9/14/2014

2014 J1 第23節 C大阪 2vs0 柏 俺達が観たかったもの。 #cerezo #photo #diary

2014年9月13日(土) 19:04キックオフ[ 観客 22,941人 ]

前半44分 杉本 健勇(C大阪)
後半18分 永井 龍(C大阪)


俺達が本当に観たかったものは、スター選手のプレーだけじゃない。みんなで戦って、みんなで勝利を勝ち取って、みんなで喜びを分かちあう、そんな、至極当たり前の至福が、何よりも大切なんだ。岡野さん、ちゃんとこの試合を観てくれていただろうか。


スターターは2日前の天皇杯磐田戦とほぼ同じ。トップは杉本健勇と永井龍、中盤は2列目に楠神順平と南野拓実、ボランチはキム・ソンジュンと扇原貴宏、守備ラインは右から酒本憲幸、山下達也、ケガ明けの染谷悠太、丸橋祐介、キーパーはキム・ジンヒョン。ベンチに小谷祐喜が入り、吉野峻光はベンチからも外れた。カカウも股関節痛のために離脱、ディエゴ・フォルランは大熊裕司監督になってから2試合ベンチスタート。


試合は、スタッツを見ると互角という感じだけれども、内実セレッソの「らしさ」が全面に出て、柏のよさを消していた。特に守備がよく、柏のミスにも助けられ、クリーンシートを達成できた。一週間前まで川崎に面白いように失点をしていた、同じチームがだ。



守備がいい理由は、ディフェンスラインが強固になったということももちろん、前線の永井、杉本の献身的なチェイシングによるところも大きい。


これは推量になるけれど、前監督、マルコ・ペッツァイオリが目指していたのはこんなサッカーだったのではないだろうか。相手がボールをホールドするのにもたついていると見ると連動してプレスをかけ、相手に自由にやらせない。ボールの出どころがプレッシングを受けているので相手フォワードまでまともなボールは来ない。ボールはまるでセレッソの4-4-2のブロックに追いやられるようにサイドにサイドに流れていき、途中でやすやすと奪えるようになる。


口で言うのは簡単だけれど、これは本当にキツいサッカーで、90分間全てこのスピードというのは無理がある。どこで仕掛けるか、どこは引くのか、というセンス、判断力も要求される。心身のスタミナを出し尽くさないとできない芸当だ。今年の夏はそれで自滅した。

ところが、今のセレッソは切り替えがよくできている。天皇杯ではミスも目立ったが、今日はその数は少なくなり、致命的なものは無かった。大熊監督はシンプルに指示を伝えているようで、勘所を理解した選手達は迷いなくボールを追うか、引いて立て直すのかを判断していた。結果として4-4-2のラインはコンパクトにまとまり、相手に対して有利な状態を長く続けられた。


正直、二日前の天皇杯で走り回った選手達が、今日の試合でもかなり走り回れたのは嬉しい驚きだった。それにJ1のチーム相手でも通用したことも自信になった。


懸念していた得点力もかなり改善されている。サイドバックも絡めた幅のある攻撃、2列目が中に絞って突破を図る攻撃、それらも使い分けができていて、一つの攻撃パターンが通用しなくなると、もう手持ちの札が無くなるなどということも無くなった。また、相手ゴールキーパーの菅野孝憲は上背がないのを判断力とスピードでカバーするタイプだと分かって、サイドからのボール、高さのある攻めを増やしていた。杉本の先制ゴールもサイドの酒本からのドンピシャクロスを合わせたもの。この間までくすぶっていた二人が結果を出してくれた。



後半の永井のゴールは、ここまでひたすら相手ボールホルダーに食いついてきた献身性に対する正当な対価だ。シュート自体はディフレクションしてコースが変わった幸運なものではあるけれど、その幸運を手繰り寄せたのは彼の積極性、貪欲さがあったればだ。


さらに好都合は続く、柏は失点を跳ね返そうと躍起になり、後半23分までに交代カードを使いきってしまった。セレッソはその様子を見ながら相手が打開していこうとしているポイントをせき止めればよかった。実際はスターター11人の状態がかなりよかったのでパッチする必要はなく、少なくとも二枚のカードを時間稼ぎに使えたのだけれど。


後半37分

後半40分

後半45分

そうして、交代で入った秋山大地の激しく大胆なプレーが柏の息の根を止めてくれた。山口蛍、長谷川アーリアジャスールを欠く中で、彼のブレイクはかなりいい材料になる。扇原が累積警告とも聞くが、山口蛍が間に合ってくれれば、ダービーでもボランチで苦戦ということは無いだろう。フォルランが前線でのハードワークに10分でも参加してくれれば、とっておきのジョーカーになるところだったが、そこまで求めるのは酷な話だろうか。


さて、もう書くことが無くなってしまったな。今のセレッソは、以前のセレッソが当たり前としていた、全員が労を惜しまず走るサッカー、当たりも激しくアグレッシブなサッカーを取り戻していただけで、特別な戦術もシステムも使ってはいないのだから。愚直に、思い切ってトライし続けた結果が3ヶ月と10日ぶりの勝利を引き寄せた。結果が出たのなら、後はこれを続けていくのみ。


9/11/2014

第94回 天皇杯 4回戦 C大阪 2vs0 磐田 懐かしい。 #cerezo #photo #diary

2014年9月10日(水) 19:00キックオフ[ 観客 4,213人 ]

得点者

前半30分 南野 拓実(C大阪)
後半19分 永井 龍(C大阪)


永井龍と杉本健勇が前線で走り回る、楠神順平が自由闊達にドリブルを仕掛ける、南野拓実がグイグイとスピードで相手を切り裂く。そうそう、こういうサッカーをずっと観たかったんだ、「観客を魅了する」というのはこういうサッカーだ。以前は毎節ごとに観られていたのに、随分回り道したな。


少し時間がなくて細かいことは書けないけれど、総論だけでも。

システム自体はペッツァイオリ前監督の終わりの時期と同じ4-4-2、けれど、戦い方、攻め方に違いがあった。


ペッツァイオリ時代は中盤の4のラインがそのまま前に持ち上がることが多かった、サイドの選手はサイドで、中央の選手は中央で。なので、トップと中盤の距離が開き気味になることが多かったし、サイドバックが上がるスペースには中盤の両サイドがいることが殆どで、その攻撃性が活かされることが少なかった。


その一番の被害者は酒本憲幸だろうか(それは、走れない、守備ができないという欠点を克服できなかった酒本自身の問題ではあるけれど)、以前「トップ下がいないので前線との距離が遠い」と漏らしていた選手がいたが、サイド偏重、カットイン、ポジションチェンジの少ない攻めがこの言葉を引き出したのだろう。

大熊裕司新監督の場合は、まず両サイドの選手が中に絞ってきて、ボランチとトップの間に入り込んでくる。サイドバックが空いたスペースに進出、後ろも上がってコンパクトになり、分厚く幾重にも攻め立てる態勢が出来上がる。


このシステムでは二列目の二枚が奏でるハーモニーが攻撃の軸になる。実際、新体制の初ゴールは楠神が左サイドからカットインして運んだボールを、反対サイドから入ってきた南野が決めてくれたもの。この「チームコンセプト通りの成功体験」が、チームに勇気を与えてくれたように映る。


もちろん、このシステム(以前のセレッソに近い戦い方)は前述のような長所だけが映えるシステムではない、代償として守備にとても負担がかかる。例えばボランチの位置で不用意にボールロストすると酷いカウンターを食らい、センターバックはとんでもない距離を後退しなくてはいけなくなる。

セレッソにとっては悪いことに、磐田は前三枚の個の力で突破するカウンターだけを狙っていて、扇原貴宏とキム・ソンジュンのダブルボランチの不具合から足元をすくわれそうになるシーンが最低でも二度あった。逆の出目、スコアになる危険性もわずかながらあったということ。


それでも山下達也、小谷祐喜の両センターバックは失敗を恐れず、攻撃陣が上がるとしっかり距離を保ってラインを上げ、セカンドボール奪取に成功していた。背走を重ねて押し込まれ、十重二十重とシュートを食らうというような「受け身の守備」は殆どなかった。小谷などは攻撃に参加するため二列目を追い越すことさえあった。

そう、どの選手もアグレッシブで出足もよく、磐田にわずかな考える暇すら与えていなかった。攻守の素早い切り替え、強く激しいプレー、ランコ・ポポヴィッチもマルコ・ペッツァイオリも目指して叶わなかったサッカーがそこにあった。


後半、より流れが良くなったのは、キム・ソンジュンに代わって入った秋山大地の活躍が大きい。


彼は体こそ小さいが、体躯の違うプレーヤーにでも果敢に食らいついていき、攻撃の芽を摘み取ってくれる。多少荒削りではあるけれど、秋山が前で攻撃の選択肢を削り、後ろが先回りしてボールを奪うスタイルで磐田の出鼻をくじいた。


永井の貴重な追加点は、それまで攻撃ではスペースに走りこみ、または相手を背負ってボールを保持し、守備ではファーストディフェンダーとしてボールチェイスに奔走したことへのご褒美だろう。あれだけ動いていれば相手も捕まえづらかったはずだ。杉本にも同じようなチャンスはあったけれど、あれが決まっていたら満点の試合だった。

途中交代の吉野峻光、平野甲斐もまずまずの出来で、セレッソは新体制をいい形で始めることができた。


よく走り、よく挑戦するサッカー。それを就任わずか二日目で体現できたのは、セレッソが育成型クラブであり、この日出場した14人の選手の内、セレッソでプロキャリアをスタートさせた選手が11人という状態だったからなんだろう。育成を一時凍結させ、育成での戦い方、哲学をトップに移したことはあまり褒められたことではない。けれど、まずもっての目標である一部残留にとっては都合がいい。できれば早くに残留を決めて、あるべき姿に帰りたいところだ。

そのためには週二試合目となる土曜の柏戦でも今のスタイルを貫き、より精度を上げ、結果を残さないといけない。ボランチが今日のような出来では困るし、攻撃の精度も練磨できる余地がある。この試合で見せてくれた真摯さが継続できれば、早い内に都合がつく課題だと信じてはいるけれど。

まあとりあえず、次の試合の笛が鳴るまでは、今日の余韻に浸りたい。多分、あらかたのサポーターが同じ気持でいるだろう。ああ、早く長居に行きたい。

9/09/2014

ペッツァイオリすまない。宮本さん大熊さん、頼みます。 #cerezo #photo #diary

マルコ・ペッツァイオリ監督が解任され、勝矢大熊裕司監督、宮本功強化本部長という体制が発表された。


先ずは、ペッツァイオリ氏に対してお礼を言わなくてはいけない。レヴィー・クルピ体制が長く続き、自由闊達を良しとするチームのスタイルは奥底まで浸透していた。それを路線変更するために、今季はランコ・ポポヴィッチ氏が招聘されたわけだけれども、一度下降したチーム状態が上向くことはなかった。固まっていたチームのスタイルを破壊し、リストラクチャーするという作業は生半可なものではなかったということ。


そうして、チームの状態はガタガタのままペッツァイオリ氏が呼ばれた。俺がもし監督業をしていたとしても、あの状態のセレッソを引き受けるという選択はしなかったと思う。火中の栗、この言葉がよく当てはまる状態だった。選手個々人もチームも、コンデイションを落とし、自信を失っていた。

そんな中で、彼は妻子も大阪に招くほど力を入れてくれた、よくよく理詰めのサッカーを浸透させようとしてくれた。リーグ戦初戦、川崎戦の安藤淳のゴールが決まった時は、何かが変わったかと期待した。けれど、ドイツ流のハイプレスサッカーと日本の夏、そしてセレッソの根底にあるアイデンティティはあまりにフィットしなかった。これは、ただ残念という他ない。


その意味では、大熊監督、宮本本部長という、セレッソで煮染めたような二人が加わったことはトップチームにとって大きな安心材料になる。ユースチームに与えるダメージを考えればゾッとするけれど、トップが二部リーグに落ちた時のダメージはそれを上回るわけで、王手飛車取りを食らった時点で王を下げざるを得なかったわけだ。


大熊監督の試合はカカウが試運転をしたトップとの練習試合しか観ていないけれど、個の力で劣るユースが、トップを向こうに回して善戦した記憶がある。それぞれの持ち味を活かす、ハードワークする、誰もサボらない、多分にセレッソらしいそれを感じた。大きく化ける可能性も低いけれど、大きく外すリスクも少ないはずだ。


宮本本部長は、あの人個人や、パイプのあるスタッフ(それこそ大熊監督のような)の動きを見ていると、育成という荒らされていない領域で確固たるものを築き、そこからクラブ全体をリビルドしようと考えていたフシがある。少しずつ少しずつクラブへの関与を強めていこうと時をうかがっていたから、今あの場に引き出されたのは少し不本意だろう。

それに、宮本本部長はスキーム(枠組みやシステム)を産み出すのは得手だけれど、チーム運営となるとどうかというのもある。ハナサカクラブ、キンチョウスタジアム、プライムセレッソ、ユースの財団法人化、新クラブハウス、セレッソが成長していくそこかしこに宮本氏の姿がある。けれども、それはヤンマーの営業として働いていた経験が活かされた才覚で、強化部でそれが発揮されるのかは正直怖い部分だ。



と、あれこれ考えてはみたけれど、残りはわずかに12試合、まともに強化もできないし、打てる手はほぼ出尽くした。この人事が好転するように、サポーターとしてフォローしていくしか他に方法も無いか。さて、腹をくくろう。