5/04/2008

J2第11節 C大阪1VS0徳島 晩春の薄氷。

後半19分 小松 塁(C大阪)

 3トップになったセレッソを生で初めて観たが、選手は連戦続きでお疲れ気味、真価を問うことは出来なかった。しかしそんな状態でも負けないということは、ベースがしっかりしているということなんだろうか。

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 テレビで観ると4-3-1-2のように見えるセレッソ、守備の際には4-3-3で並んでいた。

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 この形でボールを奪うと、小松、白谷は相手ラインのニッチに入り込み、香川は中に、ラインとボランチの間に出来たスペースへと動く。だから4-3-1-2に見えたのだ。4-3-3だとジェルマーノ、アレーの攻撃的な部分が引き出され、香川のポジションを問わないプレースタイルも生きる(その分ハードワークになるのだが)

 一方前線の引き出しを多くとった分、中盤が薄い印象が否めない。香川と上手くアジャストしないと前線と中盤の間にだだっ広いスペースが生まれてしまう。

 3人の中盤でそうなのだから、中盤がボールロストした時、例えば今日散見されたアレーのドリブルをカットされた場合などは、途端に形勢が不利になる。そうした際に選手がどのように役割を補い合うかが今後の課題だろう。

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 今日の相手徳島はボランチのダシルバ、FWのドゥンビアと軸がしっかりしていて侮りがたいチームになっていた。昨年から確実にスケールアップをしている。序盤はドゥンビアのスピードだけに頼った単調な攻めをしていたが、ダシルバが香川のマークにある程度成功すると組織的なプレーをするようになった。

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 対するセレッソは前述した通りアレーが絶不調、柳沢も良くない、期待のルーキー白谷も疲れからから見せ場は作るものの最後の壁が破れない。右サイドがそうであったので自ずと攻撃は左サイドに偏っていったが、キーマンの香川へのプレッシャーが尋常ではなく(それでも前半最大の見せ場だったループシュートを放っているのはさすがとしか言えない)攻守ともに歯車が回らない、全く消化不良の前半だった。


 後半、白谷の疲労が極限に達したところで柿谷が投入される。

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 柿谷の足技は確かに上手い。しかし4-3-3のサイドプレーヤーには運動量が不可欠、足元にばかりボールを要求していては相手ディフェンスは破れない。足元へのパス、中央突破ばかりが目立ち攻撃が鈍化することもしばしば…。

 そんな柿谷だが上手くスペースに侵攻すればストロングポイントであるテクニックがグッと生きてくる。得点シーンでの小松へのクロスはやや正確性を欠いていたが、回転をかけたボールは相手GK島津のファンブルを誘い、小松の足元に上手く収まった。無人のゴールにボールが流し込まれ、この試合唯一のゴールが生まれた。


 ただしこの後がいけない。上手くリードを守るのか、2点目を入れてトドメを刺すのか、チームの意思統一にズレが生じていた。ボランチと前線の間に広いスペースが出来、同点に持ち込もうと一丸になって攻め立ててくる徳島に主導権を握られてしまった。万事休すかと思われたドゥンビアと山本の1対1はジェルマーノの決死のカバーで救われたが、劣勢は変わらず。

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 この状況を打開せんととられた策は、カウンター要員の追加による抑止力の増強。羽田を下げてカレカ投入、4-4-2にシステムチェンジ。

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 しかしレヴイーが意図していたような効果が表れたのかは疑問だ。カレカもスペースへの動きが乏しく、スピード感のあるプレーも少ない。結果として8人のプレーヤーが自陣ゴール前に釘付けとなってしまった。セットプレーで競り負けたり、簡単なパスをミスしたり。山本が飛び出しゴールが無人になった時はまたしてもジェルマーノがカバーした。5分以上に感じられた長いロスタイムも何とか凌ぎ(柿谷があっさりとボールを手放してしまった時は頭を抱えたが)ようやく勝利にありついた。


 次節は休みの為なんとしても勝っておきたかったこの試合、体裁は悪かったが結果は残した。苦しい期間が続くが、今は昇格に向けて勝ち点を重ねた事を喜ぼう。週末には昨季煮え湯を飲まされたアウェー草津戦が待っている、今度はこちらが苦しめる番だ。

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