7/09/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第18節 C大阪 2vs1 柏 #cerezo #photo #diary


とうとう、セレッソが一位になるたびにびりついてきた「暫定」という文字が消えた。東京戦の観戦記を書く前に消えた(おい)ああ、全ての試合に勝てば俺達は優勝するんだ、そういう位置にいるんだ。嬉しいのもあるけれど、居心地が悪いって気分もある、慣れないな。

このままずっと好調ってわけにはいかないだろう、不調になって、苦しい時もあるはずだ。ただ、贅沢を言わせてもらえれば、34節全てが終わった時、この場所に座らせてもらいたいな……。

スターティングラインナップ


GK、キム・ジンヒョン。DF、右から松田陸、マテイ・ヨニッチ、山下達也、丸橋祐介。MF、ソウザと山口蛍、二列目右には水沼宏太、左に柿谷曜一朗、トップ下に山村。FW、ワントップに杉本健勇。

リザーブ、丹野研太、田中裕介、関口訓充、木本恭生、福満隆貴、秋山大地、澤上竜二。FC東京戦と全く同じメンバーでスタートした。

がっぷり四つに組み合った前半


セレッソは4-2-3-1ながら守備時は4-4-2のブロックを作るし、攻撃時もトップの杉本、山村が同じ高さに揃う時が多い。柏もシステムは4-4-2で、クリスティアーノが杉本のようにあちこちに動き回る。同じシステム、似通った攻撃スタイルのチーム同士ということで、アウェイで行われた柏戦のように個々がガチガチに組み合う激しい試合になった。


セレッソも柏も、仮にボールをロストしても目の前にマッチアップする選手がいることが多く、大きく崩されることも大きく崩れることもない。個々の力量もそれほど差がないし、組織もしっかりしている。だから、どこかでミスが生まれるか、スーパーなプレーが生まれない限りスコアは動かない、そういう空気感だった。

柏の核が輝く


柏の攻守の核はこの日も順調。ともに素晴らしい出来で、ファインセーブを見せるGK中村航輔と、神出鬼没のFWクリスティアーノには手を焼いた。加えてチーム全体がハイプレスを仕掛けるので、セレッソはパス精度が落ちて前線まで運べず「息ができない」


セレッソの出来不出来はボランチを見ればわかる。ソウザや山口がうまく前を向ける状況、敵陣深くに切り込める状況であれば、攻撃の厚みが増え、サイドの選手も上がりやすい。だが昨日の試合のように二人がハイプレスで自陣に押し込まれ、自由を失うと前線が孤立してよくない。


杉本が下がり、山村が上がる。トップの選手が入れ替わることでフリーになる動きでもパスコースが生まれなかった。残されていた攻撃のスペシャルプレーは柿谷の鋭い裏抜けしかなかったが、それもたった一度、左サイドから抜け出すのに成功して深い位置からクロス、逆サイドから走り込んだ杉本が枠外にヘディングを外したそれけで、柏の守備陣が脅威に感じるほどのインパクトを与えられなかった。


スーパープレーを食らい、失点


このままがっぷり四つで後半に行くかと思われた前半40分、セレッソの左サイドまで下りてきていたクリスティアーノがボールを持ち、そこからセレッソの右サイドを突破したもう一枚のFW武富孝介に60メートルくらいのアーリークロスが入った。武富がジャストのタイミングでダイビングボレーを決めて柏がまず先手を取った。


クリスティアーノのマーカーは水沼だったけれど、ドリブルでタテに突破されるの危惧してサイドを埋めて距離も詰めなかった。これを「クリスティアーノをフリーにした」と断じる人がいるが、それはあまりに厳しい。とにかく柏の攻撃がスーパーだった。前半は0-1で終了。


後半、ユン監督の交代策が活きる


レヴィー・クルピなら後半頭から二枚替えをしていたろうが、ユン・ジョンファン監督は後半15分まで戦況をうかがう。そうして、このままでは打開できないと判断したようだった。交代したのは柿谷、松田、代わって右サイドバックに田中、トップに澤上が入り、杉本は柿谷のいた左サイドで、やや高い位置に入った。


その直後のコーナーキック、ファーサイドで混戦になったところを杉本が気合で押し込み同点になる。柏はセットプレーの際、マンマークではなくゾーンを採用していたから、交代策が効いたというロジックな説明はできない。けれど、ユン監督が交代カードを切った直後に同点になったという事実はセレッソにとって大きな意味があったし、柏にしてもハイプレスで相手を封殺、先制点を奪って優位のままアウェーゲームを押し切る、という青写真が崩れてしまったので精神的なダメージは相当だったと思う。


バタバタした流れがまだおさまっていない後半25分には、ソウザの逆転ゴールが決まる。セレッソも柏も、タテにもヨコにも小さなブロックを作るので、サイドのマークを捨てることがあるのだけど、水沼がその空間をうまく使ってフリーになり、ここしかないという位置にクロスを入れた。FC東京戦に続くクロスでのアシストだ。

冷や汗モノの逃げ切り


リードした時点で残り時間は20分、前線には体をはってボールを追える澤上がいて、山村もピッチ上にいた。山村をセンターバックに入れた5-4-1のシステムに切り替えるにはうってつけの状態だった。


5-4-1は相手の攻撃を跳ね返すのに長けている反面、前線が一枚しかいないのでフリーになった相手の最終列からのボールは正確になる。それをひとつひとつキッチリ跳ね返すのはなかなかに骨が折れる。クリスティアーノは底なしのスタミナでガンガンと切り込んできたし、柏が後半35分を過ぎた段階からカードを切り始め、攻撃的な選手を惜しみなく使ってきたので、そのキツさはかなりのものだった。

勝利し、雄叫びをあげる水沼

それでも、ジンヒョンを中心に守りきったセレッソが2-1で中盤の天王山をしのぎ、鹿島が引き分けたためJ1リーグ戦首位に躍り出た。

最初に書いたけれど、この時点で首位に立っても、そのまま優勝できるってわけではない。セレッソを研究してくるチームもあるだろうし、やりづらくなる可能性はかなり高い。居心地の悪い日々は続く。


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