11/30/2014

2014 J1 第33節 C大阪 1vs4 鹿島 枯れても、まだ咲けるはずだ。 #cerezo #photo #diary

得点者

前半33分 カイオ(鹿島)
後半14分 赤崎 秀平(鹿島)
後半22分 赤崎 秀平(鹿島)
後半24分 永井 龍(C大阪)
後半35分 柴崎 岳(鹿島)

試合のことは…そうだな、完全な力負けだった。いい選手がいなかったのか、いい監督もいなかったのか、あまりいい組織ではなくて、いいチームでもなかった。つまり、最近のセレッソから何ら改善はされていなかった。短期間で劇的に変わるものではないから期待はしていなかったけれど。


いい選手ばかりでも監督がよくなければダメだし、逆でもいけない。そのどちらもが揃っているのが鹿島で、ガンバで、浦和であって、セレッソはその真逆を行ってしまったんだろうな。


「レヴィー・クルピ達をカットすることでディエゴ・フォルランを呼ぶことができた。」

今年の初め、上機嫌で岡野雅夫社長が語っていた。彼はチームを4位に押し上げた名伯楽と、チームでは数少ないゲームメーカーだったファビオ・シンプリシオ、まとめ役の一人だった茂庭照幸を放出した。チームの頭脳と魂を売り払って、高い服だけを買って、身なりがよくなったと喜んでいたんだ。


結果、チームはいびつになった。若手ばかりが揃ってまとめ役がいない。キャプテンの山口蛍は代表で抜け、ケガで抜け、チームを牽引するどころではなかった。エースの柿谷曜一朗はボールの供給源を奪われ、代わりにテレビスターのような役どころを任されて、試合に集中できる環境になかった。頼みのディエゴ・フォルランも意思疎通に苦しみ、チームにフィットしなかった。


セレッソは有望な若手が多い、才能ある選手が巣立っていった、だから育成型クラブの成功例だともてはやされたけれど、内実は違っていた。高額年俸のベテランや外国人選手(と言ってもフォルランの何分の一ほどのサラリーだったはず)はチームにいられない、若手にたより、時折育つ有望な選手を海外に売ることで食いつなぐのが精一杯の小クラブだったんだ。

それが、親会社のひとつ、ヤンマーの海外戦略に乗せられて露出ばかりが増え、チームがチームの体をなさないほど規律が無くなっていた。練習後に冷えた体でファンサービスをする選手たちを守る者が誰もいなかった。


これだけひどい状況下で、よくここまで延命できた。セレッソにはまだ才能が残されているんだという証拠とするには、あまりに皮肉なものだけれど。


過去2回の降格もそうだったけれど、今回の降格も試合の中で解決できる「戦術的な問題」ではなく、その前段階、チーム編成だとか、監督選びだとか、練習環境だとか、試合に臨む前の「戦略的失敗」の側面が大きい。

2001年の降格は代表クラスのセンターフォワード、西澤明訓の穴。2006年の降格は2005年躍進の立役者ファビーニョの穴を小さく見積もったクラブのミスから始まった。その教訓が活かされず、立て直すこともできないまま、今日の日を迎えてしまったのはクラブとしての失敗だ。

キチンとしたビジョンを持って、実のある監督を選ぶ。チームをまとめるベテラン、キーマンのレベルを落とさない。それだけでチームはチームとしての体をなす。それをしっかりと続けていくんだけなのにな。


今回の降格でも、以前と同じように選手の流出があるだろう。余程のことがなければ(クラブが出費を惜しまず、山口蛍や山下が呼びかけるでもしない限り)何人かの大切な人材がチームを離れるはずだ。選手にも生活があり、よりよい選手になりたいという欲がある、仕方のない事だ。僅かの出費を惜しんだ挙句なのだから、恨むならクラブのはずだけれど、それをしても選手は帰ってこない。なら、その力はチームの応援に振り分けよう。

来期はかなり底の位置からチームを作っていくことになる。厳しいけれど、その中に光が見えることだってある。香川真司は監督のクビが飛ぶ大チョンボをするボランチだった、山口蛍は簡単に振り切られる右サイドバックだった、乾貴士は好不調にムラッ気があり、柿谷曜一朗は素行が悪かった。みんな、J2の舞台で力をつけ、日本を代表するプレーヤーになった。その素地、ハナサカクラブのような根幹はまだ生きている。なら生き返る萌芽はそこかしこにある。

根が生きていればまた花が咲く。何度散ってもまた力を蓄え、育つ。それを来期の楽しみにしよう。




今日はみんなお疲れ様。今シーズンの残り1試合、そして来シーズンの戦いのために、今はただ休もう。おやすみ。

2 件のコメント :

  1. ありがとうございます。
    あなたのコメントで心の整理がつきます。p(^-^)q

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  2. 納得できるまとめをありがとうございます。
    セレッソ再生を牽引するリーダーは誰なんでしょうね。
    根が断ち切られていないことを祈るばかりです。

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