仲間内で話をしていると、よく話題に登る試合がある。J2時代、2009年の富山戦だ。
リンク先の記事を見ていただければわかるけれど、それは酷い試合だった。後半18分までに2人(キム・ジンヒョンとマルチネス)が退場、スコアは0-2。観客もまあ、よくも最後まで見ていられるなという内容だったのに、2-2まで追いついた。
それで、ああ勝ち点1をとるんだと思ったら9人で勝ちに行って自滅した。これをバカだと思うか、セレッソらしいと褒め称えるか、人によってまちまちなのだ。
ただひとつ、はっきり言えることがある。皆がこの試合を「覚えている」のだ。ハッキリと、しっかりと。試合内容もさることながら、セレッソらしい戦いをしたからだと、俺は捉えている。
振り返って、今のセレッソにそれがあるのか、少し疑問に感じるところがある。
柿谷はキレを増し、杉本健勇、山口螢、扇原貴宏、丸橋祐介、南野拓実らテクニックも確かなユース出身の選手が増えた。キム・ジンヒョン、藤本康太、酒本憲幸、生え抜きもいい。茂庭照幸、新井場徹、枝村匠馬、播戸竜二ら移籍組も渋い。なのに、面白くない。
新潟戦からそうだった、FC東京戦でも変わらなかった。結果だけがついてきていて、それがここ何試合かはしっかりリンクするようになって、そこでようやくみんな言い始めたけれど、今年はずっとそうなのだ。
セレッソらしいとは何か?俺は攻撃に入った時の高揚感だと感じている。ショートパスがテンポよくつながり、敵の網をかいくぐる、そのゾクゾクするような快楽が、今年はまるでない。
目立つのは、扇原から柿谷や南野へのウラ一発だ。それが成功すればいいけれど、カットされれば攻撃は単発で終わって、またジリジリ、チマチマとせめぎ合いを続けるだけ。失点数はリーグ最少に1つ少ないだけの6と良化しているが、得点も新潟、清水、磐田の次に少なく、「冒険」の少ない、ロースコアゲームが続いていることを裏付けている。
それで勝ち切っていれば文句は言わない、そういう戦い方なんだなと自分を納得させられる。でも現実はどうだろう。シーズン前はタイトルをとるとうわ言のように言い続けていたのに、中位に甘んじている。序盤なのだからという言い訳もあるが、カップ戦合わせて10試合を経過して、まだ馴染んでいない選手、結果が残せていない選手がたくさんいるのは問題だ。
もう一度、セレッソらしいサッカーが見たい。ワクワクとドキドキ、落胆と歓喜が無い混ぜになったバカバカしいサッカーが。それで負けても、それなりに幸せを感じられるから。
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