9/07/2009

J2 第38節 C大阪1VS1甲府 消された勝利、消えた勝利。

前半32分 香川 真司(C大阪)
前半39分 マラニョン(甲府)


ゴールは一度取り消され、再び巡ってきたチャンスはモノにできなかった。もしどちらかが決まっていたら今期のベストケームはこの試合になるはずだった。しかし結果は引き分け、首位を明け渡すことになった。歯がゆい試合。

スタメンにはレヴィー・クルピの苦心と勝負にかける意気込みが表れていた。メンバー表をそのまま見ればいつもどおりの3-4-2-1。しかし試合が始まるとDF登録の藤本は羽田、チアゴの前に立ち、アンカーとして守備の核をになっていた。4バック、トリプルボランチの布陣。

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相手がこれを読みきっていたのか、それとも不意を突かれたのかは判らないが、ゲーム序盤はこのシステムが見事にはまっていた。いつもは手薄だったボランチの位置に守備のスペシャリストが入ることで、守備陣の厚みはぐんと増した。そこから前線の3人にボールがいい形でわたれば必ずチャンスになる。先制点となった乾の突破から香川のシュートという形もボランチが効いていたからこそ生まれたもの。

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その後もセレッソは試合を支配し、チャンスを生み続けた。しかし最後のツメが甘く、追加点が奪えない。

DSC_574401.jpg平島も攻撃参加

こういう時間帯に点を奪えなければ、不思議とピンチが生まれてくるもの、マラニョンの個人技を止められずアドバンテージは10分と立たずに消えてしまった。

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甲府はマラニョンを前線に残し、残りの10人が汗かき役に徹していたのだが、タイに持ち込まれてからは時折このシステムが上手くまわって、最終ラインが全力で帰陣しなければいけなくなることがあった。

ただ全体で見れば甲府のシュートはわずか3本、4-3-2-1のシステムは前節までの「テスト」の結果どおり、素晴らしい効果をもたらした。これはこの試合の収穫だ。


さて、問題の後半。全体的に間延びはし始めたものの。4-3-2-1は相手の攻撃を何とか封じてきた。足が止まり、青息吐息だった夏場とは雲泥の差。

そしてこの流れの中で問題のシーンが起きる。カイオが右サイドを侵食し、中央の香川が珍しくヘディングシュートを決めるのだが。これが甲府DFに対するプッシングをとられノーゴールの判定となる。自宅に帰り何度もこの場面を確認したが、あれでプッシングなら赤子の頬をなでるのもプッシングだろう。セレッソサポーターとしては納得がいかない。この日の主審岡部氏はジャッジングの線引きが曖昧で、両チームともに泣かされた。これで業を煮やしたわけではないだろうが、直後に小松が投入される。下がったのは濱田。

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結果論でしかないけれど、この交代はセレッソにとってマイナスだった。せっかく機能していたボランチのラインが薄くなったことでチーム全体が不安定になってしまったのだ。代わった小松は前線に渋滞を起こしただけで、試合終盤まで存在感が希薄だった。

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この試合、単純に昇格だけを望むのであれば、引き分けでもよかった。しかしセレッソは勝ちにこだわった。小松を投入したのもそのためだった。ゲーム終盤、このレヴィー・クルピの意思は徐々に長居を熱くさせた。前線は何度も突破を試み、薄くなったバックラインはキム・ジンヒョンも含めた全員でカバーした。後はゴールだけだった。しかし願いはかなわなかった。小松があわせるだけのクロスをモノにできず、試合終了。


首位陥落はしたものの、トップ仙台とは勝ち点差1、3位湘南、4位甲府とは勝ち点差3は変わらず。上位同士の戦いとしては及第点と言えなくもない。しかし精根尽き果てるまで走りぬいた選手にとっては悔しい引き分けだろう。これを糧に岡山、湘南を叩き、もう一度首位を取り戻そう。病床からではあるけれど、活躍を心から願っている。

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