6/09/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第17節 長崎 1 vs 2 C大阪 留守を守 る。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #vvaren #V・ファーレン長崎


帰りの電車やバスの車中は記事を書くのに集中できていい。

この試合に関しては、セレッソも長崎も内容のあるいい試合ではなかった。

セレッソはそれを決めておけという決定機が少なくとも四回あり、長崎も後半あれだけ盛り返してきたのに決め切ったのはひとつだけだった(そのゴール自体はとても価値のあるものではあったけど)




中三日で三試合。セレッソに関して言えばホーム、アウェイ長崎、アウェイ岐阜と文字通り「東奔西走」になる。だからクオリティが落ちるのは仕方がない、その上この試合では柿谷曜一朗が負傷したのだから言い訳はたつ。

けれど、これからもっと上、さらに上を向くためにはこういう試合はイージーに終わらせておきたかった。


スターターと長崎の目論見


セレッソはGKに韓国代表から戻ったキム・ジンヒョン、DFは右から松田陸、田中裕介、山下達也、丸橋祐介、MFボランチにソウザと山村和也、二列目に清原翔平、ブルーノ・メネゲウ、杉本健勇、FW1トップに柿谷曜一朗。





対する長崎は結果を出していた3-1-4-2ではなく、3-4-2-1のシステムを組んでいた。


ボールサイドも数的同数、逆サイドにはラインをずらして対応

多分、ではあるけれど、長崎はセレッソが攻撃に入る時、ボランチがDFの間に落ちて3バック気味になる対策として、前に三枚張り付かせようとしていたんじゃないだろうか。

前半


この試合が混迷した最大の要因は柿谷の負傷退場だろう。開始5分と経たずにピッチを後にし、代わりにリカルド・サントスが入った。



柿谷はスピード、スキルを活かすタイプ、リカルド・サントスは高さと強さを持つ典型的なセンターフォワードということで、長崎の守備陣はかなり混乱したと思う。

加えて、長崎の前三枚がセンターバックとボランチの一枚を追う形にすると両サイドが数的不利になる。3-1-4-2ならボールと逆サイドのサイドハーフが降りて4-4-2になるそうだけど、この試合では違うスタイル。だから上がっていくサイドバックをどう捕まえるのか、決めきれなかったように見えた。



結果として松田にいいクロスを上げられ、リカルド・サントスの高さが活きたファインゴールを呼び込んでしまった。



セレッソ側から見ると二列目右サイドが左利きの清原、左サイドが右利きの杉本で、中に入って相手のマーカーを引っ張るケースが増える。その空いたスペースにサイドバックを呼び込めていた。

このサイドの守備の不安定さから、長崎の最終ラインは終始バタバタとしていた。この後もボールの処理を誤ってリカルド・サントスとブルーノ・メネゲウに決定機を作られている。


ただ、それも前半の中盤までで、その後は長崎らしいハードな、前からガツガツと追っていくスタイルが見られた。セレッソのそれは算段のないただのがむしゃらさなのだけど、長崎の前からの守備はチームが連動して動くので厄介だ。

後半


後半立ち上がり、再びセレッソが長崎の穴を突く。ブルーノ・メネゲウが飛び出して流し込むだけのシュートを一度、リカルド・サントスも裏への飛び出しを一度見せている。けれど、どちらも最後の最後でコントロールミスをして得点ならず。これが試合終盤のドタバタの伏線になる。



このチャンスを逃した後、セレッソは予定していたように運動量が落ち、フィジカルに長ける長崎の猛攻にさらされる。



選手全員がフィジカルゴリ押しのタイプなら、対応の仕方もあるんだろう。けれど長崎の中盤に君臨する梶川諒太がそれを許さない。



彼はポジションを細かく修正し、移動し続け、ボールを引き出す役割を完璧にこなしていた。相手が「ここに入れられると厄介だ」と思うプレーを選択できていた。トイメンのソウザ、山村がバテてきたり前がかりになったりでマーカーを外れることも多く、彼のボールさばきでセレッソというチーム全体がガタガタになった。



大熊清監督がゴールの可能性を持った玉田圭司を入れず、ハードワークができる澤上竜二や木本恭平を呼んだのは、中盤の運動量をアップさせたいという意図だろう。

けれど、こと守備に関しては効果は薄かった。後半のほとんどの時間を長崎に支配され、疲弊し、足が止まっていった。後半ロスタイムには一番厄介な梶川をフリーにする。



ボールを持った彼は定石であるキーパーとディフェンス間ではなく、デフェンスの後ろにできたスペースにボールを流し込んだ。そして、そのスペースに気づいたもう一人である永井龍が右足を振り抜き、劇的な同点ゴールを呼び込む。

これで終わってしまったら、絶望しか残らないような試合だった。けれど、セレッソのバカバカしいほど前のめりのメンタリティ。讃岐戦では仇になったチームのカラーが今度はいいように働いてくれた。




その直後のプレーではリカルド・サントスが左サイドでボールを受け、ファーサイドの清原にクロス、澤上はマイナス気味にボールを落とし、そこに木本がどフリーで待っていた。試合終了30秒前に再び勝ち越し、そのまま2-1でフルタイム。

まとめ


劇的で、エンターテイメントとしては素晴らしい試合だった。けれど、そのクオリティや試合運びの稚拙さは修正しないといけない。少なくとも2-0、3-1くらいのスコアで押し切れるチャンスがあったのに、それ以下の結果しか残せなかった。



エースである柿谷の負傷が長引くだろう(今しがた全治1ヶ月とリリースがあった)なら、今いるメンバーの個の力、そしてチームとしての結束力はもうひとつふたつ上げないといけない。長崎も(この試合ミスはあったにせよ)強かったし、岐阜だって簡単に勝たせてもらえる相手ではない。運動量、決定力、連携、何から何まで未整備のまま、そんな状態で夏を乗り切れるとは考えられない。

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