9/28/2015

明治安田生命J2リーグ第33節 徳島 1vs1 C大阪 必然の引き分け。 #cerezo #photo #diary

前半、アレだけ左サイドを攻略されて、無失点に抑えられた。そして、僅かなチャンスから先制点を、それも前半最後のプレーで奪えた。これ以上の幸運はないと喜んだけれど、セレッソとパウロ・アウトゥオリはその幸運を自ら手放してしまった。少なくとも、試合を生で観た人間にはそう見えた。



スターターは前節と変わらず。キーパー丹野健太、ディフェンス酒本憲幸、山下達也、染谷裕太、丸橋祐介、ミッドフィールダー関口訓充、山口蛍、扇原貴宏、パブロ、トップにエジミウソンと田代有三。控えには楠神順平が戻り、攻撃の切り札が厚みを増した。


しかし、小林監督のサッカーは相変わらず胃の痛い、キリキリするようなのばかりだな。それぞれにシンプルなタスクを与えて迷いを消し、引いて守ってカウンター。2005年から変わっていない。

徳島のストロングポイントは右サイドで、サイドバックと10番、ボランチの一枚がトライアングルを作って小気味好くパス交換を仕掛けてくる。そこの対処を丸橋一枚でしなくてはいけないシーンが散見され、幸先に不安を残した。



セレッソの活きる場所は中盤で、パブロも関口もキレがよかった、加えて山口蛍も代表で見せるポテンシャルをそのまま鳴門まで持ってきてくれた。扇原の動きに多少の不安があったけれども、致命的ではなかった。

双方が得手にする攻めでゴールを脅かすが、決定機の数は徳島に分があったように感じる。シンプルに、できる事だけをシッカリやるサッカーは、派手さはないが確実に勝ち点を残す。



そういう小林サッカーが炸裂している時に、パブロが飛び出しから技ありのループを決めてくれたのは、重ね重ねになるが本当に大きかった。ギリギリのところで一点をとり、試合を得手に進める小林サッカーにとって、先取点を奪われる事は大ダメージだからだ。

ところが、そのアドバンテージをセレッソはみすみす手放してしまう。後半開始から酒本を下げ、中澤聡太をピッチに送り込む。染谷を右サイドで守備的に使うのかと思ったら、3-4-1-2にシステム変更をしたのだ。



図示すれば分かる。4-4-2ではサイドに二枚配置できるが、3-4-1-2では一枚しか配置できない。

もうひとつ、酒本という正確なパス出しができる選手を下げて、センターバックで相手の攻撃を寸断する事を専らとする中澤を入れた。

止めに、いいハーモニーを奏でていた関口とパブロの距離感が遠くなって、連携どころではなくなった。


結果として、攻撃は停滞し、守備でも前半にも増してサイド攻撃にやられるシーンが増えた。サイドでスピードにのったアタッカーを、決して快速ではないセンターバックが捕まえるのはかなり難しい。またその時にはマークの受け渡しを自陣ゴール前という際でしなくてはならなくなって、非常にリスキーだ。結果として、セレッソの両サイドハーフ、丸橋と関口の負担が増えるようになった。


これでまだ前線にボールを収める存在がいれば救われるのだけど、田代が橋本に代わって下がり、攻めの交代は楠神順平のみ、窒息感ばかりが増える事になった。


確かにエジミウソンはこれまで二試合で3ゴールに絡む活躍をしている。けれど広大なピッチを動き回る事も、空中戦で競り勝つ事もできないストライカータイプをフルタイムで使ってもチャンスは少ない。少なくともこの試合ではそうだった。

パウロ・アウトゥオリは楠神を呼ぶ前に試合を潰しにかかって、中澤と橋本をピッチに送り込んでいた、確かにそうだ。彼はそれで勝ちきれると踏んでいた、これだけ不安定な守備を見ていかながら、だ。それでセットプレーで1-1になると、慌てて楠神を呼び出したのだ。指揮官がダッチロールすれば、選手のメンタルも揺れ動く。この時点で勝利の確率は限りなくゼロに近くなってしまった。


なぜそこまでエジミウソンにこだわるのか、なぜまだ最少得点差で、不安定な流れの中から試合を潰しにかかったのか、分からない。本当に不可解だった。

焦ってチグハグな攻撃に終始するセレッソ。シンプルにできる事だけを仕掛けてくる徳島。目標とするサッカーのクオリティはセレッソの方が高いはずだが、終盤で主導権を握ったのは徳島だった。試合終了のホイッスルを聞いた時、無念さと、腹立たしさと、安堵と、色んな思いがドッサリと落ちてきて、自分自身をコントロールするのに難儀した。


これで二位磐田まで勝ち点差5。試合数を超える勝ち点差は逆転できないと言われているが、残り8試合でこの勝ち点差を引っ繰り返せるだろうか?

今日の試合は、観る者を不安にさせる要素ばかりがふんだんに盛り込まれていた。とても「大丈夫」と胸を張れるものではなかった。悪い流れをどうやってひっくり返すのか、一週間見守るしかないか…。

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