6/27/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第20節 C大阪 1 vs 0 東京V #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #verdy #東京ヴェルディ


試合が終わった瞬間、ピッチに立っていたセレッソの選手は、キム・ジンヒョン、松田陸、田中裕介、山下達也、丸橋祐介、清原翔平、藤本康太、澤上竜二、田代有三、ソウザ、杉本健勇の11人だった。

両サイドバック以外は全員ヘディングに強い、フィジカル重視のメンバーで、ああ、これが大熊清のサッカーかと目まいがした。

それでも、勝ちは勝ちか。

スターター


スタメンはキーパージンヒョン、DF右から松田、田中、山下、丸橋、MFはボランチに山村和也とソウザ、二列目は右から杉本、玉田圭司、清原、FW1トップにリカルド・サントス。

ベンチは丹野健太、藤本、酒本憲幸、扇原貴宏、丸岡満、田代、澤上。ブルーノ・メネゲウは警告累積で出場停止、山口蛍もまだ合流していない。


前半


やりたい事は、およそ他の試合と変わらない。杉本かリカルド・サントスに当てて、そこから二列目にボールを渡し、サイドに攻撃を展開していく。


久しぶりにバックスタンド中央で見たけれど、ソウザのタスクが非常に多い。パスワークでボールを散らしたり、自分で持ち上がったり。守備でもハードワークを求められていて、これは厳しいなと感じた。

もしソウザのロングパスの精度がよければ、もう少し攻撃のテンポは上がるんだろうけど、残念ながらそういうスキルを持っていない。サイドまで攻め上がったけどストップしてしまった。そういう時には何人もの選手を経由して逆サイドまでボールを回す。

当然ながら、その程度のスピードでは相手の守備ブロックは混乱したりしない。なので前線までボールが入った時には人が密集していて、動けるだけの時間と空間などなくなってしまっている。


玉田はそれを嫌ってボランチの前までポジションを落とし、攻撃のテンポを早めようと試みていた。清原や松田辺りもサイドに張り出してフリーになっているアピールをしていた。けれど、そこまでボールを出せないのなら意味がなくて……。あまりいい傾向ではない。だから決定機というと杉本が左サイドを突破してクロス、中のリカルド・サントスが潰れて清原がヘディングした一度くらい。



対するヴェルディも、程度こそ違えど攻め方は同じ。トップのドウグラス・ヴィエイラに当てて二列目がそれをフォローというのが基本線。その後はサイドに開いてもう一度中の選手に当てていく。

こういう攻めだとセンターバックの田中、山下は比較的対応しやすい(ドウグラス・ヴィエイラの縦突破を防いでファウルをもらったりもしたけれどね)高さとか強さとかの勝負になれば大熊監督のフィジカルゴリゴリサッカーが活きてくる。


けれど、ヴェルディにはセットプレーというもう一つの武器がある。こちらは手を焼いたな。実は土曜日の練習ではセットプレーの守備を徹底して確認していたんだけど、それでも立ち上がりにかなり危険な決定機を作られている。


後半と、リカルド・サントスの「約束」


後半8分に均衡がやぶれる。右サイドを突破したソウザのシュート気味のクロスを、リカルド・サントスが合わせて反応していたキーパーの逆を突いた。

俺の知り合いで、リカルド・サントスの大ファンって子がいる。写真を撮ってはリカルド・サントスに送っていて、リカルド・サントスもまた彼の写真を気に入っていた。けれど、彼は病気でしばらくスタジアムに来られなくなってしまった。

彼のためにゴールを、俺はリカルド・サントスにお願いをしていた。リカルド・サントスもまた心よく応じてくれた。有言実行、彼は大事な試合で期待に応えてくれた。もう、それだけで胸が一杯というか……。


ただ、夢見心地だったのは数分間だけだった。セレッソは毎度おなじみの運動量の低下を起こし始め、次第にイニシアチブをヴェルディに譲るようになる。


大熊監督もこの対策をいろいろと考えていたようだ。後半17分には早めのカード、玉田を下げて藤本を入れ、ボランチは山村と藤本、ソウザを一列上げるという奇策に出た。

ソウザはボールを失うことが(比較的)少なく、時間を稼げる貴重な存在だ。加えて高さもあるからハイボールへの強度も上げられるという算段なんだろう。スタンドからはあまり感じのよくないヤジが飛んでいたけれど、仕方ないか。

その後も交代は「高く、強い」選手優先。山村がバテたとなると澤上を入れてソウザと藤本のダブルボランチに、走り回って疲労困憊のリカルド・サントスの代わりには田代を入れた。


ここでもし地上戦を仕掛けられたら危なかった。例えば山口戦のようにスピードのある選手に仕掛けられていたらかなり厳しかったろう。

けれど、ヴェルディは高木善朗のような仕掛けられる選手を投入しても基本線を崩さなかった。高さ、放り込みであれば撤退さえすればなんとか凌げる、そのための選手交代だったわけだしね。結局青息吐息ながらも逃げ切りに成功した。


まとめ


四連勝という結果は嬉しいけれど、「結果的に勝てました」という試合が四回続いているだけという感じ。だから、ここから波にのるかななんて期待感は薄い。高さや強さで真っ向勝負してくれる相手ならそこそこやれるだろうが、足元で粘り強く仕掛け続けられる相手には後手を踏むだろう。


次節熊本戦は熊本にとってスペシャルな試合になる。震災後、ホーム熊本での行われる最初の試合、これ以上ないモチベーションで戦って来るだろう。それにどう対応していけるのか、それが気がかりだ。

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