今年から、セレッソ大阪はU-23の選手たちで組織された「SAKURA NEXT」を立ち上げ、J3リーグを戦った。
J3リーグは決して緩いリーグではない。一年でJ2復帰を狙う大分、栃木をはじめ、たくさんの力あるクラブが参加している。去年J3から昇格した町田や山口に対してはトップチームでさえ大苦戦をしている(特にホームでは辛酸を舐めさせられた)
結果より内容、とはいうが…
今年のリーグ戦、結果から言えば8勝14敗8分、得点38失点47で全16チーム中12位。同じくU-23を参加させているガンバ大阪(9位)やFC東京(10位)の後塵を拝すことになった。
U-23は出場機会に恵まれない若手選手に、数少ない実戦の機会を与えることを主目的としている。だから、勝敗よりも内容だと言い切ることもできる。
けれど、その内容に関しても疑問符がつく。U-23を経験して、トップに参加した選手は限られている。記憶している限りで、澤上竜二、丸岡満、秋山大地、木本恭生、沖野将基(出場は2015年)、小暮大器(出場は2013年、2015年)庄司朋乃也(ベンチ入りのみ)あたり(いつものようにいい加減なので間違いがあればご指摘お願いしたい)その中でチャンスをモノにできたのは澤上と秋山だけだはないだろうか。
3選手の移籍
そして、トップでは出場機会に恵まれなかった小谷祐喜がシーズン途中で熊本にレンタル移籍(後に完全移籍)シーズン後には米澤玲衣が山口にレンタル移籍、小暮大器が愛媛に完全移籍した。
小谷は昨年も相模原にレンタル移籍しており、セレッソではなかなか居場所を得られなかった。U-23ではキャプテンとして精神的な支柱となっていたが、トップでは「またしても」お呼びがかからなかった。
米澤はU-23ではトップスコアラーだったし、小暮に関してもU-23ではほぼスタメンの地位を確立していたが、同じくトップでは出番なし。小暮に関してはルーキーイヤー(2013年)にはJ1でも出場しているし、2014年にはレンタル移籍先の徳島で13試合に出場している。にもかかわらずその後の伸びが見られなかった。
チームに問題はなかったか?
もちろん、選手の成長は自分自身の鍛錬や意識のありようが大前提になる。けれど、何試合か観たU-23の試合では、選手を「育てている」という感覚は得られなかった。全体として場当たり的なところが多く、個の力でなんとかしてくれ、という戦い方が散見された。だから、チームの核はオーバーエイジ枠の清原翔平や外国籍のベサルドになってしまう事が多かった。スピードという一芸を持った沖野に頼るシーンもあった。
これは、ラインの裏に飛び出すことを持ち味にしている米澤にとっては致命的であったし、中盤との連携がなければ孤立する小暮らサイドバックにとってもいい状態だとは言えない。
できることならばではあるけれども、U-23についても、確かな戦術眼を持ち、加えて育成についての知識も持っている指導者を用意してほしい。アカデミーでは確かな実績があるのだから、そこから先で頭打ちになるのはもったいない。
柿谷曜一朗、山口蛍、杉本健勇、それに他チームへと移籍してしまったけれど、扇原貴宏に南野拓実と、セレッソの育成組織からはトップに定着する、実力ある選手が次々と生まれている。この流れを絶やさないためにも、U-23には改革を求めていきたい。
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