Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 43'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 46'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 60'
ACL予選リーグ6試合の中で、この試合が一番読みにくかった。気候、ピッチコンディション、アウェーのハンデがどれだけあるのか、アレマの実力がどれほどか、全くわからなかった。考えられる中でほぼ最良の結果になったことに関してはホッとしている。今はまだ山東-全北の試合が始まっていないので何とも言えないが、どんな結果になっても、次の試合、ホーム山東戦で勝てば、文句なしでグループリーグ突破が決まる。
スターティングラインナップは新潟戦と変わらず。キム・ボギョンはケガのため、上本は累積警告のためにメンバーから外れている。
今でこそ余裕を持って語れるが、前半先取点を奪うまでは完全なアレマペースだった。中央をガチガチに固めて、奪ったボールは少ない手数でサイドに流れた前線に。シンプルでさしたる工夫もない攻撃だが、蒸し暑くピッチコンディションの悪いインドネシアでは無駄な体力を使わないカウンター攻撃はそれなりに機能していた。セレッソが手数足数をかけ、人数も使って中央突破を仕掛けていたので、両サイドバックのウラのスペースはガラガラ。さぞやりやすかったろう。
幸いだったのは、アレマのプレーヤーがそれほどの力量を持っていなかったことと、この時点でACLからの敗退が決定していたことだろう。フイニッシュは雑としか言えない程で、きわどいシュートは殆ど無かった。
アレマ攻略の橋頭堡になったのは、乾、ピンパォンのコンビプレーだったと記憶している。ピンパォンがトップの位置からグッと下がってくると、釣瓶の動きで乾がラインの裏に飛び出す。この守備ラインに対するアタックが効果的で、アレマDFラインがJのチームに比べてオフサイドトラップの技術が格段に劣ることがわかった。3シャドーの誰かがウラを突けば、敵は捉えきれない、逆に怖がって下がればピンパォンがボールを持つ時間と空間が生まれる。乾、倉田、清武のラインで先制点を奪えば、流れは完全にセレッソになった。アレマは前4人を捕まえきれずに混乱し続けていた。
セレッソからすれば、得点を決めてほしい、いい気分でプレーしてほしいプレーヤーがしっかりと結果を残したことが大きい。1点目はくすぶっていた清武のうまい抜け出し、2点目は今まで自分の形を作れなかったピンパォンが独特のリズムで飛び出してのゴール、これでチーム全体に鬱積していた重たい空気が霧散した。
後半になって、相手GKがKurnia Meiga HermansyahからAchmad Risky Kurniawan(長居にいたGKだ!)に代わっても、圧倒的優位は変わらず。開始早々35秒で丸橋の突破から乾の力み無いボレーで出鼻を挫き、ラストは足が止まったところを中央突破で再び乾。日本の放送局は得失点差を気にしていたが、いい形、いいイメージをメンバーが共有できたのはそれなりに収穫だった。
レヴィーも同じ思いだったのだろうか。3枚の選手交代カードはすべて守備陣のために切った。
後半16分には時節山東戦出場停止が決まってしまったマルチネスを下げて上り調子の山口を入れ、続けて17分に疲労が心配される茂庭に代わって若手扇原を投入した。
後半16分
後半17分
戦意が失われたアレマ相手で扇原はタイトなプレーが殆ど無かったが、実戦経験をこの悪環境の中でつめたことは意味がある。山口螢は世代別代表で海外でのプレー経験があるからか、素直にゲームの流れに溶けこみ、散発的に発生したアレマの攻撃の芽を丁寧に摘み取っていた。攻撃陣も積極的に相手ボールホルダーにチョッカイをかけていたのでパス精度は低く、90分を通してピンチらしいピンチは一度きり、それもGKキム・ジンヒョンが難なく正面で防いだ。
後半27分
この試合で惜しかったのはマルチネスが食らったカード1枚程度、今年一番、ほぼパーフェクトな試合だった。
さて、これでACLに関しては最終節まで分からなくなった、ホームゲームであることを考えれば山東よりわずかにアドバンテージがあるとも言える。こちらは少し置いておこう。
問題は直近のリーグ戦、ホーム仙台戦だ。間違いなく、今最も当たりたくないチーム。どこがいい、どこが怖いというものではなく、気持ちの勝負で負けてしまうのがそもそもの問題なのだ。それをどう克服すればいいのか?キンチョウスタジアムの不敗神話をここで途切れさせるわけにはいかないのだ。チームとして機能し始めた1トップ3シャドーがどれだけこの勢いを持続できるかがポイントだろう。
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