4/23/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第8節 甲府 1vs1 C大阪 #cerezo #photo #diary


さすがに週末の甲府駅は混んでいる。俺は早々に駅弁とヤケ酒を買い込んで、静岡行きの電車が来るのを待っている。

はあ…。危ないと感じたシーンはただ一度だけだったし、逆にゴールを予感させるシーンはたくさんあったし…。けれど、結果は引き分け。ダービーに続いて消化不良のゲームを観ることになった。

4/17/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第7節 C大阪 2vs2 G大阪 #cerezo #photo #diary


逃したものの大きさがどれほどだったか、柿谷曜一朗のこの表情が全てを物語っている。

もし、昨日の試合に勝てていれば、2ゴールをあげた杉本健勇は本当のエースストライカーとしてこれ以上無い進歩をしただろう。それに、鈍化しているガンバの勢いをますます鈍らせることができた。セレッソは、鹿島戦で得た自信を確信に変えることができた。

それだけに、ロスタイムの失点は許容できるものではなかった。どんなに不格好でも守りきる意地がほしかった。

4/09/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第6節 鹿島 0vs1 C大阪 #cerezo #photo #diary


夜行バスで東京に、さらにそこから高速バスで鹿島に。ご存知の通りカシマサッカースタジアムはどの方面からでもアクセスが悪い。おまけに神様が霧吹きを持ってイタズラをしたような霧雨が、ずっとスタジアムを濡らしていた。体やカメラにまとわりついて、カメラを持っている人間にとっては非常にタフなコンディションになった。


それでも、観やすい専用スタジアムで、今年最高のゲームが観られたんだから笑顔笑顔だ。東京駅に着いたら駅弁とハイボールでも買い込むか。

4/02/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第5節 C大阪 2vs0 横浜FM #cerezo #photo #diary


試合後の会見で、ユン・ジョンファン監督は「やりたいことが全てできた」と語っていた。攻撃にワクワク感が求めないとか、そういうのも含めて全て「やりたいこと」なんだと思う。手堅く、地道に、コツコツと勝ち点を積み重ねていく。そま堅実性こそがユン・ジョンファン監督の目指すサッカーなんだろう。

スターティングラインナップ


清武弘嗣が全治二週間のケガで離脱、代わりにキーパーのキム・ジンヒョンが戻ってきてくれた。

GKキム・ジンヒョン。DF右から松田陸、ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介。MF右から関口訓充、ソウザ、山口蛍、柿谷曜一朗。FW山村和也と杉本健勇、

リザーブは丹野研太、茂庭照幸、藤本康太、田中裕介、丸岡満、清原翔平、リカルド・サントス。


「穴熊」


将棋の指し手に穴熊、というものがある。香車を一つ上にあげ、そこに玉を入れ、金、銀、桂馬で囲った守備戦術であり、非常に手堅いと言われている。

レヴィ・クルピの戦いが大駒を大胆に使う攻撃に魅力を持つとするなら、ユン・ジョンファンの戦いは相手のいかなる攻めに関しても4-4-2でゴールを固める、穴熊のような守備に魅力がある。


攻撃では4-4-1-1的なポジショニングだが、守備では常に4-4-2。杉本、山村がセンターライン付近で確実に相手の一歩目をブレさせ、後ろの4-4がしっかりと相手を封殺する。キム・ジンヒョンという「玉」に辿り着くまでに相手はかなりの労力を払うことになり、結果、去年までよりもはるかに危なっかしいシーンが減るようになった。昨日だって、齋藤に突破されたのはバテが出始める後半の、しかも一度きりだ。後は松田がうまく封じてくれた。

この守備は他のチームのそれと比べて若干コンパクトで、一度組んでしまえばそう動かない。相手がスプリントしてきた時の対応であるとか、最終ラインが雑にボール回しをしていて奪えそうな時であるとか、イレギュラー以外は自分のゾーンをキッチリ守って動かない。何度も書いている通り、スプリント回数はやたらと多いのに、走行距離が伸びないのはこうした理由によるものだ。


ただ、攻撃に関してはこの堅実さが裏目に出てしまい「ワクワクしない」という印象を持ってしまう。(ユン・ジョンファン監督が鳥栖時代重用していた)豊田陽平のような、高さ強さがある前線がいてこそ機能するやり方。守備のスペシャリストである山村が代役として充てられているが、ボールキープできてもフィニッシュまではやり切ることができない。前半流し込むだけというシュートをミスしてしまったけど、本職ではないということを差っ引く必要がある。

守備に関しては盤石でありながら、その裏返しとして攻撃に不満が残るのは、実際の穴熊と同じだ。

J1で勝てた、という自信


このやり方は選手としてもブラストレーションが溜まるものだ(と勝手に解釈している)長い間相手にボールを渡し、一撃を与えるまではずっとガマン。相手の出方に合わせて右に左にちょこまかと動き続けなければいけない(一人でもサボれば、そこから守備が瓦解する。恐らくユン・ジョンファンはそれを許さないだろう)そういう試合を「やってみたい!」と喜ぶような人間はそういない。


しかし、このやり方でルヴァンカップ横浜FM戦、リーグ鳥栖戦に勝つことができた。去年までJ2でボコボコと失点していたチームが、J1のチーム相手に守り通すことができている。結果という最も大事な要素によって、セレッソというチームは一枚岩になれているのだ。

U-23で戦ってきた若手たちが引き出したゴール


守備が第一、攻撃はその後というサッカーでは流れの中からゴールを奪う機会が減る。その点はユン・ジョンファン監督も織り込み済みのようで、セットプレーにはこだわりを見せている。浦和戦(ヨニッチ)、札幌戦(ヨニッチ)、ルヴァンカップ横浜FM戦(木本、リカルド・サントス)、鳥栖戦(山村)と、ここまでのゴール全てがセットプレー、もしくはその後のプレーで生まれている。


この試合も後半の14分にセットプレーを得て、丸橋が蹴ったボールがファーに流れ、最後は空いたファーに一人戻っていた木本がポレーで堅実に流し込んだ。

木本はこういう「大事な時においしいところを持っていく」嗅覚が鋭い。去年柿谷が負傷したアウェイ長崎戦でも、ロスタイムに永井龍(当時は長崎のエースストライカーだった)に追いつかれた直後のプレーでゴール前にまで走り込み、再びリードを奪う値千金のゴールを決めている。みんなが必死になっている時でも冷静に、マイペースに判断ができる選手のようで、昨日の試合でも「背の高い選手がたくさんいるから、自分はあまりマークがつかないだろう」と踏んでいたらしい。

「堅実さ」にマッチした木本恭生


木本は去年U-23ではボランチとして起用され続けてきた選手だ。だから、攻撃の組み立てに関しては本職のセンターバックよりワンランク上のプレーができる。その上、フィジカルに関してもそこそこあるので、この試合ではヨニッチと組んで最終ラインとしての務めをキッチリとこなしていた。


横浜FMの攻撃は伊藤翔の高さを生かした競り合いと、左サイド(セレッソの右サイド)に入った齋藤学の地上戦が核になる。その伊藤との競り合いでもキチンと最低限の仕事ができていた。最初はヨニッチとの競り合いをしていた伊藤が、分が悪いと見ると木本の位置にズレたのだけど、ヨニッチのカバーを受けながらも終始相手を封じ込め、ついぞゴールを奪わせなかった。しかも、決勝点を決めるおまけ付き。

去年のU-23に関しては「何がしたいのか、どう育てたいのか」微妙だった。けれど、昨日の試合の木本と、後述する丸岡のプレーを見て、ようやっと実戦に出続けていた意義のようなものを受け取れた感じがする。恐らく、しばらくは重用されるだろうから、この間にチャンスをつかんでほしい。

やっと狼になれた丸岡充


木本のゴールでリードを奪うと、後半半ばからはシステムを5-4-1のような形にシフトさせた。山村が最終ラインの真ん中に入りスイーパーになると、中盤には丸岡、山口、ソウザの3ボランチ気味に並ぶ。前線には杉本と柿谷が入ってカウンターという、見た目にも意図がハッキリとわかる陣形。


これで奮起したのが柿谷と丸岡だった。

柿谷は4-4-2の時は、プロレタリアのように勤勉に左サイドをアップダウンし、丹念にボールを運んでいた。リードしてからのシステムではやっとフィニッシャーとしての役割を担えることになり、本来のらしさというものを発揮することができた。


丸岡に関しては、たったワンプレーで、それまでの「借りてきた猫」といった雰囲気を拭い去った。以降の働きは、これまでの丸岡とは全く違っていた。


後半30分、丸岡は相手の緩慢なプレーを見逃さず、全力で応援右サイドを突破する。相手がたまらず後ろから倒してペナルティーキックを獲得。すぐさま「俺が蹴る」とボールを抱え込んだ柿谷が、冷静に、実に慎重にゴールを決めてくれた。


それから後の丸岡の動きは、カメラを持ってジッと待っていた俺にとって、撮っていて感動と興奮を覚えるほどに強烈なものだった。交代して入った選手は今いる選手の倍は走れと言われるけれど、丸岡はそういうプレーがキッチリとできていた。やっと、戦力になれたなという印象。

丸岡が獲得し、柿谷が決めたPKで試合の流れはほぼ決した。アディショナルタイムの4分間も危なげなくフィニッシュ。

芝かぶりシートの子供にサインする


鹿島戦に向けて


清武の離脱は痛いが、チームとしての雰囲気はほぼベストな状態でアウェイ鹿島に向かうことになった。この鹿島戦とホームでのダービーが序盤の山場になるだろう。ユン・ジョンファン監督のサッカーは、鳥栖時代も含めて長く知られたものだから、勝つにしても楽には終わらないだろう。胃のキリキリと痛むようなロースコアの接戦こそが今年のセレッソの勝ちパターン。胃薬片手に追いかけるつもりだ。