1/16/2015

負けるな、愛媛のサポーターたちよ。 #cerezo #ehimefc #photo

どうか、古くからのセレッソサポーターの方は、時計の針を2008年12月8日に戻してほしい。それから、それ以降にファンになった人は、こんな話もあったのだと、じい様の昔話を聞いてほしい。それは2008年J2リーグ最終節、セレッソ大阪対愛媛FCの試合での出来事だ。

この時セレッソは他力ながら昇格の目を残していた。しかしそれ以上に大切な「勝たなければならない理由」があった。チーム創設から身を粉にして働きながら、謎の首痛に倒れたミスターセレッソ、森島寛晃の現役最後の試合だったのだ。


先制を許し、苦戦したセレッソ。だが、意地で巻き返し、逆転。それでもリードはわずか1点で、とてもベンチで待つモリシを穏やかに送り出す空気ではなかった。ロスタイムの4分もとうに過ぎ、試合も終わるかというその時に、「彼」はようやくピッチに立つことができた(その時ベンチに引っ込んだのは、若き香川真司だ)

すべてがよくできたお話のようだった。実際、いろんな人の隠れた温情が無ければ、こんな風にはなれなかった。例えば主審の鍋島さんが厳格に時間をカウントしていたら、モリシが登場する1分前に試合は終わっていたはずだ。それをずっと待ってくれていた。


よくできたお話、は試合後も続いた。モリシとサポーターとのお別れの時、J2には不釣り合いなほどの、1万6184人の大観衆から万雷のモリシコールが巻き起こったのだ。そう、ホームゴール裏からも、そしてアウェイ、愛媛ゴール裏からも。

愛媛FCのサポーター達は、こんなセレッソのエゴが詰まった試合の後でもなお「森島選手の最後の舞台を共に送り出したい」と帰りの遠征バスを引き止め、モリシコールをしてくれたのだ。これ以上ない敬意を示してくれた愛媛FCのサポーター達に試合後礼を言いに行くと、彼らは笑って「それが当然のことだから」と言ってくれた。

モリシのユニを掲げてくれた。

サッカーは相手がいないとできない。相手をリスペクトする、というと笑う人もいるが、多分、何かを履き違えているのだろう。敵であれ、ある意味仲間なのだということを分からないのだろう。少なくとも愛媛FCのサポーターは、あの場にいたサポーターは理解していた。そんな彼らのチームが危機だと言って、平静ではいられない。

粉飾決算、褒めらた話ではない、処罰は厳粛に受け止めなくてはいけない、それはわかる。しかし、どうかチームが存続する道だけは残してほしいと願っている。

あの時、何も惑わず、力の限り「モリシ、モリシ、モリシマ!!」と叫んでくれた愛媛FCサポーターが、これからも変わらず、愛するチームのためにスタジアムに通えるように。今度は俺達が「頑張れ愛媛FC」と声を上げるべきではないか。7年前の恩義を返す時は、今しかないだろう。

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