8/01/2013

2013 J1 第18節 新潟 0vs1 C大阪 意気込みの差。 #cerezo

得点者

後半27分 大井 健太郎(新潟)


どうしても勝ちたいと願ったチームと、いろいろな要素があって準備ができなかったチームの差で、 スコア以上にいろいろな部分で問題が出た試合だった。


スタメンとベンチ。ベンチメンバーはリーグ戦直近の鳥栖戦から変更なし、スタメンでは怪我の茂庭照幸、出場停止の藤本康太に代わり、最近安定している横山知伸を一列下げてセンターバックに、山下達也とのコンビ。中盤では代表から帰ってきた扇原貴宏と山口螢がダブルボランチ、柿谷曜一朗が1トップ、トップ下にはシンプリシオ。またレヴィー・クルピは前節での退席処分のため、指揮をとるのはマテルヘッドコーチになっている。


序盤はピリピリとした感じで、お互い手の内を探りあっていて、なかなかいい形を作れなかった。特にセレッソは、代表帰りの扇原と柿谷が調子を落としていたのが痛かった。


とりわけ扇原は、これに加えて新潟のきついプレスに苦しんでいた。

セレッソは攻撃の際、南野が柿谷の方に絞り、開いたスペースに丸橋が上がる。そしてその後ろに回り込んだ扇原から攻撃のスイッチを入れるパスを出すのがひとつのパターンだ。


今の形になってから最初の方は、このあたりまでプレスにくるチームは殆ど無かった。しかし、ここからのタテ一本が強力な武器だと認識されると、少し無理をしても扇原を止めようとするチームが増えだした。

新潟は開幕戦、この形で扇原から柿谷への一本のパスを食らい、試合を落としている。威力を身を持って知っているのだから、それは激しいマークだった。

ここを止められると後はボールの出どころはシンプリシオと山口螢に限られる。このタテの関係、シンプリシオが前の時は攻めのスピードがどうしても遅くなってしまって、しっかり固められるとノッキングを繰り返してしまう。逆であれば、山口螢のスピードが生きるのだけれど、エジノとの距離感を変えたくないからか、この並びが続いている。


そうして出し手を抑えられると、受け手の柿谷、南野、エジノにできることは限定され、相手は守備の選択肢を絞り込むことができる。それで、試合が膠着してしまった。


後半、流れを変えたいマテルコーチはハーフタイムで2枚替えという思い切った選手起用をした。マンチェスター・ユナイテッド戦でゴールを決めた南野とプレスに苦しんだ扇原が下がり、同じくマンチェスター・ユナイテッド戦でゴールを決めた杉本健勇と、楠神順平がピッチに入る。





試合に入る前の時点で新潟にアドバンテージをつけられていたセレッソが、唯一勝つチャンスがあったとすれば、後半立ち上がりの、この時間帯だったと思う。新潟は楠神のドリブルや杉本のキープ力への対応が遅れ、明らかにチームの守備力が落ちていた。

そして、最大のチャンスだった柿谷のドリブルからフリーのエジノのシュート。バーを叩いてしまったアレが決まっていれば…。


エジノは右サイドという定位置を得たが、左サイドに比べて酒本との連携が弱く、また左足で切れこむ、または左サイドにボールを流していくプレーしか選択しがないことで、攻撃のテンポに悪影響を出す時がある。しっかりブロックを作られるチームには特に顕著だ。これをどうにかしなければ、セレッソの攻撃の厚みは増さない。


失点に関しては、もう相手を褒めるほかないし、アンラッキーだった部分もある。ただ、相手より先に一歩目が出なかったのは、やはりモチベーションやコンディションの影響が大きいだろう。

また、失点後にマテルヘッドコーチが3枚目のカードを切らなかったのも疑問が残る。確かに酒本憲幸や丸橋祐介はパンク寸前だったけれど、明らかに攻めがチグハグだったのだから、カンフル剤となるプレーヤー(小暮大器か枝村匠馬のどちらか)が必要だった。それをしないまま試合か終わったのは少し不満だ。


ビックゲームが続いた後のエアポケットの試合、集中するのは難しかったかもしれない。それでも、そこを勝ち切るのがタイトルをとるチームなのだと思う。精神的な立て直し、どうすればいいか。

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