新幹線の中でささやかな宴の席。深川めしをかきこんで、ビールを飲む。それだけで楽しい。サッカーには、女に振られたショック程度なら一瞬で吹き飛ばす力があるんだ(笑)
内容自体は、決してほめられたものではなかった。ゴールへ繋がるスキルを持っているはずの柿谷曜一朗とブルーノメネゲウは両サイドで守備に奔走し、ゴールを求められるべきリカルドサントスと杉本健勇は沈黙。逆にゼルビアは両サイドをうまく突いて、セレッソの守備ブロックを横に広げるプランをほぼ完璧にこなしていた。
それでも、勝ったのはセレッソだった。開幕戦でいきなりベストの布陣、組み合わせが出来ていることなんてほとんど無い、どのチームだってそうだ。その間に勝ち点をいくら積み重ねられるかだって重要な要素。最終戦の勝ち点3も、開幕戦の勝ち点3も、同じ価値だ。だからこの勝利にも価値がある。
スターターは、テキストで申し訳ない。
キーパー
キム・ジンヒョン
4バック右から
松田陸 茂庭照幸 山下達也 丸橋祐介
ダブルボランチ 右から
山村和也 ソウザ
2列目 右から
柿谷曜一朗 杉本健勇 ブルーノメネゲウ
1トップ
リカルドサントス
対するゼルビアは4-4-2のシステムだったけれど、セレッソも4-4-1-1のような布陣だったのでほぼミラーゲームと言っていい。
タレント、この力で言えば確実にセレッソが上だ。けれど、ゼルビアの指揮をとる相馬直樹監督は、知性があり、ロジックがあり、選手にそれを伝えるだけの言葉があった。だからゼルビアはスキルこそ劣るけれど、組織がしっかりしていて、守備も攻撃も自分たちに課せられた使命を果たしていた。だから、あれほどの好機を作れた。
セレッソの大熊清監督も、自分なりの哲学があり、それをチームに伝えようとしているけれど、選手の特性とのミスマッチは否めない。自分のサッカーに選手を押し込めている感覚がある。
例えば柿谷、彼は1トップでこそ輝く存在だ。もちろんサイドハーフに入っても献身的に動く。でもそれは老舗の反物を雑巾に使うようなもので、もったいないという感覚しか覚えない。
実際後半に入り杉本を右、柿谷を真ん中に入れ替えると真ん中からの崩しが途端にうまくいくようになった。
それから、ソウザと山村のダブルボランチは、悪い方の予感が当たってしまった。二人とも自分のテリトリーに入ったボールや人は簡単に潰せる。一方そのテリトリーは狭く、相手にすれば迂回するルートがいくつもある。結果として柿谷とブルーノメネゲウは守備に奔走させられ、攻撃に厚みを持たせることができなかった。例えば、どちらかが秋山大地のような動けるタイプであったり、橋本英郎のような旨さのあるベテランなら、また違っていたんだろうが。
素材を活かすために、監督が自分の考えを変えるのか、それとも、あくまで自分のプランと心中するのか、とても興味がある。ゼルビアという、まさに人馬一体のチームを相手にして、大熊監督はどう考えるのか。
得点は柿谷が中に入ってボールを持ち出した後半のセットプレー、山村がよくよくフリーになって合わせてくれた。
それ以外の好機はブルーノメネゲウの幻のゴールと、あと一回あったかなかったかというところで、数少ないチャンスをうまくものにした感がある。外からセレッソを見ていれば「試合巧者」なんておべっかを書くところだろうが、内輪からすると「ラッキーパンチ」としか考えられない。
ここから後は試合の雑感。
あべのキューズモールであったイベントでは、柿谷は仕切りに「玉田さんとだとやりやすい、もっとやりたい」と切望していたが、この組み合わせは無理があるんだろうか?(空中戦なら杉本健勇が右で張っている)練習でも彼らが縦に並ぶと推進力は白眉だった。
交代枠を一枚残し、橋本の投入を見送ったのはなぜか?ソウザを下げて1ボランチになっていたので、先に入れた中澤聡太の関係で5-1-3-1になっていた。バイタルエリアがスカスカになったのだけれど、それよりも放り込みサッカー対策が大きいと考えたのか?
大熊監督はこの勝利で、自分のサッカーは正しいと感じられたのか?勝つには勝ったのだからいいだろうと考えるのなら、この一勝が無価値になる可能性だってある。常にベストとは何かを探り続けて欲しい。「セレッソの弱点は監督」などと言われないように。
水戸戦は…行けない。のでスカパーで見ることになるけど、俯瞰で見て今のセレッソがどんな風になっているのか、よくよく確認しておこうと思う。
今がベストなんて言わせない。もっと出来るだけの選手を揃えているんだ。どんな点差で勝ったって驚かない。引き分けたり負けたりした方がどうかしてる。少なくとも中位以下のチームに対してはそうあってほしい。それが、昇格するチームというものだから。
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