4/09/2017

2017明治安田生命J1リーグ 第6節 鹿島 0vs1 C大阪 #cerezo #photo #diary


夜行バスで東京に、さらにそこから高速バスで鹿島に。ご存知の通りカシマサッカースタジアムはどの方面からでもアクセスが悪い。おまけに神様が霧吹きを持ってイタズラをしたような霧雨が、ずっとスタジアムを濡らしていた。体やカメラにまとわりついて、カメラを持っている人間にとっては非常にタフなコンディションになった。


それでも、観やすい専用スタジアムで、今年最高のゲームが観られたんだから笑顔笑顔だ。東京駅に着いたら駅弁とハイボールでも買い込むか。

スターティングメンバー


GK、キム・ジンヒョン。DF、右から松田陸、ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介。MF、ダブルボランチに山口蛍、ソウザ。右に関口訓充、左に柿谷曜一朗。FW、杉本健勇、山村和也。

リザーブ、丹野研太、藤本康太、田中裕介、山下達也、丸岡満、水沼宏太、リカルド・サントス。

手堅い前半


セレッソのシステムは、リーグ戦2連勝で手応えをつかんだ長身二人を前線に置く4-4-2。対する鹿島もシステムは同じく4-4-2。ターンオーバーで中盤をごっそり入れ替えた鹿島だが、チームとしての成熟度は一日の長がある。ホームという地の利も活かして攻めに来る。


ただ、傍目で見ていて「これは危ないな」と感じたシーンは(終盤、ガチガチに引いて守った時間帯以外)ほとんど無かったように記憶している。ボールを持たれている、攻められているといっても、セレッソの守備ブロック深くまで切り込まれることはあまり無かった。


山口蛍、ソウザの個としての強さもあるし、ツートップの献身的なアタック、柿谷、関口の積極的な守備も効いていた。だから、鹿島が攻めるきっかけになる「一歩目のプレー」が鈍磨していた、これが大きい。もちろん、鹿島の中盤がベストメンバーではないというのもあったろうが、それ以上に両チームの集中力と献身性、それから守備の約束事を徹底して守る規律の差が大きかった。


数少ない攻撃では、古巣との対決となった山村がなかなかの動きを見せる。前半早々にバー直撃のシュートを放っていたし、守備だけでなく攻撃でも運動量豊富に動き回っていた。いつもは杉本、柿谷、丸橋の左サイドが攻める形になりやすいけれど、今日は山村、関口の右サイドが躍動していた。これが後半への伏線だったんだろうか。

攻めているが肝心な部分に入り込めない鹿島と、カウンターしかチャンスはないが、ひとつひとつのキレで勝るセレッソという構図で、これは終始変わらなかった(アウェイのチームが攻めに出るのは負けてる時なのだから、勝ちパターンではある)

DAZNか生んだ「生観戦の至福」


今年から、Jリーグの中継はDAZNが行うようになった。スカパーの時代は快適に高画質の映像を観られただけに、DAZNの回線の貧弱さと低い画質に苛立っている人も多いかと思う。

中継も厳密に言えば生中継ではない。映像が配信されるまで1分弱のズレがあるようだ。つまり、テレビやネットで観戦している人は、生観戦している人より1分遅れて試合の流れを追うことになる。ゴールが生まれた時も、生観戦の人が(当然だけど)他の誰よりも早く歓喜を味わうことができる。



後半開始早々に関口が右サイドを侵食、深くから折り返したクロスを山村が体躯を活かして合わせ、先制。そのすぐ後に後ろの席にいたセレッソサポーターの方が「Twitterでつぶやいたら、DAZNではまだ映像が流れてなかったらしい」と友人に語っていた。予定が立たない人はDAZNしかないだろうが、予定が立つなら生観戦がいい。スポーツは現地がいいんだよというDAZNの啓蒙なんだろうか?


隠れたピンチ


話を試合に戻そう。これで慌てた鹿島は、主力である土居聖真、遠藤康を後半12分に投入し、流れを変えようとしてきた。ユン・ジョンファン監督はそれを見て、関口に代えて若く、より運動量のある丸岡を呼んだ。


だが、まさに投入されようとした時、セットプレーで接触があり、丸橋が頭部を負傷、試合続行の可否が不透明な状態になった。慌てて田中を呼ぶも、丸橋は試合続行可能。今度はさっきの丸岡に加えて、足がつった山村を下げ、5バックにシフトさせるために山下を入れる。この辺りベンチがバタバタしていたので「この間にスコアが動くとキツイな」とハラハラした。軍事オタクに分かりやすく言うなら、ミッドウェー海戦で一航戦が爆装、雷装と迷走している間のようなドキドキ感だった。もしこの時一点取られていたら、結果は違っていたろう。


この、テレビでは見られなかったピンチを脱したユン・ジョンファン監督は、例によってなりふり構わぬ逃げ切り策に移行する。山下を入れて5バック、中盤はトリプルボランチ気味の4枚、トップには杉本が残り、とっくに底をついてるはずのスタミナをかき集めてチェイシングする。この後杉本に代わったリカルドも、体躯を活かして必死にボールキープをしていた。ロスタイムは5分と長く、その上鹿島の攻めが終わるまで笛を吹いてもくれないという酷い状態だったがこれも乗り越え、無事金星を得ることができた。

水沼宏太と喜びを分かち合う柿谷曜一朗

次節のダービーに向け、これ以上ない弾みがついたと言える。だからこそ、ダービーでは負けてはいけない。どんなにこすっ辛い戦い方であろうと、貪欲に、強く勝利を願い、ボールを追ってほしい。

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