2/23/2016
森島寛晃と柿谷曜一朗は、セレッソの皇室なのか。 #crezo #セレッソ #セレッソ大阪 #森島寛晃 #柿谷曜一朗 @yoichiro0103
セレッソは柿谷曜一朗が復帰してからまた雰囲気が変わった。女性サポーターが増え、戻り、セレ女セレ女と呼ばれていた2013年や2014年の前半のような黄色い声援がグッと増えた。
日曜日は舞洲で学生相手の練習試合があり、また夜からは天王寺のあべのキューズモールでのイベントも開催されるとあって、多くのサポーターが舞洲や天王寺に集まった。もうすっかり開幕1周間前なの空気だ。
練習試合とイベント、どちらも観に行くというのは無理だろうなと考えて、近場であるあべのキューズモールでのイベント一本に絞ることにした。写真撮影禁止と聞かされガッカリしたのは出発する1時間くらい前だったかな。
天王寺に着いたのは13時前だったのだけど、その頃には数十人のサポーターがキューズモールのイベントスペース近辺にいた。みんな、ステージで行われていた別のイベントの様子を見て、早く終わらないかなという感じで待っていたからよくわかった。
イベントが始まる前にはその数が250人に増えた。これまでも3回くらい同じようなイベントをキューズモールでやっていたけど、今回が1番数が多かったように感じた。
熱気もすさまじいもので、玉田圭司、酒本憲幸、そして柿谷が現れた時の歓声には驚いた。あと、撮影禁止なのにみんなスマホでガンガン写真撮ってるのにも驚いた。人の事言えないけどな。
イベントの内容としては当り障りのないものだった。酒本が松田陸にポジションを奪われそうでテンパっているのがもう……。あとは玉田がひどく寒がっていたり、酒本のテンパリ具合に吹き出していたり。酒本は14年経っても酒本だし、玉田もずっと玉田のまんまだった。
そんな中で1番印象に残っていたのは、今年のキャプテンでもある柿谷の気負いだった。「今までのキャプテンの中で1番頼りないキャプテンかも知れへんけど……。」と、プレッシャーを感じているような言葉をはしばしに挟んでいた。その気合のようなものと、サポーターのもてはやす温度差に、俺は妙な既視感を感じた。
少し考えるだけで、その既視感の正体を突き止めることができた。それは森島寛晃とセレッソサポーターとの関係に近いし、おおげさに言うのなら今上天皇や皇室と国民との関係にも近いものだった。
「モリシ」はセレッソの象徴で、親しく触れ合いこそすれ、責めたり批判したりすることは殆ど無い。5度タイトルを逃し、2度のJ2降格を味わった選手に対する接し方とすれば、驚くほど寛大で温かなものだ。ちょっとのミスはご愛嬌だし、仕事のし過ぎを止めこそすれ、仕事していないと言う人間はいない(実際、森島はよく働いている)。
柿谷はさしずめ皇太子のようなものだ。3歳から下部組織で揉まれ、一度素行の悪さから徳島に追われ、心身を改め、鍛え、戻ってきた。海外に出ていきもう戻ってこないと思っていたのに帰還してくれた。そんなセレッソとの付かず離れずの関係性も、サポーターの心理をくすぐるスパイスになっているのかも知れない。
今年の、そして今後数年間のセレッソ大阪が成績面でも運営面でも成功すれば、この柿谷の物語は美談として残されることだろう。スポーツにストーリー性を求めるのは日本人の特徴だ。
問題は、彼やセレッソが失敗した時、誰がそれを責めるのか、正すのか、収拾をつけるのかということ。スポーツ選手は誰しも向上したいと望んでいるけれど、その全員が夢を実現させられるわけではない。むしろ、夢破れるもののほうが圧倒的に多いのだ。そうなった時に、セレッソはどうなるべきなのか言える人間がいるのだろうか。
ぶっちゃけると俺は無理だ、これ以上ヒールになるのは心身ともに疲れる。多分外様のライターぐらいしか問題視することはできないんじゃないだろうか。
開幕前、まだ何も動き出していないこの瞬間が今年のハイライトにならないように、オレたちは注視しないといけない。ピッチで何が起こり、ピッチの外で何が動いているのかを見て、覚えて、モリシや古参のサポーターが味わった辛酸を後輩に味あわせないように行動しなくてはいけない。かなり鬱陶しい作業だろうし、その瞬間は楽しくはないだろうけど、それでもね。
今の柿谷はサポーターが何を求めているのか、どうすべきなのかを感じ取っていて、その夢を叶えたいという感覚に強く囚われているように思えた。それが空回りしないでいてほしい、よい方に転がってほしい。
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