3/31/2012

2012 J1 第4節 C大阪 1vs2 仙台 失敗から学べ。 #cerezo

得点者

前半34分 ウイルソン(仙台)
後半6分 赤嶺 真吾(仙台)
後半40分 播戸 竜二(C大阪)



今の時点で(ソアレス監督が考えている)ベストメンバーが組めなかったことは、大きな不運だ。ただ、その中にあっても、最後まで勝負を捨てずに戦ってくれたこと、今まで試合に出られなかったプレーヤーが経験をつめたことは、収穫だったと思いたい。



急造ライン。


この試合、キャプテンの藤本を出場停止で欠き、左サイドバックの丸橋も怪我。4バックの左、センターバックを山下、左サイドを本職はボランチの黒木が務めることになった。



未だ負けなし、3連勝中の仙台を相手に、キモだった守備陣から二人の離脱者が出たのは大きな不安要素。藤本が出られないのは川崎戦の後でわかっていたことだったが、丸橋に関しては突然のアクシデントで、チームとしてパッチする期間が無かった。


いつもの仙台戦。


仙台と試合をする時は、決まって悶々とする時間が長い。

仙台の守備はコンパクトで、守備ラインまで組織的にボールを追ってくるので、ボール運びがバタバタしてしまい、生命線の中盤でのパス回しが雑になってしまう。そこからボールを拾われてカウンターがお決まりのパターンだ。


そのプレスをかわして、裏に飛び出すか、密集しているサイドの逆までボールを回せられれば、ガタガタになるのはわかっているのに、それができない。

サイドへの散らしは扇原から酒本、というのがいくつかあったけれど、裏は一度もとれなかった。


整理されていない攻撃陣。


今のスタメンであれば、ケンペスが落として2列目に預けるか、2列目の誰かが裏に出たところに後ろからボールを出す、ということになる。けれど、ケンペスと2列目の距離感、2列目の運動量に問題があって、咬み合わない。


ケンペスはジェシとマッチアップした川崎戦よりも多く空中戦に勝利していた。けれどフォローが遅くて孤立してしまい、起点になれなかった。

播戸や村田、永井を使わず、ケンペスをチョイスしているということは、落としたボールを繋ぐということ。わかっていてできないのが残念だ。少しずつ良くはなってきているけれど、まだ物足りない。


ブランキーニョはフィニッシャーとしての力があるのだから、割りきって前に残ってくれればと思うけれど、まだ下がり目の位置にいる。試合を組み立てる力は清武やキム・ボギョンより無いので、そこでボールに触れてもあまり怖くない。コンディションが不完全だったこともあって、脅威にはなれずじまい。



先制点を奪われ、後手に回ってしまったけれど、前の4人の関係性や役割分担の問題のほうが、守備のそれよりもずっと大きかった。

キム・ボギョンのフリーキックは惜しくも枠外


ソアレス監督の意地。


ソアレス監督は後半頭からその攻撃陣にメスを入れた。ブランキーニョを下げて播戸、前線を1枚増やして4-2-2-2に。

後半開始時

しかし立ち上がりに懸念されていた左サイドを、警戒していたはずの太田に突破され失点、リードを広げられてしまった。完全に崩された、というシーンはこの一度きりだったけれども、時間帯が悪かった。

藤本の穴を埋めた山下、失点シーン以外ではソツのない動き


それでも、ソアレス監督はチームを鼓舞するように攻撃的なカードを切った。サポーターも想像していなかったような攻撃的な布陣。扇原を左サイドにまわし、キム・ボギョンを一列下げる、空いた2列目に柿谷登場。

後半9分

キム・ボギョンは攻撃的な意志を持ったままだったので、攻撃時は4-1-4-1のようなスタイルになることが多くなった。中盤での数的優位と、キム・ボギョン、柿谷のキープ力を生かして巻き返す姿勢を見せる。

ゴールに近づく柿谷、今日は不発も攻撃のポイントに

仙台も2点のリードで安心したのか、プレスする位置を少し下げ始めていた。また、これはそういうスタイルをとっている宿命であるけれど、前線で走り回っていたプレーヤーにも疲労の色が出始めて、パスが繋がらないようになってきた。


決定力不足?


これだけ攻撃に傾倒しても、セレッソのゴールは遠かった。決定機も少なくじれったい。

復調し始めた清武、ゴールが生まれれば

仙台はボランチ2枚とセンターバック2枚の関係性がどんな状態でも変わらず、安定している。そこをベースに試合をしているから、大崩れが少ない。

ただ、セレッソは海外リーグからも注目されているタレントを多く抱えているチームだ。であるならば、もう少しゴールを予感させるプレーが見たかったという不満がある。


「価値のある1点」にするために。


時間も過ぎて後半29分には、スタミナ切れと相手のハードなチャージで疲労困憊の酒本を下げて村田。より攻撃的なシステムに。

後半29分

そうして後半40分に入った右サイドからのクロスに播戸。ようやっと1点を返して意地を見せる。

急いでボールをセンターサークルに


この一点は試合の勝敗には影響しなかったけれど、得失点差を1、プラスに変えている。それに上本が悔やんでいるように、それまで完全に仙台の流れだった試合に一つ、意地を見せることができた。

仙台とは、今年最低でももう一度当たるわけで、その時播戸が出てくれば、当然相手は嫌がるだろう。

それにセレッソは、過去何度も得失点差で悔しい思いをしている。これから先、しっかりと勝ちを積み重ねていけば、このゴールが大事な意味を持ってくるはずだ。この1点があってよかったと喜べるように、これからも攻める姿勢を失わないでほしい。

3/30/2012

出番だぜ、ヤマ。 #cerezo

セレッソ一の好漢です。


移籍の顛末が顛末だけに、北の方から「山下なんか嫌いだ!」って声が聞こえなくもないが、誰がなんと言おうとヤマはいいやつだ。

レヴィー翁は恐妻家、じゃなかった、家族思いだから、なかなか日本に来ないもので、セレッソ自体はいつもスロースタートだった。

けど、ヤマは誰よりも早く南津守で体づくりを始めて、しっかりシーズンに備えていた。札幌ではじめて一年間働いて、それでも十分な戦力になったのは、決して偶然じゃない。



2年前、ヤマが札幌に行くと知った時はセレッソの大事な部分、ハートがどこかに行ってしまうように感じた。そして昨年戻ってくると知った時は、何か体に空いた穴に、温かい気持ちが満ちていくように感じた。ヤマは、それくらいのオトコだ。



ヤマ、力をくれ。仙台を倒すのに、お前の力が必要なんだ。一つガツンと頼む。

3/29/2012

清武と倉田と、セレッソとガンバと、それから、ドイツ。 #cerezo #gamba

ロミオとジュリエット?


とか書くといささかオーバーだけれども、清武と倉田の関係を端的に表す言葉があまりみつからない。無学ですまん。


とにかく二人は仲がいい。

清武は、人見知りのする性格で、それは普通マイナスの要素なんだけれど、彼自身それを自覚しているから、ピッチの上ではうまく折り合いをつけている。どの選手ともリズムをあわせられる上に、自分の色も出せられるというのは、本当に稀有な才能だ。


それでも人付き合いが苦手ってのは苦しいもの。それを支えながら、自分も成長したのが、倉田。


二人はプレー以外でも繋がっているようで、そういう人間が少ない俺にすれば、うらやましい。


桜の至宝、青黒の切り札。


その二人が今季から袂を分かち、ライバルチームのプレーヤーとして戦うことになった。



プロの世界だから、こういうこともある。本人たちに自覚がまだ無い気がするのが、ほほえましいのかどうなのか…。


二人の転機。


そして、清武も倉田も、今、自分の力を試される時間時期を過ごしている。


倉田は、成績不振でチームの監督が解任された激動の中にいる。そうして新しく招聘された松波監督のもとでは、チーム再建の切り札として期待がかかっている。

セホーンガンバ(実質呂比須ガンバか)最後の試合になった磐田戦でも途中出場して1点差に詰め寄るヘディングシュートを決め、気をはいた。

持ち味は中盤のどこにでも顔を出せる運動量と得点感覚だから、ラフィーニャやパウリーニョが作る前線と、遠藤がテリトリにしているボランチとを繋ぐリンクマンとして力を発揮するだろう。次のダービーは簡単には勝てないと覚悟したほうがいい。


そのダービーには、多分、清武はいない。



ドイツブンデスリーガのクラブチーム、ニュルンベルクが1億円の移籍金を支払って清武を獲得するというニュースがドイツで流れたそうだ。恐らく五輪後には、彼は欧州にいるだろう。

現在の清武は、お世辞にも好調とは言えない。らしくないボールロストやミスが目立つし、ブランキーニョらが前に突出するので自身がゴール前に顔を出す機会も減っている。このままではドイツでも苦戦するかも知れない。それでも、そんなことは彼を引き止める理由にはならないだろう。


互いが幸せであるように


そんな二人を見続けた一個人としては、どちらも新天地で活躍してほしいという気持ちしか無い。倉田は「ダービー以外で」という注釈がつくけれども。


短期的に考えれば、敵チームのアタッカーや違うリーグの選手がどうなろうとチームには関係ないかも知れない。

けれど、長期的に見れば、プロサッカー選手を志している多くの若い才能にとって、セレッソが魅力的なクラブだと感じてもらえるきっかけになる。感情論を抜きにしても、彼らの活躍は歓迎されるべきことだ。


倉田のことは、この苦境にあってもチームを支えようと決心したホンモノのガンバサポに任せるとして、俺達は清武との残り少ない時間を、しっかりと過ごしていこう。

ともに、一つでも多く、勝利を喜び合おう。

3/27/2012

杉本健勇 -桜のバンビーナ- #cerezo


杉本健勇が東京ヴェルディにレンタル移籍することになった。

育成型クラブを標榜し、実際下部組織から育ててきた選手、他チームで戦力として成長しきれなかった才能を伸ばしてきたセレッソ。ミスターセレッソ、モリシがピッチを去った後も、香川、乾ら素晴らしいアタッカーを輩出してきた。

しかし一方で、偉大な、日本で唯一、最高のセンターフォワードだった西澤明訓の後継者は未だに現れていない。

杉本健勇はそのセレッソがようやっと見つけた才能。



飛べないバンビーナ

杉本にとって不運だったのは、同年代に清武弘嗣や扇原貴宏、山口螢といった才能豊かな存在が集まりすぎていたこと。

チームメイトとはいえ、代表では同じU-23のライバル。まして、U-23には同一チームからは3人までしか選ばれないという暗黙のルールがある。U-23代表不動のエースと、レギュラー組のダブルボランチが同じチームにいることで、彼は代表からは縁遠い存在になってしまった。


もう一つ、西澤明訓には森島寛晃という、何も言わなくてもお互いが何をするかわかるパートナーがいたが、彼にはそんな相手がいなかった。これだけ同世代に才能があるプレーヤーがいるのに、だ。

二つの不運が、彼の実力を封じ込めていたようにすら感じる。

本当の杉本健勇

現時点での彼の力量は、本来持っているポテンシャルからすれば物足りない。

恵まれた体格と確かな技術がありながら、どこか淡白なところがあって、フォワードとしてのエゴイズムが欠けているように感じている。これは、セレッソの1トップが特殊な役割であることも起因しているけれど、一部は杉本自身の問題。

これが解消されれば、彼はモンスターにもなれる素材だ。



本当に少しの間ではあるけれど、セレッソを離れることで気がつくこと、感じることは多分にあると思う。その刺激が、彼を成長させてくれることを願う。

バンビーナ、頑張っておいで。


3/26/2012

JSPって何なんやろ? #cerezo

昨日はお隣が負けて春のパン祭り状態。まあ、マンUでも2部に落ちたことがあるんだし、何があってもおかしくはないか。

んで、少し某掲示板を見ていたんだけど。

153 U-名無しさん@実況はサッカーch sage 2012/03/10(土) 16:31:26.64 ID:cylwQdYa0
>>68

GK 1 藤ヶ谷陽介 ←JSP
DF 21 加地亮 ←JSP
DF 2 中澤聡太 ←JSP
DF 15 今野泰幸 ←JSP
DF 4 藤春廣輝 ←JSP
MF 17 明神智和 ←JSP
MF 7 遠藤保仁 ←JSP
MF 8 佐々木勇人 ←JSP
MF 10 二川孝広
FW 9 ラフィーニャ ←代理人はロペス義弟
FW 11 パウリーニョ

GK 29 木村敦志
DF 5 丹羽大輝 ←JSP
MF 13 寺田紳一 ←JSP
MF 23 武井択也
MF 25 阿部浩之 ←JSP代表の兄の教え子
FW 20 佐藤晃大 ←JSP
FW 37 イスンヨル
セホーン ←ロペスが連れてきた

こりゃなんじゃと思って見てみた。JSP、「ジャパン・スポーツ・プロモーション」ってのが正式名称で、選手のマネジメントとかしてるのね。

んで、契約選手見て驚いたけど、セレッソでもここ3年移籍で来た選手、移籍した選手は殆ど絡んでるね。

上本、大竹、小松、倉田 、播戸、高橋、横山、柿谷、高橋祐太郎、それから石神か。確か昔はアキの代理人もしてたよね。


選手ってのは個人事業主だから、少しでも待遇がいいところと契約したいというのは当たり前だし、万一戦力外になった時に頼れるあてがないというのは怖い。だから代理人がいるのは別に悪いことではない。

でも移籍金やらでマージンを貰いたいからとやたら移籍をガチャガチャやられると、球団にとっては財政的にキツイだろうし、サポーターとしても寂しいね。
 
世界基準で考えれば当たり前のことでも、日本人のウエットな感情には合わない気がするのは、俺だけ?


セレッソだと今気になるのは清武だね。


4月にニュルンベルクとか、えらく急いでいる気がしたけど、そういうことなんかね。


セレサポは基準がモリシだから、そういうことには敏感なんだよな。村田のようにセレッソを心底愛してくれる存在が、ずっとチームの顔としていてくれるのが理想なんだけど、あくまで理想ということで、夢を持たないでいるよ。

3/25/2012

持ってる人と持ってない人。 #cerezo

昨日の柿谷は、それは素晴らしい活躍で、アレだけ短い時間だったのに、たくさんの見せ場を作ってくれた。

サポーターはこんな日が来ることを待っていたから、喜びようは、他のサポーターからみたら変なテンションだったんじゃないかな。


そういう人の心を引きつける魅力のある人に憧れるよ。自分にはそういうところがまるで無いからね。

人の心を引きつけられる人、最近はよく「もってる人」って言うけど、そういう人の魅力って、努力に加えてそもそも備わっている天分みたいなところもある。だから、頑張れば誰しもが身につけられる、というものではない。

だから幸いにもそんな魅力を持った人は、 その力で、人を導いたり、支えたりしてあげてほしい。


ボギョンも、最近そういうオーラみたいなのが出ていて、頼もしいね。


清武、柿谷、ボギョン。いつまでも見ていたいけど、ホントのところはあとどれくらいなんだろう。


俺はそんな力が微塵もなくてね。そういうことすると、必ずバタバタしてさ、よくないんだ。なのでまあしばらくはそういうことしないようにするよ。

3/24/2012

2012 J1 第3節 川崎 0vs1 C大阪 デザイナーとアーテイスト。 #cerezo

得点者

後半30分 キム・ボギョン(C大阪)


デザイナーとアーティスト。多くの人が同じような立ち位置だと思っているだろうが、実は大きく違う。デザイナーは人の希望を叶えるスペシャリストであり、アーティストは人の希望を超えるスペシャリストなのだ。

今年の川崎は非常によくデザインされたチームだと感じた。高い位置からの守備が効果的で、セレッソは終始押されっぱなしだった。

これは崩すのが容易ではないと感じた、その守備を崩したのは、アーティストのワンプレーだった。



自らペースを崩したセレッソ。

スタメンとベンチ。ナビスコカップ磐田戦メンバーから黒木が抜け、扇原が復帰、山口螢とダブルボランチを組む。古巣との試合に臨む横山はベンチスタート。

試合開始時

試合開始早々のコーナーキック、清武かドンピシャで合わせるも僅かに枠外。その後も攻撃陣がよく働いたが、前半10分頃からにわかに雲行きが怪しくなってきた。

開幕して3試合目、ナビスコカップを含めて4試合が経過したが、3シャドーの連携があまり良くない。

原因が選手間の相性によるものなのか、ブランキーニョのミスマッチによるものなのか、はたまた清武の不調によるものなのかはわからない。しかし、去年なら確実に繋がっていたショートパスが少しずつずれていて、相手の密集を抜けられない状態が続いている。

対する川崎はこの試合まで今季まだ無失点、前線からの守備意識が非常に高い。相手の意識の高いゾーンでミスやズレが起きるので、ありえないボールロストが非常に多かった。

そこからのショートカウンターは非常に危険で、山瀬、小宮山、そして小松らが強烈なアタックをしかけていた。


もし小松が好調だったなら、そしてセレッソ守備陣(茂庭、藤本、山口螢)の連携がとれていなければ、この時間帯で何点か奪われていてもおかしくなかった。


セルジオセレッソの守備。

やり過ごせた理由の一つが、今年のセレッソの守備システムにある。

去年までは両サイドバックが高い位置をとり、アンカー役のボランチも固定できなかったため、カウンターを食らうと茂庭と上本の頑張りに期待するしか無い状態になっていた。

しかし、今年のセレッソはどちらかのサイドバックが上がると、もう一方がバランスをとり、比較的低い位置で留まるようになった。またアンカーとして山口螢が成長、非常に広い範囲をカバーできるようになった(詳しくはこちら)

この試合でも前半の危ない時間帯、山口螢がボールホルダーをディレイさせ、味方が帰陣する時間を作っていた。そのため茂庭、藤本は前を向いて相手の攻撃を防げる、これが大きい。アディショナルタイムでの小松のシュートはキム・ジンヒョンがブロック!


川崎の攻めあぐね。

川崎はこの試合どの選手もよく動き、セレッソのパスをことごとくカットしていた。ビルドアップも的確で、ポゼッションやシュートの数は圧倒していた。前半も後半も、殆どの時間が川崎のものだった。

ただ、守備を崩しきってのシュートは数える程だったように思う。

セレッソの目線から見ると、決定的なパスを出せる中村憲剛の攻撃参加が少なかったのは助かった。またレナトがジュニーニョのように個で何とかするタイプのプレーヤーでないのも。

もう一つ崩されていたら確実に決められていた、というところで淡白なシュートで終わることが多々あった川崎。守備意識と全体のバランスに気をとられるあまり、攻撃での「冒険」が少なくなってしまった、ということはないだろうか?


これは川崎だけに起こっている問題ではない。セレッソも開幕から4試合で4得点と、攻撃陣のタレントを見れば不満の残る結果しか残していない。攻守のバランスをどうとっていくか、「仕掛ける」場面をどう作っていくかはセレッソにも共通した課題だ。


アーティストの閃き。

攻めつづける川崎、綱渡りの守備でゴールを割らせないセレッソ、その流れを変えたのは一人のアーティスト。後半29分柿谷登場。

後半29分 ブランキーニョ→柿谷


その直後のプレーで清武と息のあったパス交換。一気に左サイドを突破すると深い位置から柔らかなクロス、これが逆サイドから突進してきたキム・ボギョンにピタリと合ってゴール!

セレッソも攻撃はセットプレーからの清武、藤本。流れの中でキム・ボギョンの突破、そのこぼれ球をケンペス。この三つくらいしか見るところが無く、この試合に限れば川崎以上に重症だった。その中で柿谷の確かな技術と広い視野、攻撃的な意識は貴重だった。

このキム・ボギョンのゴール以外でも、確実にボールを保持し、最適なプレーを選択し続けた柿谷。このクオリティが維持できるのであれば、3シャドーの一角を脅かす存在になり得るだろう。本当に有難いことだ。


逃げ切りに成功も…。

スコア上は0-1のまま、セレッソが逃げ切りに成功した形になった。ただキム・ボギョンの得点から試合終了までのおよそ20分間には、実にいろいろなことが起きた。


まず清武がガス欠を起こして村田と交代している。

後半40分

清武は五輪代表の合宿での怪我から、ずっと不調が続いている。3シャドーを組むブランキーニョ、キム・ボギョンが前に出ていくタイプで、リンクマンとして黒子に徹していることもあり、この試合でも立ち上がりのヘディング以外はシュートは一度きりだった。

得点のシーンでは柿谷とのパス交換でらしさを見せたが、彼の復調が成されなければ、セレッソはこの試合のような胃の痛くなる試合が続くだろう。


そして後半ロスタイムには守備の要、藤本が2枚目のイエローで退場。

後半45+4分 村田→山下


次節は開幕から連勝を続ける仙台が相手。堅い守備もさることながら、今節では大宮相手に4得点をあげている。トップには高さのある赤嶺がおり、藤本抜きは非常に痛い。


それでも、毎年開幕出遅れるのが慣例化していたセレッソが、3試合を2勝1分、勝ち点7で切り抜けたのは大きい。

試合間隔が短く、非常にタフなスケジュールになっているが、次の仙台戦に勝てば首位も見えてくる。タイトル奪取を至上とし、「追球」を掲げたセレッソにとって、大事な一戦となるだろう。アーティストは、再び試合を決める閃きを見せられるだろうか。


3/23/2012

球春。 #cerezo

まだ寒いけれど、ホーム開幕したら感覚的に春なので許す。



ガオウ丸くんも新ユニ!でもよく見ると微妙に違う。サンユーさん自前で頑張ってるんだろうな。


おなじみM2plant西宮店Sさんです。今年モデルのスーツを撮ろうとしたら少し見きれてしまってすみません。皆さんご存知の通りイケメンさんです。


呉越同舟。試合の間以外はこんな感じでええと思う。


鶴心さんの炙りチャーシュー丼。 ラーメン屋さんの本気チャーシューがうます。


試合の後の祝杯は長居バルを利用。OSAKA酒屋あじひとさんの前菜3種盛りと生ビール。他のセレサポも結構バルを利用していて、いい感じになっていました。こういうお祭りはええね。


こんなハラハラドキドキがこれから毎週続く、それが幸せ。

3/22/2012

卒業ありがとう。


俺は変な奴みたいで、異業種交流会で

「何やってる人なんですか?」

と聞かれて、実際仕事になった案件を具体的に話しても

「つまり何やってる人なんですか?」

と余計に混乱させることがよくある。


これは幼稚園くらいからずっとそう。齢も30を超えてなおそのままなので、もう変わり者でよいとあきらめた。

そんな変わり者の親であるので、娘だって変わり者であろうと腹をくくっていた。なのに、見事にいい子だったのでビックリした。普通なんだからビックリしなくてもいいのにビックリした。ビックリ損だ。


その子も立派になって、今日小学校を卒業した。そうして、中学校は少し離れたところに行く。

それは寂しいよ、すごくね。


それでも、娘が立派になるということだから、応援しようと思う。みんなに言っておけば応援やめたりできなくなるから、あえてここに書こう。


みは、がんばれ。パパ応援してるぞ。


あと、彼氏できたら紹介しろよ。へへへ。

3/20/2012

負けるときもあるさ。 #cerezo

ナビスコカップ、いろんな事情で見れなかった。みんな貧乏が悪いんや!なんてな。

ホントはチョビとだけ見られた。ブランキーニョのゴールのところとかね。後半はホントに見られなかったなぁ。



ただ人づてに聞いた所では、スタメンに入っている選手をかなり引っ張って、運動量が落ちたのが敗因ってことだから、心配はしていない。

だって、それだけ完結に負けた理由が言えるのであれば、そこだけをケアすればいいのだもの。


リーグ戦であれカップ戦であれ、最初からトーナメントというわけでなければ、負けることがある。その中で得られるものもたくさんある。

俺が見た僅かの間では、ブランキーニョとケンペスの役割がダービーの頃より随分整理されているように感じた。ケンペスがタメを作ることで、シャドー、特にブランキーニョの負担が減っていた。


ブランキーニョはゴール前が固まる前にケンペスからフレッシュなボールを受けられるので、ようやくYou Tubeで見せていたような、得点に直結する危険な動きを見せられるようになっていた。


この試合をチームの練磨のために使ったのは、メンバーと起用法を見ればわかる。

スタメンは膝の状態が悪い扇原以外は2日前のダービーと変わらず。普通に勝負に徹するなら、何人かフレッシュな選手を入れていただろう。


試合には負けたけれど、もう一つの目的はある程度果たせた。それは悔しいけれど、次の歓喜のための雌伏とガマンしよう。

3/19/2012

2012 J1 第2節 C大阪 2vs1 G大阪 引き継いだもの、引き継がなかったもの。 #cerezo

得点者

前半19分 ブランキーニョ(C大阪)
前半27分 パウリーニョ(G大阪)
後半45分+4 ケンペス(C大阪)


監督が交代したチームにとって、シーズン序盤の戦いは難しい。セレッソもガンバも長期政権が終わり、新しい監督を迎えたチーム同士。

ガンバ、セホーン監督と呂比須コーチは、チームを一から作り直し、ガンバをリビルドする方法を選んだ。一方でセレッソを率いるセルジオ・ソアレスはレヴィー・クルピから「遺産」を引き継いでいた。その差が出ていたのだろう。

パウリーニョとケンペス、ともにゴールを記録


スタメンとベンチは前節とほとんど変わっていない。攻撃的な杉本を下げてボランチの横山を入れたのは、五輪予選から中二日となった山口螢、扇原へのケアを考えたのだろう。控えセンターバックは山下から金聖基に代わっている。

試合開始時
守備がはまった。

ガンバは連敗中だからか、それとも監督交代の影響からか、前年度からいくらかスケールダウンしたように感じた。昨年はあれほど怖かったラフィーニャがあまり機能していない。そこまでいいボールが入らない。

対するセレッソは守備組織がとてもよく機能していた。山口螢、扇原、藤本、茂庭のボックスがとても堅い。


茂庭のカバーリング能力と藤本の対人守備の強さ、山口螢の守備範囲の広さ、扇原のバランス感覚がよく咬み合っていて、高さでも速さでも殆ど負けることがなかった。

相手の攻撃で唯一怖かったのはパウリーニョの個人技。運動量もスピードもあり、一人で局面を打開できる存在。



ブランキーニョ、ケンペスの生きる道。

そんな中で、セレッソが欲しかった先制点を奪う。ゴールキックから素早くリスタートすると、キム・ジンヒョンの低く速いボールがハーフウェーラインを超えて清武に。それを胸でキム・ボギョンに渡すと、間髪入れずゴール前のギャップで待っていたブランキーニョへ。相手DF藤春をかわして冷静にゴール。セルジオセレッソのファーストゴール。



リスタートを早く、手数をかけずに一気に攻めるというコンセプトは、今週入念に確認していたもののようだ。それが試合で見事にハマった。

鳥栖戦の後の記事でも書いたけれど、ブランキーニョのゴール前での冷静さはいいものだ。これを活かしたいのなら、今よりもっと前で使ってもいい。

そうすることで、ケンペスへの負担も減る。




ケンペスは1トップの前任者、アドリアーノやホドリゴ・ピンパォンのようにスピードや正確なボールタッチがあるわけではない。

しかし、今までのセレッソにはなかった「高さ」という貴重な要素を持っている。この試合でも競り合って五分の勝負ができていた。

ところがそこからが繋がらず、競り勝ってボールを保持するものの相手に包まれてボールロスト、というところを散々見させられた。

なら、二人が近しい位置にいて、お互いを保管し合ったほうがいい。鳥栖の豊田と池田のような関係ができれば頼もしい。


ガンバの打開策。

連敗中、セレッソにも先制点を許したガンバ。効果的な攻めや組織的な守りはまだまだという雰囲気だったが、勘所でプレスをかけてセットプレーを奪うと、パウリーニョのフリーキックで同点に追いつく。

今までは遠藤に任せきりだったセットプレーで、パウリーニョという新しい要素が加わったのはプラスだろう。現時点で流れからの得点が期待薄となれば、なおさらだ。

新しくディフェンスラインに加わった今野もいい意味で狡猾なプレーヤー。中澤も含めた高さとバリエーションの豊富さは、低迷するチームを救う糸口になるかもしれない。


前半はタイスコアで折り返す。


山口螢対明神。

後半もチグハグなプレーが続いた両チーム。その中でもバランサーとして入ったセレッソ山口螢とガンバ明神のプレーは見応えがあるものだった。



山口螢は時折狙われてボールロストすることもあったが、それ以上に相手からボールを奪い、チームの守備が崩れる一歩手前で頑張ってくれた。

ユース時代は攻撃の要だった山口螢、レヴィー・クルピのもとでは守備的なプレーヤーとして練磨されてきた。伸び悩んでいた時期が長かったが、去年の天皇杯からグッと存在感を増した。

2010年に3位と躍進した際もアマラウという素晴らしいアンカーがいたが、彼に負けず劣らず、ディフェンスラインの手前で光るプレーを見せてくれた。アマラウには無かったタテへの意識も強く、扇原との連携も慣れたもの。負傷や疲労だけが怖い。


対するガンバではベテランの明神が孤軍奮闘していた。何度攻撃をカットされただろう、彼がいなかったらもう少しラクな試合ができただろうに。


この二人がチームを引き締めていたおかげで、スコア上は動きがなかったが、見応えのある応酬を見ることができた。


選手交代の明暗。

試合を決めたのはベンチワークだったのではと、今になって思う。

セルジオ・ソアレスは開幕戦でも迷うこと無くブランキーニョを下げるなど、勝負に徹した交代策をとる。この試合でも相手の動きが止まってきたところにスピードがある村田を入れ、チームの柱清武もパンク寸前で柿谷に交代させた。

後半33分

後半37分

五輪疲れ?だった清武

その一方でセホーン監督はトップのイ・スンヨルを下げて倉田、二川を下げて阿部を入れた。中盤での運動量をキープしたかったのかと考えたが、それならば最後のカードに放り込み要員であろう佐藤を入れた意味が鈍ってくる。不明確なカードの切り方だった。

かつてのチームメイトとの競り合い

劇的なラスト。

このままドローかと思われた後半ロスタイム、ケンペスが見事なヘディングシュートで勝負を決めてくれた。

ケンペスのヘッドに至るまでの流れを巻き戻してみると、ボールを奪ったのは村田で、繋いだのは柿谷、キム・ボギョンがためて、酒本が冷静にクロスを上げる時間と空間を作っていた。セルジオ・ソアレス監督とすればしてやったりの決勝点だったろう。


内容は褒められたものではなかったが、リーグ戦では9年ぶりとなるダービーでの勝利を、いい起爆剤にしてほしいと願う。練習から意識していた流れからの得点というのも自信になるはずだ。