3分で流れが悪い方に傾く。ボランチの2人の関係性が成熟していないのと、立ち上がりから慎重になり過ぎたのと、それから、仙台のこの一戦に懸ける勢いが強かったのも大きかった。


得意のカウンターから野沢拓也、こちらも武器のセットプレーから赤嶺真吾。一番許してはいけない先制点、心を砕かれそうになる2点目。そこから立ち直り、セレッソがシュートを放つのに、前半20分過ぎまで我慢し続ける必要があった。

福音は、狙い通りサイドトップで考える暇(いとま)を与えられた杉本と、左サイドでドリブルを自在に仕掛けられた楠神だった。杉本のゴールは美しくも素晴らしくもないものではあったけれど、0-2から1-2に持ってきたことで、仙台に違和感と自身への猜疑心を、セレッソに勇気をもたらしてくれた。価値を考えれば千金のものがある。


後半は……もどかしかったな。もう少し攻め駒を矢継ぎ早に繰り出せなかったのか。秋山大地はオープンな展開の時はその運動量、守備範囲が脅威になるだろうし、息切れしたサイドバックには新井場徹をパッチすることもできた。しかし実際には交代はカカウ一人で、それもチームが疲弊し切っていた後半35分になってから。永井の幸運な同点弾が決まっていたからこそ注視されないけれども、あの投入までの時間に意味があったのだろうか。



その頃にはチームはスタミナが切れていて、組織だった守備だとか、そんなものは期待することすらできなかった。ジンヒョンの力量、扇原の頑張り、長谷川の勇気を持った攻め上がり、個々人の精神的な奮闘に期待するしかなくなっていた。前半から連携など期待していなかったけれど、もうこのころには単に11人のプロ選手を並べただけの、そんな集団に成り下がっていた。

だから、仙台の3点目は突然で、心を引き裂かれるものではあったけれど、決して悲劇だとは思っていない。勢いに任せて、誰もチームをコントロールもしていなくて、それで攻めこむだけに執着していれば、ああいうしっぺ返しが来る。


それでもセレッソは負けなかった、それは素晴らしい幸運だ。カカウという驚異的な存在が、10分そこらの時間、全力でボールを追えばあんなゴールが生まれるのだな。

負けなかった、勝てなかった、これをどう結論をつけようか。降格の闇はいよいよ背後まで迫って、真っ黒な口で俺達を飲み込もうとしている。次の鹿島戦に敗れれば、もうあの真っ暗な臓腑の中に落下することになる。しかし、まだ希望の光はわずかに見えている。文頭にも書いたけれど、本当にもどかしい。

悲観することも、さじを投げることも簡単だ。人を悪くいうことも。ただ、それはもう少しだけ後にしよう、12月の大宮ででもできることだ。そこまで、最後まで、まずみんなが、それぞれができることをしよう。チームがバラバラで、サポーターまでそれでは、キャプテンが悲しむ。違うか?



クラブの社長が辞めたら勝ち点増えるのか? #cerezo #photo #diary

大阪サッカークラブ、つまりセレッソ大阪の取締役社長である岡野雅夫氏が辞任した。


個人的な恨みつらみは無いけれど、クラブが迷走しているこの状況を作り出した一端は確実に彼にある。そこで残って、立てなおして、クラブと苦楽を共にするのも責任のとり方だし、自分で身を引くのもそうだし、どちらがいいのかは分からない。辞任という衝撃でクラブが変わるのなら、まあ、この判断もありなのかもしれないな。

いや、正直なところ、嬉しいのかと問われれば、嬉しい。もとの、身の丈クラブに戻れるかもしれないから。強情な古参のサポーターらしいと笑ってくれていいよ。


岡野元社長がいたこの数年は、チームの成績以上に派手派手しい流れの中にいた、違和感を感じるほどもてはやされた。ヤンマー本社の、ブランドイメージを刷新する部署から転身した彼らしく、ディエゴ・フォルランを獲り、派手なプロモーションで世の中に打って出て、メディアの露出が異様に増えた。長居スタジアムはネーミングライツを買われヤンマースタジアムになり、セレ女と呼ばれる層を取り込み招き入れることにも成功し、チケットが売り切れることも多々あった。それは、評価される部分だ。


けれど、肝心のチーム強化のやり方が稚拙だった。まずチーム強化の骨子だった部分を「コストがかかりすぎるから」と簡単に切って捨てた。迷走の始まりはここだった。それから、露出が増えたことで、選手達はまるでアイドルのようにもてはやされて、練習場からクラブハウスに戻るまでファンサービスのためにクタクタになることもしばしばだった。それを簡単なルールだけ設定して放置もした。


チームが下降線の時は監督や選手を補強したけれど、呼んだ監督はどちらもチーム成熟に時間がかかる育成型のマルコ・ペッツァイオリと大熊裕司で、短期に結果を出すのは厳しかった。選手も前線のカカウと、ボランチのキム・ソンジュン。チームの要になるボールをキープできる存在、ゲームメーカーは不在のままで、柿谷曜一朗やフォルランが苦しんだように、彼らもチームにフィットできずにいる。強化の際にどんな基準があったのか疑問だ。

だから「嬉しい」わけだけれど、でもそれは一過性のものだ、道端で缶コーヒーを飲んでうまいなとか、その程度のものだ。


社長が辞めたら勝ち点が増えるわけでもないし、今さらトップが替わったところで打つ手は無い。チームが苦しいことに変わりは無い、なんの変化もない。だから、缶コーヒー程度なんだ。

試合結果によれば、今日にもセレッソの降格が決まる。その現実を直視しよう、そして、乗り越えるんだ。過ぎたことは過ぎたこと、目の前の270分を戦いぬくことに集中、集中……。

11/16/2014

どうして人生はうまくいかないのか、舞洲で考えてた。 #cerezo #photo #diary

土曜日、久しぶりに舞洲に行った。サッカーに、セレッソに飢えているサポーター達がたくさんいて、練習試合とは思えないテンションが満ち満ちていた。


しかし、この日もセレッソは空回りし続けていた。誰がボールを保持するのか、誰が決めるのか、誰が守るのか、整理がついていなくて、それでも何とかしようと個々が動きまわって、またチームが空回りして、それの繰り返しだった。チョン・ウヨンのようなボランチまで下がってボール回しができる選手がいると、ボランチがどこにいればいいか混乱して守備がバタつく。4-4-1-1でいいのに。


岡田武瑠が怪我したのは、45分の練習試合の後、関西ステップアップリーグの前半だった。調子がいいと伝えられ、事実この日の動きは以前の彼からは想像できないくらい見事なものだった。そんな時だっただけに辛かった。


仲間がピッチに駆け寄る。永井龍や同期の秋山大地が駆け寄る中、ディエゴ・フォルランだけがセンターサークルで仁王立ちしていた。なにかチーム内の縮図が見えたような気がした。


どうしてうまくいかないのだろう。いいことがあると悪いこともある、それは知ってる。でも、こんなにバランスが悪いのはどうかしてる。

だから俺は決めたんだ。ちゃんと幸せになるってことを考えたんだ。セレッソのことも、自分のことも。


よく決めて、がんばらなきゃ、幸せになんかならない。それに、悪いことにくじけててもダメだ。負けずに、めげずに、下向かずに歩いて行けば、きっと良くなるさ。

だから、俺は負けないし、めげないし、下向かない。意地でも幸せになるから覚悟しておけよ。

11/15/2014

39歳になった!! #photo #diary

まずはじめに、俺のバースデーに合わせて2ゴールを捧げてくれた乾に感謝したい。ありがとう乾ありがとう。


その実は、こんな冗談も言っていられない39回目のバースデーだった。そもそも誕生日を迎えたのは仕事帰り、重たい深夜ミーティングの後で滑り込んだ終電の中だったし。深夜残業キツい。


それでも、TwitterやFacebookを通じて繋がっている多くの友人、知人から「おめでとう」の言葉をいただくと、体がふわりと軽くなったように感じる。「言葉」が持っている力は、人を活かすことも、殺すこともできるんだと改めて確認した。

だからこそ、俺はブログを始めたんだけどね。みんなが試合終わりに祝杯を呑んでいるころ、俺はパソコンの前で1000枚前後くらいの写真を一枚一枚チェックして、補正して、その間に推敲をして、書きなぐって。19時キックオフの試合だと、記事を書き終わるのは夜中の2時くらいじゃないだろうか。


普通はそんなマゾヒスティックなこと誰もしないんだけど、俺は人間ではないからね。人間らしいロジックで動かないバカだからこそ、10年続けてこられたし、これからも続けていくはずなんだ。そうして、サッカーが好き、セレッソが好き、あと、写真が好きって人とつながりあえたらと願っている。


先に書いたTwitterやFacebook、リアルで知り合った多くの人との接点もブログだったし、こういうツールがある時代に生まれてよかった。これが無ければ文章を綴る力も、それを表現する力も持ちあわせてはいなかったし、多分孤独に、どこかの街角で貧しくくたばっていたろう。

そう、俺は幸せ者だよ。誰よりも、何よりも幸せ者だ。生きていることに、今観てくれている皆に感謝したい。それをお返しできるほどの余力はあまりないけれど、セレッソ同様、精一杯生きて、生き延びて、いつかは「これは」という文章を、一枚を創ってみせる。だから、もう少し俺と付き合ってくれよ。もっともっといいものを、もっともっと素晴らしい時間を過ごそう。


さて、今日は舞洲まで行って、久しぶりにセレッソを撮るぞ。

11/13/2014

足掻け、桜の戦士。 #cerezo #photo #diary

久しぶりになるな、ブログ書けてなくてすまん。毎日幸せなことにジャンジャカ仕事いただいていて、てんてこが舞っている。てんてこってなんだ?


人がクソ忙しく仕事をしている間にもサッカーにはいろんなことがあって、青黒い方のホニャララさんがなんぞタイトルを獲得したとか言ってる反対側で、セレッソは京都サンガのサブメンバーにガチメンバー(と、考えているであろうメンツ)で挑み、ものの見事に逆転負けを喫したそうだ。

人によって話がバラバラでなんとも言えないのだけれど、一つだけ不満があったりする。それは、失敗している組み合わせをどうして続けるのか、ということ。


前線だと、ファーストチョイスは杉本健勇と永井龍なのだけど、それでは得点力が全くなくて、先制されると厳しいという悪い流れが固着したまま。


かと言ってチームトップスコアラー(7点だけども)のフォルランと、出場時間あたりの得点力で見ると素晴らしい成績のカカウが組むとチームの運動量がガタ落ちになって、守備のチームに仕上げているのに守備が機能しなくなる。ここ何試合はこの二つの間を行ったり来たりしているだけというのが主観だ。


で、残りの公式戦は3試合、泣いても笑っても270分プラスアディショナルタイムしかない。そこまでなんの工夫も無く、練習やトレーニングマッチを消化しているのは、どこか歯がゆく感じないだろうか。

例えば一時スポーツ紙で南野拓実をトップの位置で使うという話が出て、これはと期待したのだけれど、使わない。彼は攻撃でも守備でも面白いことができる人間なのに。


去年の最終節、ああ、すごく昔に感じるな。あの埼玉での浦和戦まで、チームは4-2-3-1(実質4-4-1-1)を採用していた。守備は9人で行い、攻撃は柿谷曜一朗の一撃に期待する、そこへの球出しはファビオ・シンプリシオのひらめきに任せる。シンプルだけれども一番効果的な方法だった。ところが、浦和戦ではシンプリシオが体調不良で欠場、トップ下は杉本が務めることになった。しかしこれが機能せずあっさりと先制されてしまう。


万策尽きたかという苦境、ところがここからがレヴィー・クルピの真骨頂だった。トップ下を2列目の3人にローテーションさせ、最適解を試合の中で探っていった。杉本は運動量が、エジノは動きの質が足りない中で、前半の後半15分くらいから南野がトップ下に入った。彼のスピードとフィジカル、それから知性は、相手の攻撃をせき止め、攻撃では得点源の柿谷と見事な化学反応をみせた。結果は御存知の通りで、2-5。柿谷と南野が2ゴール、杉本が1ゴールと圧倒した。立ち上がりはフラフラで、これはマズいと思っていたチームが、驚くほど躍動し、浦和を圧倒した。


そこまで魔法じみたことをしろとは言わないけれど、大熊裕司監督に、そしてセレッソに残された時間を考えると、今のスタイルを続行し、練磨していったとしても勝算は低いと考える。確かに博打じみてはいるけれど、精一杯足掻かないとチームが沈んでしまうのだから、いろんなアクションを試行してもバチは当たらないだろう。


もう何もかもが逼迫しているんだ、それくらいの手は打とう。土曜日のトレーニングマッチは舞洲まで行ってくる。そこで現実を写真におさめてくるよ。公式のコメントはまるで大本営で、どこに真実があるのかなんて分かりはしないんだから。

11/05/2014

俺がもし扇原貴宏だったら。 #cerezo #photo #diary

いや、イケメンのサッカー選手だし、A○Bにもモテモテやんか!とかそういう意味ではない。同世代の女性と世帯を持ち、かわいい娘も生まれたばかりの20代の若者だったら、ということだ。


自分が扇原でなくてもいい、仲のいい知り合いでもいいんだ。たまには飲みに行くか、とか誘ってどこかで飲んで食べて、でも元気がない。いつもは明るい感じなのに、奥さんもいて娘もいて幸せなはずなのに。

「勤め先の業績がかんばしくなくて、ヤバいんだよ。自分一人じゃどうしようもなくて……」

扇原がどうしようという風にうなだれて、ポツリとつぶやく。そんな時、自分だったらどう声をかけるだろう?ひょっとしたらこんな風に言ってしまうかもしれない。

「タカは仕事バリバリできるんだし、業界広いじゃないか。転職しようと思えばすぐにできるよ。もしもの時はさ、職場変えるのもアリだと思うよ。」

「いや、今の会社、若い時からずっと育ててもらってたところだし、そう簡単に転職とか……」

「そんなしがらみにとらわれて、一度しかない自分の人生棒に振るつもりか?家庭持って、娘さんだって生まれたばかりだろ?だったら少しでもいい生活できるようにするのが、お父さんの役目じゃないのか?」

そうやって言いくるめて、転職をすすめてしまうかもしれないな。


クラブ愛とか、サポーターとの絆とか、普通の会社には無い要素も確かにある。でも、仕事をして対価をもらい、口に糊しているのは俺達と変わらないんだ。ましてアスリートの選手寿命は短い、その間にどれだけお金を得るかがとても大事だ。生活のため、必死に稼ごうとする彼らを責められるだろうか。

「セレッソに対する愛情はそんな程度なのか!」

と責め立てている自分は、そんな言葉を吐けるくらい、自分の勤め先を愛しているだろうか。どれほど経営が傾いても、迷走しても、ついて行こうと思っているだろうか。彼らに吐いているクラブ愛というものは、つきつめたらそんなものと同列のものなんじゃないだろうか。


今日扇原に一人目のお子さんが生まれたと聞いて、自分も24の時に娘を授かったな、あの時は大変だったなって思い返してた。このまま働いて、娘が大人になるまでちゃんと育てられるのかなとか、不安を感じた。それと同じ感覚を抱いている人間に、無理難題を押し付けるのって、どうなんだ?


セレッソが残留さえすれば、そんな悩み杞憂に終わるのだけどね。それが難しいって、本当にキツいな。


11/02/2014

2014 J1 第31節 C大阪 1vs3 甲府 まだ届かない「声」。 #cerezo #photo #diary

2014年11月2日(日) 13:05キックオフ[ 観客 23,378人 ]雨のち曇

得点者

前半25分 カカウ(C大阪)
後半17分 盛田 剛平(甲府)
後半26分 山本 英臣(PK)(甲府)
後半28分 保坂 一成(甲府)

下らないことかもしれないけれど、サポーターは危機意識を持って、勝たせるために何ができるのかを考えてアクションを起こしていた。それは、試合に関係のない、試合に関与できない、サポーターって金払って応援しているだけの人間の自己満足かもしれないけれど。


選手は試合に関われる、すごいことだ。ボールを追い、パスを放ち、シュートを撃ち、ゴールを奪ってチームを勝利に導ける。なのになぜアクションを起こしてくれないのだろう、勝ってくれないのだろう。欲求不満がワインの澱のように心に沈んで、キツい。



スターターに変更はほぼなし。南野拓実はあいかわらず2列目で、トップは杉本健勇とカカウが入った。長谷川アーリアジャスールは右サイドでのスタート、センターバックは藤本康太と山下達也。ベンチにはディエゴ・フォルランが入っている。


前半立ち上がりはとても消極的だった、失点を恐れてリスクを計算した動きしかできなかった。けれどもそれは甲府も同じことで、お互い相手のふところには入らずにジャブばかりを繰り返しているような状態だった。


ただ一つ違っていたのは、セレッソには型がなく、甲府にはそれがあったということ。甲府はトップに38歳の盛田剛平を入れて、まずそこで起点を作るというやり方を徹底したいた。セレッソはそれぞれが個々にアタックするものの、そこから誰かと連携して崩すとか、アイデアを発揮するところが無くて、チームがチームとして機能していなかった。長い間、ずっと攻撃のスイッチになっていた扇原貴宏から丸橋祐介へのフィードですらままならない状態だった。


それでも、セレッソには運があり、カカウという決定力のあるトップがいた。前半25分の得点は酒本憲幸のパスカットがそのままカカウに渡り、甲府が守備組織を構築する前に決めきったもの。あれ以外に決めるチャンス、ああ惜しいという機会は一度あったか無かったか。それでもリードして前半を終えられたのはラッキーだったと言う他ない。


勝つのであれば、この運を掴んで放さないことが大事だった、守備を徹底するならそうすると、割り切ることも必要だった。ボールを保持するタイプの選手を後ろに置いて、前はスピードやドリブルで勝負するタイプの選手、プレスに行ける選手で固めてもよかった。次の1点をとるのか、守りを固めるのか、チームの意思統一がハッキリとされていないように感じた。


例えば長谷川はパスに強みがあり、守備でも堅さがある反面、スピードで勝負するタイプではない。彼が右サイドにいることで得られるメリットと、受けるデメリットのバランスがとれていない。逆に南野は前でカウンターを狙うには絶好の特性を持っているのに左サイドにいて、丸橋祐介と攻めるコースがバッティングしている。そうした一つ一つの不都合がセレッソのチームとしてのリズムを悪化させていったように見えた。


失点は……あれ単体はキム・ジンヒョンのミスだ。ただ、弁護するなら守備全体の連係もとれていなかった。甲府の捨て身の攻撃、左サイドの穴を執拗に狙ったアタックに対して誰も、何もパッチしようとしなかった。選手も、ベンチも。その結果があのゴールであり、その報いが2点目のPK、3失点目に繋がっていった。



そこから先のことは、書いても書かなくてもいいような内容。どこか惜しいと思うシーンも無く、どこか悔しいと臍(ほぞ)を噛むような出来事も無く、ただ淡々と敗れていった。ワールドカップで得点王に輝いたフォルランも、ドリブルで相手を切り裂くジョーカー、楠神順平も、なんの仕事もできなかった。選手交代で後手を踏んだ大熊裕司監督の采配を非難することもできるけれど、そんな文章を書きたいとは思わない。


このテンションで試合を続けていたら、多分間違いなく、落ちる。3度目の降格は、これまでのものよりずっと酷いものになるだろう。生活のためキャリアのため、人気の選手は我先にと泥舟を降り、スタンドから人影も消える。そうしてまたトップに戻るまでに長い長い年月と、かつての香川真司や乾貴士のような特別な才能が必要になるだろう。


もう苦しくなってしまったけれど、今はまだそれを回避できる道が残っている。270分間走りきり、どのチームよりゴールを奪い、どのチームよりゴールを奪われなければ、また来年、すぐに立て直すチャンスが残されている。なら、彼らは、俺達は走らなければいけない、声を出し、後押しをしなければならない。それは観戦と呼ぶにはあまりにマゾヒスティックな行動ではある。けれど、可能性が1%でも残っているなら、やろう。運命に身を委ねるのは、やり切って、走りきって、飛んで、跳ねて、声も枯れ立てなくなったその後なんだ。