11/23/2009

J2 第49節 仙台1VS0C大阪 愛すべきセレッソ。

後半44分 朴 柱成(仙台)


今日の試合、香川が負傷した時点で守りにウエイトが置かれたのはいたしかたないとして、上手く試合を潰せなかったのはいかにもセレッソらしいというか…。サポーターとしてはそうした不器用さと愚直さに惹かれてしまったのだけれど、もう随分時間もたっているのだから、少しくらいスマートにいけなかったのか。


スタメンとベンチ。小松ワントップにカイオと乾の2列目。香川はベンチスタート、西澤も同じくベンチで出番を待つ。

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試合開始時


立ち上がりはピッチからギクシャクと異音が聞こえそうなほど両軍ともに硬さが見られたが、とりあえず引き気味に、人をかけた陣を敷いていることから失点しないことを第一としているのは理解できた。お互い攻めが淡白なこともあって地味に時間が過ぎていく。その中で前半15分頃から徐々にセレッソのペースになっていった。ファーストシュートは小松のループ。らしい裏への飛び出しも枠を捉えられず。

ところがイニシアチブをにぎっても今日のセレッソの攻めには凄味がない。前線に連動性が無く、相手の守備を乱せないので中盤のパスはどうしても単調なものになる。そこを千葉、富田のダブルボランチに詰められてカウンターを食らう場面が多くなる。カイオはハーフウェーラインまでボールをもらいに下がってしまい、小松はマークがきつく機能しない。両サイドもスピードにのったオーバーラップが見られず、得点の匂いは限りなくゼロに近いものだった。いつもは攻守の軸となりチームを牽引しているブラジルトリオが気負いからか異常なほどヒートアップしていたのも大きい。仙台もシュートを一度バーに当てた以外は見せ場無し。前半はこの試合の重みを抜いてしまえばあまり面白みのあるものではなかったろう。


後半、恐らくレヴィー・クルピはハッパをかけたことだろう。小松を下げて香川を入れ、ベストメンバーをピッチに送り込んだ。

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後半開始時


やはり香川、乾、カイオと揃うと攻めに凄味が出てくる。香川とのワンツーで狭い隙間を突破した乾が好機を掴むも、力んだシュートはキーパー正面。手数をかけた攻撃では仙台に守備ブロックを作らせてしまうだけで、こちらも効果なし。仙台の守りをどうしても崩せない。

弱り目に祟り目、さらなる苦難がセレッソを待ち受けていた。香川が相手選手と接触、右足を打撲してしまい、プレー続行が不可能になったのだ。黒木が急遽ピッチに投入されるも、チームのバランスは大きく崩れてしまった。実際黒木は試合の流れに上手くのれず、試合の要所に殆ど顔を出せなかった。

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後半37分


こうなると流れは俄然仙台。悪い形でボールをインターセプトされ、カウンターを度々食らうようになる。相手の精度を欠いた攻めに助けられていたが、もしこれがJ1なら2、3点はとられていたかもしれない。それ程危険な状態だった。チームは混乱していた。

レヴィー・クルピが最後のカードとして守備に長けた平島ではなく、ベテラン西澤を切ったのは、チームの精神面での建て直しが第一とふんだからだろう。

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後半41分


セレッソはそれでも混乱を沈静化できなかった。冷静に考えれば勝たなければ意味が無い仙台が強引に攻めてくることは理解できたはず。攻めの核を失った今、時間を出来る限り潰して引き分けに持ち込み、勝ち点差をキープするのが上策なのは明らかだ。しかし、それが出来なかった。ラストプレーでの酒本や前田のポジショニングを責めるよりも、まずそこに至るまでの流れを悔やまなければいけない。


天王山をショッキングな形で落としてしまったセレッソだが、まだリーグが終わったわけではない。勝ち点差は僅かに1だし、得失点差でもリードしている。サッカーは何が起こるかわからないということを今日、身をもって知ったのだから、最後の最後までベストを尽くして戦おう。

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