ディエゴ・フォルランが今夏までだとか、柿谷曜一朗を買い戻すとか、この2年間は何だったんだろうと首をひねる。
それは、セレッソを愛しているプレイヤーで、海外で(苦しいながらも)経験を積んできた若いストライカーなんて、喉から手が出るほどほしいに決まってる。個人的には帰ってきたら嬉しい。
でも、彼を売ったのはセレッソのフロント。フォルランとの兼ね合いでどうこうとか小難しいことを言っても、モトサヤに収まりたいだらしない彼氏みたいで、なんか苦手だ。
本当は、柿谷にはヨーロッパで活躍して、30ぐらいでキャリアのトップに達して、セレッソには「終の棲家」みたいな感覚で戻ってきてほしかった。そうして、セレッソにもそんな柿谷を受け入れる態勢が整えられる大人のクラブに成長していてほしかった。今のままじゃなんの進歩もなくて、ただお金と人がガチャガチャと動いただけになってしまう。
親会社の1つであるヤンマーは、近江商人を祖に持つ山岡氏が創業した。その近江商人の言葉に「三方良し」というものがある。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」、その商いで誰も損をすることがないというのがその意味だ。
この「フォルランを買い、柿谷を売り」した商いは成功だったか。まずフォルランを買ったセレッソは成績を落として二部に落ち、売り上げも過去最高だったにも関わらず利益は出なかった。フォルラン側もポポヴィッチ、ペッツァイオリ監督の下では実力を出し切れず、大熊政権では出場機会すら逃した。「世間よし」となったのはフォルラン見たさにスタジアムにこぞった他チームのサポーター、クラブばかりだった。
柿谷の場合もそうだ。売り手のセレッソは二部に落ち、買い手のバーゼルは柿谷の良さを引き出せなかった(実力が足りないとは書きたくない)そうして、熱烈なファン、サポーターにとってもガマンの日々が続いた。
セレッソの誰が笑ったろう?誰が得をしたろう?そのモヤモヤだけが、心の底にワインの澱のように沈んでいる。
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