後半18分 舩津 徹也(富山)
後半24分 チアゴ(C大阪)
後半35分 黒木 聖仁(C大阪)
後半44分 朝日 大輔
みんなが帰ってきた。チアゴ、マルチネス、香川。ベストの布陣でさあこれからという夢は、開始1分も経たないうちに脆くも消え去ってしまった。しかしこれだけの逆境の中でこれだけ戦えたということは、セレッソがそれだけのポテンシャルを持っているということ。2002年の6月14日と同じく、長居は私達に勇気をくれた。
この試合でこの図が必要なのかどうなのか判らないが、スタメンとリザーブ。カイオ以外は全てベストの布陣。第1クール後半5連勝をやってのけたあのメンバーだ。
試合開始時
しかしこのメンバーで戦えたのは、たった1分。開始早々に相手FW石田の飛び出しをマークしきれず、キム・ジンヒョンが引き倒してしまい一発レッドでPK。交代した多田も石田のPKを止められずに先制を許す。
前半5分
PK判断は妥当だったと思うし、カードが出るのも当然。ただしカードの色には全く納得がいかない。あれが後半ロスタイム、同点で試合を決めるシーンであったなら、レッドカードもあり得たろう。しかしキム・ジンヒョンのプレーがそれ程悪質だったろうか。セレッソは残り85分間、1点ビハインド、10人という状況で戦わなくてはいけなくなった。
それでもセレッソにはまだ試合を勝ちに持っていけるだけのエッセンスを多分に持っていた。香川、乾のホットラインは100%とはいかないまでも十分に機能したし、4バックにしたことで相手にサイドで基点を作られることも無くなった(後半勝負ということで酒本、石神が下がり目だったのも幸いした)ここで我慢をしていれば、何とかなるかもしれない。そういう空気だった。
だがこの算段も狂う。前半40分過ぎ、今度はマルチネスが2枚目のイエローで退場になったのだ。こちらは一枚目が(恐らく)異議申し立てによるもの。きっちりと選手を指導、ジャッジをしていればカードだけで選手をコントロールするするような事態にはならなかったと確信する。前半終了後、主審前田拓哉には盛大な罵声が飛んだ。
後半40分、小松を下げ藤本
普通ならこの時点で試合はその体を成さないだろう。どう見積もっても後半立ち上がりの2失点目で終わっている。だがセレッソは違った。死に物狂いで富山陣内に攻め込み始めたのだ。香川と乾を軸に相手を切り崩す。セットプレーではどんなにゴールから遠くてもセンターバックの二枚が上がった。前田主審のジャッジの基準が明らかにセレッソに有利になったのも幸いした(富山DF堤が退場になったプレーも、普通ならカードが出るようなものではない、明らかにつじつま合わせ)
チアゴのゴールはセットプレーの流れから強引に決めたもの。レヴィー・クルピは2バックに布陣を変え、更なる攻撃に出る。切り札西澤投入。
この姿勢が黒木の同点弾を生んだ。攻める姿勢が無ければ得点は生まれない。これこそが、私達が愛してやまないセレッソのスタイル。
しかし私達は、このスタイルが諸刃の剣であることも知っている。西澤を入れるために2バックにしたことで、サイドにスペースが生まれてしまった。3失点目は止むを得ない、覚悟の上の失点だった。引き分け狙いも出来たのではと後で考えては見たが、あの布陣はあの時点で最も攻撃的なスタイルで、あのまま引いて守っても2-2を維持できたか疑問が残る。何より、セレッソはそういうことが一番苦手だ。
後半ロスタイムに入るか入らないかの失点。さすがにフィールドプレーヤーは皆うなだれた。しかし多田はゴールの中のボールをつかみ出し、誰よりも凛とした態度でセンターサークルへ向かった。そして皆に残り時間がまだあると、試合はまだ終わっていないと檄を飛ばした。
このシーンがあったから、私はまだ納得して観戦記が書けているのかも知れない。最後まで諦めない姿勢もまた、セレッソらしさだから。確かに結果は変わらなかった。しかし次の試合に向けて、良い意味でターニングポイントになる試合だった。勝ち点を失った悔しさを、鳥栖で、ポジティブに表現しよう。そしてセレッソらしいサッカーを続けよう。結果は必ずついてくるはずだ。
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