10/31/2012

スタジアムの「必要」と「不要」。 #stadium

国立競技場を、2019年のラグビーワールドカップに合わせて、8万人収容の巨大スタジアムに建て替える、という話が進んでいる。

新国立競技場

最終審査に残ったプランは、どれも夢の御殿のようで、これはこれで結構な話だと思う。けれど、スタジアムという施設に、本当にこれほどのギミックが必要なのかなという気持ちもある。そして、美しくはあるけれど、スタジアムに必要ないろんなものが抜けてるなというプランもあり、老婆心ながら心配している。


ラクビーワールドカップの試合会場としては他にトヨタスタジアムや札幌ドーム、ユアテックスタジアム仙台(ワールドカップの時はネーミングライツが使えないから仙台スタジアムになる)、秩父宮ラグビー場、ニッサンスタジアム(横浜国際競技場)、レベルファイブスタジアム(東平尾公園博多の森球技場)


関西だとホームズスタジアム(ウイングスタジアム神戸)


それに長居スタジアムの使用が予定されている。


トヨタスタジアムもホームズスタジアムも(規模感は別にして)長居以上に豪奢な作りで、世界大会を開くに十分だと思わせる。けれど、こちらの二つのスタジアムも、新国立競技場の一部のプラン同様、やはり足りないものがある。


ぶっちゃけると、これらのスタジアムには、天然芝のコンデイションを維持するだけの日照と風量が圧倒的に足りない。

特に屋根とスタンドの間をみっちりと防音用のアクリル板で覆っているホームズスタジアムのピッチコンディションは劣悪だ。スパイクをはいた選手が少し踏ん張っただけでベロリと芝生がめくれ上がる。


トヨタスタジアムは半地下ではあるものの、2階席の四隅に大きな切り欠きがあるため、まだ風通しがいい。それでも芝生がいい状態だとは、お世辞にも言えない。

逆に、スタンドがピッチから遠く、球技観戦には不向きと言われている横浜国際競技場は、その分日光と風とが十分に確保され、ピッチコンディションがよい。なんとも皮肉な話だけれども。


多分どのスタジアムも、洋芝が生育するのに最適な気候の西欧、北欧で建てられたものなら、こういう問題は出なかったろう。実際、キム・ボギョンがいるカーディフのミレニアム・スタジアムなどは、日本のどのスタジアムよりも密閉されているけれども、芝生がどうこうという話はない。


国立競技場のデザインコンペティションに応募された国内外の建築家の方々は、欧州などとは明らかに違う「日本の風土」について、どの程度理解されているのだろうか?

それを抜きにして会場を建築したとしても、選手の最高のプレーを引き出すことなど不可能だ。大分トリニータがJ2に降格した2009年には、同じく風通しが悪い大分銀行ドームの劣悪なピッチで、多くのプレーヤーが負傷、大幅な戦力ダウンを余儀なくされている。サッカー以上に芝生に負担がかかるラグビーで、芝生のコンデイションが疑問視されるスタジアムを建てればどうなるか?

もし2009年の大分で起こったことと同じことが、2019年にも起こるとしたら、この10年ほどの間、日本のスタジアム建築も、スポーツ文化も、何も進歩していないと内外に広めるのと同義だ。


スタジアムを建てるのに、観る側の快適さ、見た目の美しさばかり追求して、本来重きを置くべきプレーする側への配慮を欠いてはいけない。それはまわりまわって、関わった全ての人間にとってのマイナスになる。本当にすばらしいスタジアムとは何か、再考できないものだろうか。

10/30/2012

健勇。期待されるって、スゴイことなんだよ。 #cerezo #photo

ということで、健勇の話。


フィジカルもテクニックもセンスもある、ともなってないのは結果だけ。だからみんな待ってるんだよ、健勇の覚醒を。もうそろそろ2年くらい経っちゃったか。


セレッソ大阪を分析するブログさんでも書いてられるけど、ほぼ同感。健勇と柿谷の関係性がもう少し整理されれば、二人ともスコアをあげられるんじゃないかと思っている。


現状は、柿谷がゴールの近く、より前にという意識が強い一方で、健勇はフリーで受けたいあまりに、下がったりサイドに流れたり、どちらかというと2列目のように動いている。

それで、柿谷にボールが渡らず、健勇も機能しないという悪循環が起きている。ここ何戦か柿谷が不調なのは、まわりとの関係性も少しは関係がある。


じゃあ健勇は最前線でセンターフォワードとして耐え続けなきゃいけないのか?それもまた違うかなと感じている。

現在1トップを務めているJ1のフォワードというと、広島の佐藤寿人、磐田の前田、FC東京のルーカス、そして今回当たった浦和の原口やポポあたりが思いつく。しかし、彼らはガタイに任せて前線でデンと張っているわけではない。


確かに一番前にはいるけれど、サイドに流れたり、2列目と同じ高さまで降りてきたり、ラインの裏を突いてみたり。多彩な動きで相手守備陣を混乱させ、攻撃の突破口を作っている。


セレサポならすぐにアキの名前が思い出されるけれど、アキは典型的なセンターフォワードだった。どんな相手でもセンターでキープできるし、散らしも正確で、その上自身でもスコアを上げられた。上記した誰とも違う異彩だと考えた方がいい。

健勇は、どう転んだってアキにはならない。むしろ健勇らしさ、健勇だからできるプレーでチームに貢献してほしい。


ヒントは、ケンペスのプレーにある。

彼も当初はセンターにこだわっていた。しかしそれでボールキープができないとわかると、終盤にはサイドバックの前までズレてきて、そこでロングボールを受けるようになった。

さすがにセンターバックがそこまで上がることはできないからキツいマークも受けないし、サイドバック相手ならハイボールの勝率もいい。ゴールからは遠くなるが、それは彼の持つ足の長さ、速さで補えばいい。うまくいけば自分がシャドーのように動いて、ゴール前に飛び出すことができる。ちょうど天皇杯山形戦の1点目のように。


ゴールを奪う動きに関しても、播戸という二つと無い生きた教材がある。いいところをどんどん盗んで、よりサポーターに愛される、そしてサポーターをワクワクさせるストライカーになってほしい。生野区民なんで、期待度は半端ないよ。

10/28/2012

キンチョウスタジアムの席割り。どこにしようかしら…。 #cerezo

無事に来年の年パス継続申込書が来たんだけど、キンチョウスタジアムの席割り、思っていたより変わったな。


これが前に出した想像図だけど、今回届いた席割り図をもとにもう一度詰めてみる。


この、バックスタンド中央の青い席の部分が、今回広がったカテゴリー4の部分。メインスタンドと同じ席で、間隔も広いということでイチオシらしい。念のため席割りも重ねてみる。


こんな感じ。ゴール裏が拡張したこともあってゴール裏座席は1ブロック減、カテゴリー5は以前はLブロック、Mブロック、Nブロック、Oブロックだったのが、Nブロック、Oブロック、Pブロックになる。

カテゴリー4はIJKだったのがHIJKLMと倍増。ただ席のスペースが広くなるってことだから、席数も倍増っことにはならないだろう。

こうして見るとキンチョウスタジアムのカテゴリー4が持っている付加価値がかなり高くなった。カテゴリー5からのグレードアップは5000円か、どうしようかな。

10/27/2012

2012 J1 第30節 浦和 0vs0 C大阪 シュリンク。 #cerezo

得点者なし



ラストの杉本健勇のシュートが決まっていたら、もう100点の試合。そこには至らなかったけれど、それでも3位のチームとのアウェイマッチでドローなんだから、評価するべき試合。


スタメンは前節と変わらず。ベンチには児玉が入っているが、それ以外は同じ。


今のJリーグでは4-4-2や4-2-3-1のような4バックのシステムを導入しているチームが多いのだけれど、 ペトロヴィッチが育てた2チーム、広島と浦和は3バック、それもかなり特殊なシステムを組んでいる。

1トップと2シャドーが一気に起点を作って中央を速攻、できなければ一度下げて両サイドから崩す。タテに早くシステマチックで、これがセレッソが後手を踏んだ理由になった。原口はトップなのだけれど、サイドに流れたり下がったりとマークしづらい。これはFC東京のルーカスと似た感じ。


セレッソの持ち味は中盤と両サイドバックのキープ力。ボールを長く保持して相手の出方をうかがい、スローテンポから一気に攻め上がるのが信条。けれど、浦和は両サイドがしっかり戻って5バックに近しい形で守り、奪えば速攻が待っている。

相手の走力をボールを保持することで奪えばセレッソのパターンになるのだが、攻めはジリジリとしか進まず、ボールを失ってから長い距離を帰陣する。この繰り返しになるとスタミナが落ち、チーム全体のコンディションも悪化していく。

こうなると選手が前と後ろに固まって、縮まっていく。セレッソらしいボール回し、連携ができなかったのは、この「シュリンク」が原因。


ということで、試合は全体的に浦和ペースで進んでいた。それでも、茂庭、藤本の2CBとキム・ジンヒョンはよく踏ん張って、決定機を何とかしのぐ。浦和も勝たなければいけないという危機意識からか、フィニッシュが丁寧すぎて逆にミスを生んでいた。このあたりはリーグ戦終盤ならでは。


もうひとつ気になったのは、両チームのミスパスの多さ。芝が長かった、ということらしいが、ちょっとしたパスが精度を欠いて奪われることが多かった。前半の好機、枝村のシュートもここから生まれている。


後半のセレッソの課題は、1トップの杉本の下でとれだけボールを保持できるか、そのためにどうカードを切っていくか。流れが浦和の押せ押せから変わらない中、どう生命線をよみがえらせるかがカギだった。

そのために、チームトップスコアラーの柿谷を下げるという荒療治を行った。

後半15分

柿谷と吉野はともに攻撃的な中盤の選手であるけれども、役割りは全く違う。柿谷はゴール前で生き、吉野は2列目とボランチの間で躍動する。中盤でのボールをセレッソの支配下に置きたい、レヴィーの意図は明らか。


これは、よく機能していた。吉野は期待通り、ボールの配給役として、ボランチと前線の間で動きまわる。


それでも大勢は変わらず浦和。原口、マルシオ・リシャルデス、槙野あたりは最期まで捕まえきれなかった。専売特許のはずのドリブル、フリーランで突破されると余計に悔しい。

次の一手も2列目。扇原と村田を入れて、山口螢を一列上げる。

後半27分

こちらは、結果的に悪手になってしまった。山口螢では攻撃の迫力は変わらず、村田はボールを受けることに専心するあまり前残りで咬み合わない。守備に関しては本職ボランチの選手が3人いることで安定はしたけれど、浦和の攻めが中盤を省略してくる分劇的な効果は得られなかった。



後半ロスタイムになってようやく十重二十重と攻め続けるところが出たが、セレッソらしい動きは90分間でこの3分ほどだけだった。後半の決定機も杉本の1度きり、それが決まればざまあみろだったんだけれど。


それでもドロー、勝ち点1を得たことに変わりはない。何度も書くがキム・ジンヒョンをはじめとした守備陣がギリギリのところで踏ん張り、相手の焦りを誘うなど上手く立ちまわってくれた。


この試合も含め、残りアウェーはリーグ戦3位、2位、1位が相手、圧倒される展開になることも多いはずだ。そういう時にどう立ち回るか、耐えきるか、少ないチャンスを決めきるかで、試合の流れが決まる。点を先に奪えれば、今日キム・ジンヒョンが意図的にやったような「焦らす」振る舞いが効いてくるだろう。

とにかく、日本で一二を争うアウェイでの勝ち点獲得を喜ぼう。そしてこれからも上位をかき回し、セレッソの存在を見せつけてやろう。

10/24/2012

キンチョウスタジアム待ったなし!(予想図付き) #cerezo

ようやく公式リリース来たね。

CEREZO OFFICIAL

【12/10/24】キンチョウスタジアム改修工事についてのお知らせ

キンチョウスタジアムについて、皆さまに、より快適に観戦していただくため、以下の通り改修工事を行います。


■工事内容
◇ホームゴール裏立見席
・ホームゴール裏立見席のスタンドを約2倍に増設いたします。
・席数は、改修前の1,200席から改修後は2,200席となります。

◇カテゴリー4(バックホーム指定)
・現在の座席をメインスタンドで使用している座席に変更し、サイズが大きくなります。
・1列の座席間隔が広くなり、ゆったりとご覧になれます。
・工事に伴い、カテゴリー4のエリアを拡張いたします。

■工事期間平成24年12月~平成25年3月(予定)

ということで、予想図。


多分こんな感じで間違い無いと思う。

アウェーゴール裏はリリース無いけど、入札の工事範囲に入っているから足元をコンクリートで固めて立ち見席か座席化するのも確定。多分立ち見だろう。

バックスタンドはカテ4の席間隔が開くらしい。カテ5を狭めると年間パスの調整が大変なので、カテ6方向に1ブロックズレて、南自由席が1ブロック削れるくらいじゃないかな。そうすればチケットの客単価も上がる計算になるし。


そして、ホームゴール裏


増設は1000席だから、後ろにそのまま伸びる。今ダンマクをはっている防音壁は取り外しができるので撤去、そこから今のゴール裏に連なるような感じに広げて、その後ろに防音壁を再度設置。

消防法とか詳しくないけど、出費を抑えるなら、ゴール裏一期(現在のスタンド)と二期(今回のスタンド)の間にゲート状の出入り口は設けず、スタンドの左右両端に階段を設置して終わりかもね。それで出入り口は左右2箇所ずつになるから、理屈で言えば今と混雑具合は変わらない。

スタンドの角度は今と同じになりそう。というのもそのすぐ後ろにキンチョウスタジアムのピッチと同じ芝を植えている場所があるから。日差しが遮られるとそこに影響が出る。

トイレもバックスタンド両端とゴール裏の仮設(と言う名の常設)が取り払われて、本当に常設化される。

これでキンチョウスタジアムの大枠での改装は終わりになる。後はカテ4前の「ベンチ」になっている部分を潰すとか、メインの見切れ席の座席を外し、カテ4のベンチを潰して作ったスペースや芝かぶり席にもってくるとなど小さな改装や、選手が使う部分に対する俺たちから見えない部分の改装が残るだけだ。

公称20,500席だった今までのキンチョウは、オーナーズシートが満員にならなかったことを加味しても、メインの見切れ席が販売できないなど、実質17,000席程度のキャパシティーしかなかった。それも殆どがメインで、ユーザーニーズとは違った席割りになっていた。

それが今回の改修で改善され、2万人弱、19,000席程度のスタジアムになる。ゴール裏も4,200席あれば、当日券が出ることも増え、一見さんを取り込む余地が増える。コアゾーンもタテに広がるから、より熱気のあるコールができるだろう。


いいことばかりではないかもしれないけれど、それはそれ、出来上がってからみんなで考えればいい。工事進捗はちょくちょくレポートしていこう。ああ、来年が待ち遠しいね!

10/22/2012

Kempes, Meu querido amigo. #cerezo #photo












Eu nunca vou esquecer Meu querido amigo.
Muito obrigado.

10/21/2012

無二和。 #cerezo #idoling #j_toku

実は昨日の試合後、FC東京のサポーター6人と飲むという、非常にまれな機会に恵まれた。長く話すうちに、彼らとは多くのところで共感をし、また同じくらい相容れない部分があることを実感した。しかし、それが実に嬉しかった。


何から何まで同じ人間などいない。それぞれがそれぞれのメンタル、価値観を持っている。セレッソのサポーター同士でも、気が合わないという人間はいる。それでも、試合になれば皆一丸となって、セレッソを勝たせようと手をたたき、跳ね、叫ぶ。それはとても心地いいことだ。

一方、相手のチームのサポーターは敵であるから、気に食わないのが当たり前だ。しゃくにさわる連中とは険悪になる時もある。だが腹を割って話せば、なかなかに面白い。俺みたいな変人はクラブに何人もいるわけではない、おおよそは善良な人たちだ。

それでも、彼らとの距離は、近づきこそすれ、決してゼロになることはない。やはり根底に流れているチームの気っ風のようなものは、互いに譲れないのだ。40のJクラブ、様々なカテゴリのプロ、アマクラブ、学校、ユース、それぞれに違う価値観があり、負けられない、曲げられない部分がある。 

だからこそ、サッカーは楽しい。そしてすばらしい。殴り合いではなく、罵り合いではなく、サッカーで、チャントで、コレオで、チームカラーで戦える。怪我することも、死ぬこともない。そうして泣き笑いできる。


例えば、茂庭のこと。やはりFC東京のサポーターは気にかけている。だからこその茂庭コールであり、試合後の「シャー! シャー! シャー!」があるのだ。やり方は違うけれども、俺たちがユンさんや、ゴリ前田や、ブランキー、宮本や船山に対するそれと近しい。


どこかスカすところ(昨日の高橋秀人と枝村匠馬のチャントのかぶせ合いとか)があるから「コノヤロー」と思うけれども、それが彼らのスタイルであり、愛しかたであり、対峙する方法なんだ。


昨日飲んでいる時には、逆に「尾亦(彼のプロとしてのキャリアはFC東京から始まっている)のこと話振っても乗ってくれなかった!大事にしてくださいよ!」なんて話もあったな。細かいとこまで気にしながらのスカし芸、挑発芸だからこそ、キチンとイライラするのだ。

彼らには天皇杯の「敵討ち(すでに敗退して落ち込んでた)」を条件に、靭帯を痛めている大竹の様子を温かく見守ってくれるよう話をつけておいた。結果報告は元旦の国立でやる、必ず。


アイドリングに関しても、なかなかいい落とし所、結びつきができたな。




正直円満に、お互いがプラスになる交流ってのは、この方法しか無かったと思う。そしてこういう離れ業ができるのがセレッソであり、アイドリング!!!なんだと思う。

彼女たちにはクラブからユニフォームのプレゼントをした。 しかしそれだけでは自分たちから何のアクション、誠意も無いと、彼女たちから自発的に、桜の髪飾りを自分たちで制作し、あの日身に付けるという進言があったそうだ。それがアイドリング!!!に関わる少女たちなりの流儀であり、プライドなのだ。

正直アイドリング!!!のファンの子達とは、サポーター同士よりも激しい差異を感じてしまって、触れ合うことが出来なかったが、彼らにも彼らなりの愛し方、生き方があるのだとよく勉強させられた。100メートル離れたバックスタンドからメインを貫通して、コンサート会場からの歓声がとどろいた時は驚いたよ。


FC東京のサポーター、そしてアイドリング!!!。試合に来た彼らとは、奇妙な縁ではあるけれども、繋がり合うことができた。この繋がりを無二の和として残していけたらな。お互いが認め合える存在で在り続けられるように。ということで、長くなったけれど、今日のタイトルは無二和(むにわ)。乃木希典将軍(中国にある203高地を「爾霊山」と名付けた)にならったのだけれど、うまくないな。



セレッソはセレッソとして、自分たちの大切にしているものを、これからも大事にしていこう。スタンドを俺たちの色に染め、俺たちの旗をなびかせていこう。その積み重ねが、クラブの歴史になり、力になる。恥ずかしいところカッコ悪いところもひっくるめて、おらがチーム。そういうメンタル、プライドがなければ、いくら強くても他チームのサポに認められることも、大阪という街に文化として根付くことも無いからな。

昨日のコレオでは、ゴール裏に大小のエンブレム入りフラッグが広がっていた。万博でも市章である「みおつくし」を広げた。セレッソのプライド、ハートをこれからも前に出して進もう。「これがセレッソや!!!」という気持ちを、強く強く示していこう。


昨日は異文化と触れ合うことで、自分たちのアイデンティティをしっかりと確認することができた。良い経験になったよ。

とら、ハイジ、アイドリング!!!に関わる皆さん、いい勉強をさせてもらった。ありがとう。

2012 J1 第29節 C大阪 1vs1 F東京 意地とイキのぶつかり合い。 #cerezo

得点者

後半5分 丸橋 祐介(C大阪)
後半29分 ネマニャ ヴチチェヴィッチ(F東京)


FC東京の(特にサポーターが作る)ノリみたいなものはあまり受け入れられないんだけれど、今日はその気持ちが少し変わった。詳しくは、先々に話そう。

一方で、FC東京がやっているサッカーは大好きだ。攻めにかかる時の一気呵成な様子は、妙にセレッソと近しいものもある。


こういういいチームとぶつかって、力量を見極められたことは喜ばしい。その中で、通じるところ、通じないところを確認できたことは、勝ち点1と同じく、すばらしい収穫だ。


スタメンとベンチはケンペスの退団、扇原の不調で大きく変わった。


1トップ気味に杉本健勇、そのまわりを柿谷。中盤は山口がアンカー気味、シンプリシオが攻撃的、両サイドの枝村、ヘベルチは柔軟にポジションを変える。


前半は、アウェーでのFC東京戦と同じく、スコアこそ動かなかったが見応えのあるものだった。懸念されていた攻撃のシステムも、健勇が無難にポストをこなして、人もボールもよく動いたいい形が作れていた。中盤も文句なし


FC東京は最終ラインに森重がいなかったからか、守備が少し不安定だったが、それでもいいチームに変わりはなかった。トップとDFラインがとてもコンパクトにまとまっていて、攻守の切り替えも早い。

もちろん軸はトップに入ったルーカス。彼を止めれば全体が止まるとわかっていても、しっかり仕事をされてしまう。こちらもキチンとブロックを作って応対。ボールが、狭い、密度の濃い空間を行き来するので目が離せない。


スコアレスながら濃密な流れが後半に入っても続いて、将棋で言う「千日手」みたいな状態になっていた。こうなると、得点を奪うには予想外の動き、アイデアしか無い。その期待に応えてくれたのは、丸橋だった。

サイドに切れ込むと、クロスのフェイクを織り交ぜながらカットイン。さらに右足でミドルを放ち、ゴールスミに叩きこむ。このところ先手を取られ、苦戦していたセレッソが、今日の試合は先手をとれた。


このすぐ後にも、相手のまずいミスで柿谷と権田が1対1になった。しかし柿谷がこれを外してしまい、流れを一気に引き寄せられなかった。今考えると惜しい。


FC東京は、スコアが動いた直後から、早め早めに選手を入れていくのだけれど、これが面白かった。チャン・ヒョンス、ネマニャ・ヴチチェヴィッチと二人、ともにこちらの左サイドに対して強い圧力をかけるぞ、という強いメッセージ性のある交代。そして実際、彼らは左サイド、丸橋の裏を執拗に突くようになっていった。同点になったゴールでも左サイドを破られてのもので、相手とすればしてやったりだろう。


セレッソの交代は後手に回ってしまった。

後半40分

よく動いていた枝村、ヘベルチ、それにパンクして足をつっていた丸橋を下げ、高橋、吉野、扇原を一度に投入した。図を見ればフレッシュな3人は全員左サイドで、傷が深くなる前にパッチしたという意味合いが強いのがわかるだろう。

この試合で課題だな、と感じたのはこの交代だった。もしケンペスがいたら、控えにいたはずの杉本を出して攻撃的に、といける。しかし今日の交代はどちらかと言うと守備のメッセージ性が強かった。もし丸橋がパンクしていなかったら、山口に代えて村田が入っていたのかもしれない、それならまた変わっていたかな。

とにかく、先発のシステムがセレッソにとってあまりにベストすぎて、カードを切った効果が薄いというのが不満。今のベンチメンバーではジョーカーになるプレーヤーがいない。

最後4分あったアディショナルタイムも、長谷川アーリアジャスールの退場以外に動き無く、少し消化不良の状態になった。



今日の試合の収穫は、杉本健勇が先発でも十分に使えるメドが立ったこと。 これなら戦える。

その一方で、リードされた場面、同点で動きが膠着した時などに、自信を持って切れるカードを作らないと厳しい、という宿題は残った。このあたりはレヴィー翁を信じるしか無いな。


相性が悪いFC東京相手に、最低限の収穫を得、同時に宿題も受け取った。これをどう消化し、浦和、仙台と続く厳しいアウェー2連戦を戦うのか。期待と不安が入り交じっている。

10/18/2012

アイドリング!!!でキャズムを超えたい。 #cerezo #idoling

20日のJ1第29節、セレッソ大阪対FC東京戦(at キンチョウスタジアム)にはアイドリング!!!のメンバー、大川藍さん、倉田瑠夏さん、伊藤祐奈さん、石田佳蓮さんがやってくる。多分、彼女たち目当てで来る人も少なからずいると思う。

そういう方たちにこそ、試合前やハーフタイムのショー以外の部分(本来はこちらが本編なのだけれど)例えばサッカーというもの、それにまつわる様々なイベントについて触れてほしい。そうして何かしらのよい化学反応が起こればいいなと期待している。


#idolingとタグを入れたのも、アイドリング!!!側の人たちにメッセージを送りたいから。日頃このブログを見ている方にはまどろっこしい書き方をしてしまうが、ご勘弁してほしい。


さて、普通、サッカーの最新情報を得るためにはどうするか?たいていはサッカー専門誌やそちら系のポータルサイト、ニュースサイト、チームのホームページを見るだろう。

逆にいうと、そうした専門のメディアや、ブログみたいなもの以外にはサッカーの情報はほとんど載っていない。代表がかろうじて取り上げられるかな?程度。

こんな状態が長く続くとファンが固着化してしまい、パイは小さくなるばかりだ。いわゆる内輪ばかりになって、閉鎖的になる。

一見さんが来てもそういう輪ができているとなかなか入りづらい。入場料収入がイコールクラブの財政そのまま、というわけではないけれど、少なくともチームが強くなる可能性は少なくなる。


この状態を打破するためには、この内輪の外に情報を拡散させないといけない。サッカー専門誌ではなく一般紙に、スポーツチャンネルではなくバラエティやニュース番組に、外に外にという力を弱めてはいけない。その意味で、今回のアイドリング!!!とのコラボレーションは、経緯こそ特殊であれ、とても大事で、意義のあることだ。


国内サッカーに限らず、マイナーと思われているジャンルがメジャーになるためには、マニアックな、先進的な人達だけのものである「それ」を、違った形で、違った層にアピールし、それに成功しなければいけない。このアプローチの変更無しには超えられない溝を「キャズム」という。

固定化した客層にだけ深く切り込んでいく、そんなアプローチのやり方を変えるチャンスが、キャズムを超えるきっかけが、ようやっとやってきた。サポーターと自称する皆には、それをよく知って、異文化に触れてみよう。


実はこういうアプローチは初めてではない。スタジアムでウエディングを行い、ハーフタイムには当時まだブレイク前のゴスペラーズがラブソングを歌ったことがあるし、某男性アイドルグルーブが応援に駆けつけてくれたこともあった。

しかし、これがイマイチ上手くいかなかった。

アイドルの追っかけの子たち(多くは若い女性だった)は、試合など目もくれず、マナーなど糞食らえという風で、一番安いゴール裏のチケットで入場し、堂々とアイドルが一番よく見える高い席へと「侵入」していった。一人や二人なら警備員が止めただろうが、十人二十人ではきかない数だった。悲劇というか、喜劇というか…。

しかしこれは、彼女達ばかりに否があったわけではない。アイドルの子たちが見やすい席はどこか、最低限守らなければいけないマナーは何か、伝えきれなかったことも問題だった。


今回は、そんな手抜かりは無いと思う。後は、日頃無い「何か」「誰か」にどう触れ合うか。そうして面白い出来事でもあれば、様々なメディアに取り上げられるチャンスだ(アクシデントは勘弁して欲しいが)

その意味では、セレッソとサポーターにとっての勝負は、試合前から始まっているのかもしれないな。ちょっと頑張ってみるか。