6/20/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第19節 C大阪 3 vs 2 徳島 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #vortis #徳島ヴォルティス


サッカーでは、勝敗はゴールの数だけで決まる。どんな経緯を経たとしても、90分過ぎた時ゴールの数が相手よりひとつでも多ければ勝ちということ。昨日のセレッソの出来は決して褒められたものではなかったけれど、相手よりひとつ、ゴールが多かった。


スターター


スターターは前節と変わらず。キーパーキム・ジンヒョン。ディフェンダーは右から松田陸、田中裕介、山下達也、丸橋祐介。ボランチに山村和也とソウザ。二列目は右から清原翔平、ブルーノ・メネゲウ、杉本健勇。ワントップにリカルド・サントス。

リザーブは前日U-23の試合に出場した茂庭照幸、橋本英郎が抜け、丹野研太、藤本康太、酒本憲幸、扇原貴宏、木本恭生、玉田圭司、澤上竜二。


前半(ミスマッチ)


セレッソは前半、アドバンテージを得た。試合を何度も見なおしたわけではないけれど、徳島が3バックを採用していて、守備時は5バックになるところと、セレッソが4-2-3-1を採用していて、攻撃時は5人が前線に上がる部分でミスマッチが起きているように見えた。

セレッソの右サイドは左利きの清原、左サイドは右利きの杉本だ。なのでボールを受けた時サイドに流れることもできるし、中に切り込んでいくこともできる。そして中に絞っていくと、空いたスペースにはサイドバックが入り込むことになる。これで前線は5枚。

徳島は3バックで、両サイドハーフまで下がると5-2-3というか、5-4-1に近い形になる。最終ラインが5枚の時は通常数的優位が起きやすいのだけれど、昨日の試合では数的同数になっていた。


ゴール前で1対1が頻発すれば、決定的な仕掛けまで持って行きやすいし、シュートも増える。セレッソはそれを意図してプレーしていた。勝負に必要なスペースを作るため、右から左、または左から右へとサイドチェンジを繰り返していたのはそのためだろう。


この流れの中で杉本のゴールが生まれた。ゴール前でひとつ形を作って左サイドに流れたソウザに、ソウザが丸橋まで戻してフリーでセンタリング、ブルーノ・メネゲウが競ったこぼれ球に杉本という形。少し不格好ではあったけど、セレッソの意図はキチンと伝わった。


杉本はこの試合マン・オブ・ザ・マッチに選ばれてもおかしくない働きを見せた。杉本だけではなく、ソウザやブルーノ・メネゲウといった日頃酔客にヤジを飛ばされやすい選手が誰も彼もいい働きをしていた。個人的な感覚だけど、これは実に心地いい瞬間だった。


酔客は固定観念でヤジを飛ばす。杉本は走らないものだ、あきらめるものだ。ソウザのフリーキックは上にそれてしまうものだ。ブルーノ・メネゲウはいらぬ仕掛けをしてチャンスを潰すものだ。そういう先入観からヤジを飛ばす。それがくつがえる瞬間は実に心地いい。

後半


後半立ち上がりに追加点。ブルーノ・メネゲウの飛び出しがファウルを誘ってPK、一度蹴り直しになったがしっかり決めきって2-0。その後徳島の反撃に会うもソウザのフリーキックが決まって3-1。徳島にいい形を作られて3-2まで持ってこられるもスコアは動かずという流れ。


スコアがめまぐるしく変わったわけだけれど、これは徳島の運動量とセレッソの運動量の差によって生まれたものだ。

いくら数的同数でも走り負ければ意味が無い。守備でも心身のスタミナが枯渇していれば、枚数がそろっていてもやられるものだ。セレッソの2失点を観たけれど、1失点目ではペナルティエリアで時間とスペースを十分に与えてしまっているし、2失点目は相手がピッチの横幅をうまく使った結果守備の全員がボールウォッチャーになっていた。


立て直す選択肢はふたつあった。ひとつは純粋に疲弊した最終ラインにフレッシュな選手を入れる方法、今ひとつは前の選手を入れ替えて走らせて相手の攻撃が最終ラインまで到達する回数を減らす方法。大熊清監督が採った方法は後者。交代は玉田、藤本、澤上で、いずれもボランチより前の選手になった。

後半25分

後半3.4分

とはいえ、最終ラインがクタクタなのは相変わらずなので、後半の20分過ぎにもなるとほとんどの時間帯で徳島がイニシアチブをとっていた。


セレッソの選手は後半バテる、走り負ける。それは特別に、セレッソの選手のスタミナがないという事ではない。スタミナを異様に無駄遣いする今のスタイルがそうさせているだけだ。

相手がボールを持てば遮二無二プレスをかけにいく、別に連動して、全体で動いているわけではないから、ちょっとしたパス交換などされると簡単にかわされてしまう。そうするとまた誰かがボールホルダーにアタックにいく。それが繰り返されると全体の「無駄」は相当になる。


こうしたラッシュを五分、十分と区切って使うチームはある。けれど、セレッソはできる限り、走れる限り続けるので、結果として後半には足が止まってしまうのだ。

この試合では前線がリカルド・サントスとブルーノ・メネゲウで、センターラインを超えて引かれた時はそれ以上追わないようにしているようだった。それでも、全体の無駄はかなりのものだった。こういう時に運動量のある選手、スキルフルな選手を入れられると弱いというのは、もうお約束のようになっている。

まとめ


守備を徹底するなら、プレスを開始する位置だとか、前の選手が動いた時の押し上げだとか、どこでボールを奪うだとか、そういう約束事がしっかりできていないと厳しい。三連勝しても少しも安堵できないのは、少しも内容がともなっていないから。このままいけば今年の終わりまではずっとこんな調子なんだろうな。

ちょうど昨日、試合日のドタバタの中で山口蛍の復帰が決定した。運動量に富み、パスも出せるボランチは「デカく、強く、高い」を是とする今のボランチ陣に変化をもたらすだろう。それがよい流れに繋がることを祈るだけだ。

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