俺は余程のことがないと人を嫌いになんかならない、ふられた女のことを今でもぼーっと思い出すようなあほうだ。
けれど、ディエゴ・フォルランは、あなたは嫌いなんだ。
俺の愛するチームに9億円で雇われ、にも関わらずそれに見合う活躍をしなかった。ただそれだけかもしれない、でも、とても大きなことなんだ。
関西国際空港にあなたが降り立った時、俺はセレッソの繁栄を信じていた。ダービー、神戸と2ゴールずつあげた時、このゴール量産がシーズンの終わりまで続くと願っていた。
しかし、そんな瞬間はついぞおとずれなかった。あなたとセレッソは願った方とは逆の向きに、真っ逆さまに落ちていった。
17つのゴール、単年度赤字9500万円、J2降格、昇格プレーオフ圏外、これがあなたがチームにもたらした全てだ。
でもね、どうしてだろうね、あなたがチームを去ることを寂しく感じる。もう二度と口悪く「走れ、ディエゴ!」と叫べないと思うと、なんだか辛いんだよ。
日本のことわざに「同じ釜の飯を食う」というものがある。ともに戦った戦友としての絆が、あなたを責める気持ちを曇らせるんだよ。
どうか、あなたのプレーヤーとしてのキャリアが、より豊かですばらしいものになるように。遠い地球の裏側の、サッカー後進国の片隅で願っているよ。次に所属するチームでは「走れ、ディエゴ!」なんて怒鳴られないように気をつけてくれよな。
徳島戦が最後の舞台か。もしもう一度背番号10をつけてあらわれてくれたなら、その時だけはがんばれって言ってやるよ。だから、出てこいよ、世界一のストライカー。
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