12/03/2006

C大阪1VS3川崎 怒りの苦闘。

 またしても、得失点差に泣いた。最後の最後まで頑張っているのは伝わったけれど、個々人の頑張りだけではどうしようもないほど、チームはチームとしての能力を欠いたままだった。1-3というスコア以上に完敗だった。

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 試合前から、妙な空気が漂っていた。緊張感とも焦燥感ともつかない、嫌な感覚。

 マスゲームの事が気になって、ダンマクを貼った後にちらちらとゲートを見ていたのだけれど、ゲートにはボードを配布するスタッフが二人しかおらず(名古屋戦では4、5人がかりでようやくフォローできたところに、たった二人なんだ!)、SBに関しては3割程度の人が、ボードを持たずに、スタンドの席確保に奔走していた。

 これはマズイなと思い、近くにいた社員さんを捕まえて、名古屋戦ではスタンドにいる人に、紙を持ってるか確認したりしていた、このマスゲームではそんな事はしないのかと尋ねてみた。しかしその社員さんは、私の管轄ではないのでと繰り返すばかりで、用があるからとその場を立ち去ってしまった。

 マスゲームの結果は、予想通り。雨風が強すぎたのもマイナス要因ではあるけれど、球団の甘い見込みが、あの結果を呼んだ一番の原因だと思う。


 試合に関しては、正直あまりはっきりと見ていない。ただいつも通り、バックパスの目立つゲームだった。攻撃の形がしっかりと見えないから、フィニッシュまで持っていけないし、数少ないチャンスも決めきれない。西澤が怪我で前半で退いたしまったのも痛かった。とにかく今の力の差がモロに出た試合だった。

 それでもサポーターは最後の最後まで応援を止めなかったし、諦めてもいなかった。90分間、ユニフォームを着て頑張り続けたのは、ゴール裏を中心としたサポーター達だったかも知れない。


 むしろ記憶に残ったのは、試合後のセレモニー。選手は最後の気力を振り絞って、罵声を浴びるのを覚悟の上で、スタンドまで来てくれた。勿論ブーイングは有ったけれど、それを受け止めてくれた。満足に歩けない西澤まで、共に歩いてくれていた。

 今期終了の挨拶には、塚田監督とキャプテンの古橋が立った。塚田監督には容赦ないブーイングが、涙にじむ古橋には歓声が注がれた。両者とも針の筵に立った気分だったろう。しかし出原社長、西村GMが現れることは無かった。現場をおざなりにしている様子に怒りを感じた。


 ダンマクの撤収作業が一息つくと、私はスタンドを回り、サポーター仲間に声をかけてまわった。皆の力無しにはマスゲームも成立しなかったろうし、いろいろあったけれど、応援をリードしていたのは間違いなく、ゴール裏やSBにいたコアサポ達だったから。その人たちに感謝の言葉をかけたかった。

 ゴール裏では放心状態の人、事実を受け止めて厳しい表情の人、泣いている人、彼らを慰める為に無理に笑っている人達が、そこかしこにいた。知り合いを見つけては、挨拶とお礼の繰り返し。

 大東さんはとりわけ辛い様子で、見ているのも苦しかった。下からの突き上げられたり、先輩たちのダメだしが続く中で、一年間(間にボイコットの件もあったけれど)必死にコールリードを続けた人を、攻める言葉なんてない。


 その後、「のりを」に行って反省会でもしよう、という話が出て、少し飲みたい気分にもなっていたので、SBの人たちとそちらにお邪魔する事にした。ただ私だけが自転車で来ていたので、まだ誰かに会えないものかと、予約した時間まで、スタジアムまわりをグルグルとまわる事にした。そうしてメインスタンドの関係者専用入り口で、タバコをふかしてスタッフと談笑する出原社長を見つけた。何かがその時切れた。次の瞬間には「試合終了後のセレモニーの時、どうし出てこなかった?」と社長に詰め寄っていた。

「今までミーティングをしていて、出て来れなかった」

 社長の答えに、説得力などなかった。むしろ火に油。

「貴方が誠意を見せる事で、少なからずの人が、納得しないまでも、救われる気持ちになったはずです。それよりもミーティングが大事なんですか?」

「…」

「今日のマスゲームだってそうじゃないですか、いつも甘い見積もりをして、失敗する。またそれをフィードバック出来ないから、降格があるんじゃないですか」

「一年で復帰できるよう話し合いをしていた」

「無茶をしてくれとは言いませんが、もう少し真摯に、きちんとチーム運営をして下さい」

「すまないがまだ話し合いがあるので」

 かみ合わない、話がまるでかみ合わない。極端に言うなら、私が望んでいるのは昇格だけではない。有体の運営をして、適当にチームの選手を入れ替えるだけのチームから脱却し、皆に誇れる存在になってほしいのだ。仮に一年で戻っても、体質が今のままでは、安定したチーム作りなど出来るわけが無い。それを「昇格出来るように頑張るから」と弁明されても、理解なんて出来ない。


 これからも苦しい日々が続くだろう。何年も、何年も。今はまだ、新しい、誇りとなれるセレッソへ変身する為の第一歩が、ようやっと踏み出されただけにすぎない。

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