6/12/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第18節 岐阜 0 vs 1 C大阪 曇天に降るブーイング。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #gifufc #岐阜FC


米原に向かう新快速は、新快速と名乗っているのに各駅停車だ。何時に家に着くのやら。

蒸し暑く、雨も降り、パスは繋がらず、相変わらず受け身に回ると脆い。岐阜FC対セレッソ大阪の一戦は、J2というカテゴリーには不釣り合いなほどの大凡戦だった。

スターター


GKはキャプテンマークをつけたキム・ジンヒョン。DFは右から松田陸、田中裕介、山下達也、丸橋祐介。MFはボランチに山村和也とソウザ、二列目に右から清原翔平、ブルーノ・メネゲウ、杉本健勇。FW1トップにリカルド・サントス。リザーブは丹野健太、茂庭照幸、藤本康太、酒本憲幸、木本恭平、玉田圭司、澤上竜二。



前半


前半は「まだ」見られたと記憶している。岐阜が自身のペースを見つけられない間にブルーノ・メネゲウがゴールを決めてくれた。


この試合ではソウザ、ブルーノ・メネゲウ、リカルド・サントスのブラジリアンコネクションが攻撃の軸になっていた。ブルーノ・メネゲウとリカルド・サントスの距離感が比較的近くて、お互いをサポートしやすい位置取りが出来ていた。少なくとも、開始20分くらいまでは。


加えて、二列目の両サイド、杉本と清原もよく動き、相手の出足を防いだり、攻めの一歩目として橋頭堡を築いてくれた。ソウザも山村もある程度は機能していた。

岐阜はそれに対し、こちらが帰陣する前に早く、長いパスを入れる作戦のようだった。例えその時、その攻撃が不発に終わったとしても、こちらの守備陣を走らせることはできる。スタミナや走力という点ではセレッソには負けないという算段なのだろう。


だから、言い換えるなら岐阜の前半の攻撃は後半に繋がる「撒き餌」のようなもので、前半のうちに成功させようという気持ちはあまりなかったかもしれない。

こんな凡庸なプランに対してすら、セレッソは対応が遅れてしまう。一本、ドフリーであとは流し込むだけというピンチを作ってしまった。岐阜の攻撃陣がミスをしているから助かっているだけで、これでいい、これを続けていこうという気分にはなれなかった。

後半


そう、正規の凡戦と断じられるのは後半の岐阜の稚拙な攻撃と、それに対してすら後手を踏むセレッソの守備、そしてなにより大熊清監督の不可解な采配があったからだ。


案の定というか、いつも通りというか、セレッソの運動量は徐々に落ちていていった。これは単純にスタミナが不足しているだけではない。このメンバーでは誰もタメを作れず、選手は常に「考えて、動く」という作業をし続けなければいけない、その事こそ最大の原因なのだ。

少し前ならシンプリシオ、もっと前ならマルティネスがしていたようなプレー。流れをコントロールして、整理して、他の選手の「考える」というタスクを軽減させるプレーを誰もしない。あえて言えば杉本と丸橋がそれに近しいプレーをしていたけど、さりとてシンプリシオやマルティネスクラスではない(そんな選手、日本人ではそうそういない)

だから、選手は心身ともに疲労し、シンプルなことしか考えられなくなる。とりあえず支持された位置まで守備に戻ろう、とりあえず相手が来るまでは休んでいよう、とりあえず、とりあえず、とりあえず……。

ソウザはボールの出しどころがなく苛立つ

その積み重ねが後半のお粗末な流れになった。セレッソはとりあえず4-4-2にはなるけれど、前線と二列目の間がスカスカで、みんな棒立ちになる。センターバックとボランチの間、一番通してはいけないボールを簡単に通す。長いボールを入れられようものならグッタリした顔で走っていく。ボールがある場所では動くけど、連動して動く、組織で攻める、守るなんてプロクラブらしいサッカーはどこかに霧散していた。

だから、ボールを奪取する位置はセンターバック付近、ペナルティエリアのきわになる。そこから攻めを組み立てるものだから、鈍重で、キレがなく、シュートまですら届かない。

これに拍車をかけたのが、大熊監督の切った一枚目のカードだった。チームで誰よりも動けていた清原を下げて澤上を入れ、右サイドの二列目にいれた。セレッソは希望の芽を自ら踏み潰した。


別に澤上が悪いわけではない。彼はストライカーで、トップこそもっとも相応しい選手だ。それを二列目のサイドに入れてどうしようというのだろう?アウェイのゴール裏からは罵声が飛び、ブーイングが自然発生した。


玉田を入れたのはその後になってからで、ピッチ上の選手は澤上以外疲労困憊という状況だった。リカルド・サントスは空中戦の目測を誤るし、杉本もいら立ちを隠せないでいた。この状態ではボールを長く保持し、味方の上がりを待つ以外に打つ手はなく、玉田もそのようにしていた。フリーキック以外で見せ場はあったろうか。


三枚目のカードは藤本で、彼は本職とは違うボランチとして投入された。本職である木本は呼ばれなかった。恐らくだけど、澤上や藤本の起用理由は高さや強さで、スキルフルなプレー期待されていないんだろうな。玉田がわずかに行った味方をおもんばかるプレーをあと一人でも出来ていたら、少しはマシになったろうに。


ここまで愚策を続けて勝てた理由は、シンプルに、岐阜の攻撃もまたお粗末だったからだ。最後のクロス、パスの精度は低く、仲間との連携も取れていなかった。もし一つでもそういうプレーができていたら、結果はひっくり返っていただろう。

まとめ


この試合で収穫があったとすれば、藤本が戻ってきたこと、玉田が錆び付いていないと証明されたこと、そしてなにより、勝ち点3をこの内容で得られたことだろう。普通はよくて引き分け、悪ければ大惨敗だ。

とにかく、デカければいい、高ければいい、強ければいい、そんなサッカーではこの先必ず行き詰まる。キチンと動き回れる人間、インテリジェンスを持った人間、連動した仕掛けや守備を整備しなければどうにもならない。少なくともゴール裏と、識者はそう感じている。監督の頭の中を変えるか、それごと変えてしまうか。極端すぎて口にしたくはなかったけれど、それくらい今のセレッソはヒドい。

0 件のコメント :

コメントを投稿