4/06/2013

2013 J1 第5節 鹿島 1vs0 C大阪 「未乳化」のセレッソ。 #cerezo

得点者

後半13分 遠藤 康(鹿島)


オイル系のパスタを作るコツに、ソースを「乳化」させるというものがある。パスタの茹で汁とオリーブオイルを素早く撹拌させて一体にすると味がガラリと変わるというものだ。逆に言うと、コレができない、未乳化のパスタはマズい。

今年のセレッソは、これまで「ユース組」という茹で汁と「外人組」というオリーブオイルが混ざっていない状態で来ていた。それでも、今までは素材の持ち味で何とか結果を出していた。それがここに来て化けの皮が剥がれたという、それだけの話だ。

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スタメンには出場停止の山下と入れ替わりにキャプテンの藤本が復帰。南野はまだ万全とは言えない状態で、ブランコが左サイドに入っている。


前半はセレッソの側から見ると、守備の堅実さと柿谷のひらめきだけが見せ場で、書くことが少ない。

ただ言えることは、エジノ、ブランコに入るとブラジル人3人でしか形を作らず、柿谷、山口螢、扇原のところにボールが渡るとユース組でしかボールを繋がないという「分離」がはっきりしていて、守備をする鹿島からすれば与し易かっただろうなということ。

柿谷と山口螢が点を決めているから、ユース組でボールを回しているとよく動いているように見えるのだけれど、南野が調子を落として一枚欠けるとそちら側もガタガタになった。やはりそれぞれがシンプリシオというピッチ上の通訳を介してしか会話をしないというのは問題がある。

確かにブラジル勢の個としての力に疑問は出るけれど、ならばなお、彼らが生きるチーム(もしくは彼ら抜きでもいいチーム)を作らないといけない。外国人枠の2つが生きていないというのはキツい。

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そんな中で守備組織はよくできていた。鹿島が「とりあえずダヴィ」というやり方でしか攻めて来なかったから、藤本、茂庭という対人に強いDFが生きたというのもあるけれど、相手にも見せ場はほとんど作らせなかった。事実、鹿島トニーニョ・セレーゾ監督は嫌な流れを感じてゴールの前の時間帯、怪我明けの大迫とジュニーニョという攻撃的な2枚を同時投入しようとしていた。

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失点は、それは、どんなものであれほめられたものは無いけれど、かと言ってわかりやすい判断ミスだったからとバッシングされる程のものでもないと、個人的には捉えている。むしろ、決定機らしい決定機が前半の柿谷が見せた2度のアクロバティックなミドルと、後半ブランコが詰めていった1度と、それくらいしか無かったことの方が危険だ。5試合で5ゴールというのは7位以上のチームの中で最小の数字で、柿谷、杉本健勇、南野、山口螢、と攻撃的なタレントが揃っているチームとしては異常だと思う。

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失点後、慌てて南野、杉本健勇を投入したが、前半のラストプレーで傷んだシンプリシオを下げ、柿谷を右サイド、山口螢をボランチにしたことで、得点の匂いが全くしなくなってしまった。

後半18分 シンプリシオ、ブランコ→南野、杉本

その後は(またパスタの話になるけれど)茹で過ぎたパスタ、という表現がぴったりくる流れで、ボールの流れがプツプツと途切れた。いい時のセレッソは流れるようにボールが繋がるけれど、躍動感に乏しく、シュートの精度も低い攻撃ばかりだった。書くことは少ない。

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リーグ戦は次の試合、誰をどう使い、どのように戦うのか、とても意味があるものになった。

エジノ、ブランコを使い続けてガマンするのか、とりあえず結果が出ているユース、国内組で固めてしまって結果を求めるのか。

どちらでもいい、ハッキリと色を付けて「今年はこれで行くのだ」というメッセージを出してくれるなら。一番まずいのは、どっちつかずのままズルズルと試合を無駄にしてしまうこと。

本来はチームにいる全員で戦うのがずっといい。皆がそれぞれの役割を果たして結果を出すことが理想だ。しかし、今現実として、悪い流れに入りかけているチームに対して、何かしらのアクションを起こさなければセレッソはいつものセレッソ、それよりも酷いセレッソになってしまうかもしれない。

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10日のナビスコFC東京戦、13日のリーグ大宮戦の2試合で、レヴィーがどういう回答を出すのか注視したい。

4 件のコメント :

  1. スカパー!を受信できない環境なのでリアルタイムで見てはいませんが、この文面を見た上での感想は「なるほどな」でした

    アカデミー出身選手と(語弊があるのを承知で書きますが)外様の未乳化具合は、下部組織出身者が増えてくるに従ってセレッソの負けパターンに露骨に見えてくるようになりましたね
    このへん、バルサやミランに学ぶところもあるかな~とか思うこともありますが、スタイルに固執するのか、妥協しつつ星を狙うのか、そろそろクラブとしてもどう進んでいくのか腹をくくる時期かもしれませんね
    3度目の降格はごめんです

    ただ、リーグでは初黒星ですし、きっちり修正してアグレッシブなセレッソらしさを忘れてほしくないなというのは多くのサポーターの願いだと思うんです

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    1. 下部組織でずっと一貫したスタイルの選手を育成すると、「外様」がフィットしにくい、というのは考えられたことですが、予想以上ですね。

      茂庭や播戸、シンプリシオ、新井場のようなベテランは自分のスタイルがありますが、それが無い選手や合わない選手は補強しても…。ということになりかねません。

      どうしたものなんでしょうか?

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  2. 今日のキユーピー三分クッキングでやってましたね乳化(笑)
    セレッソも乳化した状態で美味しく頂けるようになればいいんですけどね。

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    1. そこはシェフであるレヴィーの仕事なのですが、今のところ上手くいっていませんね。

      次の2試合は正念場だと思います。

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