12/07/2016

玉田圭司、中澤聡太、北野貴之の契約満了に思うこと。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪


この季節は嫌だなって、焼き鳥屋さんでつぶやいていた。

そうだな、楽しいことはないよな。毎年イヤなんだよこの時期。そうやって同意した。


J1 昇格が決まった時、うっかり油断してしまった。これで「J2でプレーを続けるのは耐えられない」と言って、主力選手に出ていかれるのがいくらか防げるって感じてたから。

どっちかって言うと逆だった。昇格決定後、ベテラン勢には容赦のない大ナタが振るわれた。


ユン・ジョンファン新監督の就任が決まってから先、去年今年と何度も危機を救ってくれた経験豊富な選手たちの退団が相次いだ。玉田圭司、北野貴之、中澤聡太、どの人が欠けても昇格はあり得なかったのに……。

ただ、だからって「クラブが悪い」とか、誰かを敵に仕立てるのは、違う。敵を作って叩いてそれで気がすむ人は、単に誰かを叩きたいだけの人だ。これが終わればまた次の敵を見つけて叩いて、その繰り返しの人だ。叩いた手も、叩かれた相手も血がべっとりとつく。それは、やだね。

上手くは言えないけれど、こうなってしまった以上、契約満了となった選手も、クラブも、どちらも幸せになってもらって「あの時こうしていて正解だった」と振り返られるようになる事が一番なんだと思う。みんなが不幸になる未来より、誰かが犠牲になってしまう未来より、みんなが幸せになる未来の方が楽しい、きっと。


釘を刺すとするなら、ベテランにはベテランの、目に見えない価値を評価してやって欲しいという、それだけだ。

若い人には未来がある、将来性があるから雇用ができる。他方、おじさん世代は伸び代もなく、少しずつ体力的な面で衰えていく。だから同じお金を払うのであれば若手、その考え方は一見理屈が通っている。

けれど、将来性がある若手がよりよく伸びる要素として、身近にベテランがいることは大切だ。苦しい時、辛い時、どのように過ごすべきか、どのように乗り越えるべきかを知っている人の言葉は重みがある。



今期のセレッソで言えば、柿谷曜一朗と中澤、それに酒本憲幸の関係はまさにそれだ。柿谷が足の怪我で長期離脱を余儀なくされた時、リハビリするかたわらには、同じくリハビリに励む中澤がいた。焦る気持ちを抱えている時は酒本がリラックスさせた。もし柿谷が孤独にしていたら、プレーオフに間に合っていたか疑問が残る。とすれば、これは中澤や酒本の「影のファインプレー」と言える。

北野さん(あえて北野「さん」とつける、人としての評価だから)は、チームが危機のたびに、クラブハウスを掃除したり、決起集会を発案してみなが一つになれるよう尽力してくれた。そういう働きがなくても、セレッソの昇格はなかったかもしれない。

選手はマシンではない、血の通った人間だ。悩みもするし苦しみもする、相談に乗って欲しいと感じることもあるだろう。そんな時に親身になれる存在は大切なんだ。ベテランの給料には、そういう値打ちも含まれていいだろう。


セレッソは、そういう見えない値打ちを評価するのが苦手なクラブだ。久藤清一、レヴィー・クルピ、ベテランや精神的な支柱に払うお金をケチって痛い目を見て来たのにね。三度の降格を経験してなお活かされないのであれば、幸せになれるのか分かったものではないよ。

どうか、ココロの値打ちにも気づいておくれ。また痛い目を見ないうちに。


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