2014年11月22日(土) 17:04キックオフ[ 観客 19,404人 ]ユアテックスタジアム仙台
得点者
前半3分 野沢 拓也(仙台)
前半17分 赤嶺 真吾(仙台)
前半38分 杉本 健勇(C大阪)
後半27分 永井 龍(C大阪)
後半43分 ハモン ロペス(仙台)
後半45分+3 カカウ(C大阪)
試合だけを、そのものを評価するなら、よくぞ心が折れそうな流れを引き戻し、くじけず下を向かずに戦ってくれたと思える。けれども、この結果だけを考えれば、降格の可能性はまた一段と大きくなってしまった。90分間(プラス7分ものアディショナルタイム)だけのものと、これまでの、2880分間トータルのそれとで評価は変わってしまう。難しいな。
スターターは、セレッソの今年の混迷を表したような布陣。岡野前社長がヤンマー本社を口説き落としてまで獲得したディエゴ・フォルランは遠征に帯同もしていない。起死回生の一手と獲得したカカウもベンチスタートで、前線は生え抜きの南野拓実と永井龍となった。杉本健勇は右サイドで、左は楠神順平、ボランチには長谷川アーリアジャスールと扇原貴宏。守備陣に変わりはなしで、代表帰りのキム・ジンヒョンがゴールマウスを守る。
急造の、寄せ集めの11人ではあった。けれども、この布陣は俺個人が一度試してみてほしかったものに近くて、期待はしていた。杉本はプレッシャーがきつい前線よりサイドトップとして起用したほうが活きるはずだし、南野のフィニッシャーとしての力もゴールに近いほうが発揮できるだろうと、長谷川も窮屈なサイドよりもセンターの方が活躍できると。
しかし、試合開始から僅か3分で流れが悪い方に傾く。ボランチの2人の関係性が成熟していないのと、立ち上がりから慎重になり過ぎたのと、それから、仙台のこの一戦に懸ける勢いが強かったのも大きかった。
得意のカウンターから野沢拓也、こちらも武器のセットプレーから赤嶺真吾。一番許してはいけない先制点、心を砕かれそうになる2点目。そこから立ち直り、セレッソがシュートを放つのに、前半20分過ぎまで我慢し続ける必要があった。
福音は、狙い通りサイドトップで考える暇(いとま)を与えられた杉本と、左サイドでドリブルを自在に仕掛けられた楠神だった。杉本のゴールは美しくも素晴らしくもないものではあったけれど、0-2から1-2に持ってきたことで、仙台に違和感と自身への猜疑心を、セレッソに勇気をもたらしてくれた。価値を考えれば千金のものがある。
後半は……もどかしかったな。もう少し攻め駒を矢継ぎ早に繰り出せなかったのか。秋山大地はオープンな展開の時はその運動量、守備範囲が脅威になるだろうし、息切れしたサイドバックには新井場徹をパッチすることもできた。しかし実際には交代はカカウ一人で、それもチームが疲弊し切っていた後半35分になってから。永井の幸運な同点弾が決まっていたからこそ注視されないけれども、あの投入までの時間に意味があったのだろうか。
その頃にはチームはスタミナが切れていて、組織だった守備だとか、そんなものは期待することすらできなかった。ジンヒョンの力量、扇原の頑張り、長谷川の勇気を持った攻め上がり、個々人の精神的な奮闘に期待するしかなくなっていた。前半から連携など期待していなかったけれど、もうこのころには単に11人のプロ選手を並べただけの、そんな集団に成り下がっていた。
だから、仙台の3点目は突然で、心を引き裂かれるものではあったけれど、決して悲劇だとは思っていない。勢いに任せて、誰もチームをコントロールもしていなくて、それで攻めこむだけに執着していれば、ああいうしっぺ返しが来る。
それでもセレッソは負けなかった、それは素晴らしい幸運だ。カカウという驚異的な存在が、10分そこらの時間、全力でボールを追えばあんなゴールが生まれるのだな。
負けなかった、勝てなかった、これをどう結論をつけようか。降格の闇はいよいよ背後まで迫って、真っ黒な口で俺達を飲み込もうとしている。次の鹿島戦に敗れれば、もうあの真っ暗な臓腑の中に落下することになる。しかし、まだ希望の光はわずかに見えている。文頭にも書いたけれど、本当にもどかしい。
悲観することも、さじを投げることも簡単だ。人を悪くいうことも。ただ、それはもう少しだけ後にしよう、12月の大宮ででもできることだ。そこまで、最後まで、まずみんなが、それぞれができることをしよう。チームがバラバラで、サポーターまでそれでは、キャプテンが悲しむ。違うか?
あんなに頑張ってた南野が試合中にカカウに対して「ボケ」発言しなきゃあかん・・・苦しいチーム状況です・・・トホホ
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