8/03/2009

J2 第31節 C大阪3VS0札幌 真夏の夜の夢。

前半23分 マルチネス(C大阪)
前半41分 香川 真司(C大阪)
後半37分 香川 真司(C大阪)




瀬戸内に位置する大阪の夏は暑い。ずっと大阪で暮らしているが、毎年蒸し風呂の中にいるような気分になる。札幌の全体をコンパクトにまとめるチームコンセプトは、この大阪の暑さの前には適さなかったようだ。

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スタメンとリザーブは前節と変わらず。ただプレースタイルには変更があった。

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試合開始時


先手を取ったのは札幌。試合開始早々キリノのスピードを生かしてセレッソ守備陣のウラを突いてきたが、キム・ジンヒョンが富山戦の教訓を生かして事なきを得る。これが決まっていたら試合はずっと厳しいものになっていただけにこのセーブは大きかった。対するセレッソは立ち上がりが重く、札幌の徹底した2ラインディフェンスの前に手を焼いていた。

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特にボランチに入っていたダニルソンのプレーには悩まされた。

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とにかく人に強く、香川や乾のドリブルがことごとく止められた。マルチネスもいつものようにかわすプレーを自重してセーフティーにプレーしていた。守備範囲はそれ程広くはないかもしれないが、自分のテリトリーに入ってきた攻撃は確実に潰していた。早めに点を奪い、札幌の選手を孤立化させていなければ、彼に対する評価はもっと高かったろう。


DFラインを高く保ち、全体をコンパクトにする札幌のスタイルはスタンドから見ていても見事なものだった。しかしある程度落ち着きを取り戻した時点でこの堅牢な壁を打ち崩す試みがなされはじめた。

セレッソの前線には乾、香川、カイオという、ラインの裏に飛び出すことにかけてはJ2随一の攻撃陣が並んでいる。

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そしてボランチには正確に長いボールを供給できるマルチネスがひかえている。これを生かさない手は無い。ボールを奪えば2ラインの裏のスペースに誰かが走りこみ、そこにロングパスを通す。いつものパスサッカーも行いながら、それを時折織り交ぜることで、札幌を少しずつ自陣に押し込めることに成功した。

相手のバイタルエリアに橋頭堡を築けば、攻撃の選択肢も増えてくる。最初の得点、マルチネスの見事なミドルシュートも様々な攻撃を反復していくなかで生まれた。チャンスは僅かだったが、マルチネスの個人技が光ったゴール。

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最初のビッグチャンスを生かせなかった札幌と、僅かな隙を逃さなかったセレッソ、精神的な優位性は明らかだった。セレッソは1点のリードを最大限に生かし、ポゼッションを上げていく。札幌はあれ程整然としていた2ラインにギャップが生まれはじめる。こうなればラインのウラはより奪いやすくなる。2点目のカイオから香川の流れは最終ラインのギャップを香川が見つけ、カイオがこれに呼応した時点で勝負あり。香川はあの間合いを外さない。


前半で2点リード。普通なら安心できるゲーム運びだが、最近のセレッソは失点も多いだけに、まだまだという感覚があった。しかしことこのゲームに関してはこうしたモチベーションが良いほうに作用したように思う。キーパーソンはキャプテンの羽田。

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後半も10分ばかり過ぎると両チームともに運動量が落ち始め、選手間にスペースが出来てきた。この状態では2列目からの飛び出しのようなスピードにのった攻撃への対応が難しくなるのだが、今日は最終ラインが踏ん張った。

以前のセレッソの守備は、まず相手の攻撃スピードを鈍化させ、出来る限り安全にボールを奪うことを第一としていた。しかし今日は強い当たりで相手と競り合い、攻撃の芽を摘んだり、思い切ったプレーでボールを奪うシーンが増えていた。こうした体を張ったディフェンスが試合中盤のスパイスになった。羽田、チアゴ、江添は時に傷つきながらも90分間これを続けた。

DSC_329501.jpgスライディングでシュートコースを限定する羽田

攻守ともにイニシアチブをとり、試合を支配したセレッソ、選手交代も守備をより強固にするものだった。後半32分、2-0の時点で平島。

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後半32分


その後集中が切れた札幌DFのミスを突き、4対3のシチュエーションを作ると香川が1点目と同様に正確なシュートを放ち3-0、勝利を決定付けた。

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後半44分


これで一応は単独首位となったわけだが、4位湘南までの勝ち点差はまだ3しか開いていない。「ノルマ達成」のためにはさらなる努力が必要だ。次節まで中2日、コンディションを維持し、さらなる勝ち点の獲得に心血を注ごう。

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