写真というものが無かったら、俺の人生って今よりもずっとずっと下らないものになっていたと思う。確かにカメラやレンズ、カメラバッグやSDカードは高価で、多分、100万円くらいは使ってる。カメラ4台、レンズ8本、カメラバッグ2つ、SDカード5枚、コンパクトフラッシュ1枚、バッテリー6個、フィルターが8枚にそれらの修理代、われながらアホかと思う。
それでも、必死こいて残した試合の写真、日々の生活を切り取った写真は、その作品的な出来栄えを抜きにしてもいいものだ。
動画も魅力的だけれど、一枚で、一瞬で、直感的に、人の神経に刺激を与える写真というものはやっぱりいい。
ただし、今度の大宮遠征の撮影では、すでに暗澹たる気持ちが頭のなかを渦巻いている。
本来、大宮のホームはサッカー専用でピッチとスタンドがほど近いNACK5スタジアムだ。けれど、年に一試合だけ、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場でホームゲームを開催する。
なんの罰ゲームかしらないけれど、大宮よりももっと遠くて、不便で、見辛いスタジアムで試合をするということ。
そうして、大宮はホームとアウェイを厳しく分離している。セレッソだとたまにアウェイのお客様がホーム寄りのスタンドにいて、それが許されている空気があるが、大宮は(おそらく浦和との関係から)その辺りはキッチリしている。
今のところ、アウェイのサポーターに与えらた選択肢は陸上競技場のトラックの、そのまた向こうにあるゴール裏。もしくはそれより僅かにホームスタンド寄りというだけでチケットの値段がガンガンに上がるアウェイホーム席ということになる。
Google Mapなんかでスタジアムを見て、ピッチとの距離や指定席の位置などを確認してみたところで、本当にイヤな気持ちになった。この距離、この角度、この時間帯でいい写真を撮るのはほぼ無理だ。
よく、「どうやったらサッカーをうまく撮れますか?機材がよければキレイなんですよね?」という人がいるがそうではない。持論だけど、サッカーを撮るのに重要なのは場所取り、これが7割で機材が3割くらいだ。20万円出して望遠レンズを買うのなら、5000円出していい席をとったほうが確実にシャッターチャンスは多い。
熊谷で、もしいい写真が撮れるとしたら、後半にセレッソが得点を決め、選手たちがスタンドに向かって駆けていく、その瞬間だけだろうと思う。
旧知の大宮サポーターと、また飾らない飲み屋で杯を交わすため、また、一瞬のチャンスに賭けるため、俺は5キロくらいの装備を抱えて往復19時間のバスの旅をする。本当に阿呆としか思えない。
それでも、写真の神様は優しくしてくれると信じるよ、それしかない。日本人(特に女性)には嫌われてばかりだけれど、ブラジル人、ベトナム人、中国人、イタリア人、どこの外国人と仲良くなるのは得意で、写真の神様とはもっといい関係を作れている、はず。
帰りのバスの中で、ワクワクしながらパソコンをいじれてると願う。いい写真を送れると、ウキウキしていたいな。
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