サッカー観戦ができない日々
サッカー抜きの日々がこれほど味気のないものだったとはわからなかった。試合の写真を早く現像したいという一心で長居に部屋を借り、トップやレディース、ガールズの試合を追いかけ続けていた。その時間がそっくりそのまま空白になった。
この空白の中に「サッカーが観たい」「サッカーが撮りたい」という気持ちが詰まってしまい、ただただ苦しかった。
他クラブでは、すでに年間パスポートの払い戻しを始めているところも多い。それは「今年は今までのような試合観戦はできないだろう」というクラブの意思表示でもある。
ジリ貧のクラブが多くある中で、年パス払い戻しは苦渋の決断だったろう。それでもサポーターに誠意を見せようとする姿勢には首を垂れるしかない。異常事態の中でも最善を尽くそうという姿勢は否定されるべきではない。
COVID-19(コロナウイルス)と共生する社会
さて、Twitterを見ていると「早く元通りになってほしい」という声をよく聞く。けれど、多分だけれども、そんな日はやってこない。COVID-19と共生していく世界ができるまでは、ずっとこのまま息苦しい日々が続くだろう。
もし「元通りの世界」に戻ることができるならば、三つの要素が不可欠だ。一つに「ワクチン」二つに「集団免疫」三つ目は「差別意識の変化」だ。
ワクチンはみんなが分かっているとして割愛する。集団免疫の話から始めよう。平たく言えば「一度COVID-19に感染し、抗体を得た人たちが増える」ということだ。コロナウイルスはK型、S型、G型と三つの型があり、K型の免疫を持っていると最も強烈なG型に罹患しにくいとか、そんなことが言われている(まだ裏付けができていないので推測でしかない)
その仮説を読んでみたけれど、日本人は中国からの観光客からK型のウイルスを得てしまい、知らず知らずのうちに免疫を獲得してしまったらしい。安倍総理がギリギリまでインバウンド(海外からの観光客に対するアピール)を期待していた愚策がいい方に転がった。
すでK型の免疫ができていた日本人は、凶悪なG型ウイルスに罹患しても重症化したり死亡して利する率が低かったのだ。
後は「差別意識の変化」だ。地方ではコロナウイルスに罹患した人間の住所や家族構成、どこに立ち寄ったかまでハッキリとバレてしまい、罹患者の家族はよその土地に移るしかないそうだ。
今はまだワクチンもなく、集団免疫などという言葉も浸透していない状態ではあるけれど、それにしたってひどい。「村八分」は令和の世でも健在のようだ。
ワクチンができて、誰しもが「サーセン、コロナにかかったんで休みます」「仕方ねえな、大事にしろよ」と言える空気感があれば、日本の現状をより細かく理解できるのだけれどね。
これからのサポートを考えよう
さあ本題に戻ろう、応援の件だ。
最初の数試合は無観客だとして、その後も何かしらの入場制限はかかるだろう。普段通りの応援ができない中でスタジアムに来られたサポーターは、どうか真摯でいてほしい。
きっちりとマスクをつけ、クラブの意向に反せず、許されている応援方法の中で最善のサポートをしてほしい。そして、サポーターから一人も陽性患者を作らないよう尽力してほしい。
そうすれば、サポーターの立ち居振る舞いは他のプロスポーツに影響を与える。「Jリーグのようにしていれば大丈夫なんだ」という規範にもなる。
日本のプロスポーツを、俺たちJリーグから変えてやろう。そうしてスポーツ観戦が当たり前の世の中を作ろう。それこそがJリーグにとっての、応援しているサポーターにとっての、本当の本当の勝利になるのだから。