9/05/2007

C大阪2VS0水戸 水戸色の空。

友人の車に揺られ、三木へと走る。六甲のトンネルを抜け、曲がりくねった山道を行くと、突然場違いなくらい巨大な公園と、立派なスタジアムが見えてくる。昼下がりの駐車場に降り立つと、空は見事に晴れ渡っていた。

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スタメンは前節とほぼ変わらず。出場停止開けの前田が復帰し、羽田が控えに回った。

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序盤は非常に拮抗していた。水戸が常に前からプレスをかけ続けた為に、セレッソはボールが上手くまわせずに苦心する。ただ水戸も決定的なシーンが作れない。セレッソがカウンターをケアする為かやや下がり目の布陣を敷いていたのも、結果的には良かったのだろうか。

こういう時にセットプレーというカードがあるのは心強い。特に今は古橋、ジェルマーノ、香川と運動量と仕掛けに関しては随一のメンツがいる。チャレンジして失敗したとしても、ファウルならばまたチャンスになるのだから、やはり有り難い。先制点となった古橋のフリーキックにしても、もとになったファウルは香川が貰ったもの。こうしていい循環が出来るからこそ、香川も積極的にいけるのだろう(最近は相手の僅かな隙間を狙ってドリブルを仕掛けているようにさえ感じる)

そう、生観戦では初見のジェルマーノ、かなり運動量が多い。どちらかというと誰かのカバーをするわけではなく、まず自分で何かをしようと考えているタイプのようだ。前線で枚数が足りないなら上がっていくし、守備時に空いたスペースを見つけると、そそくさと穴を埋めようとする。ガタイもいいし、何より前を向いてプレーをする姿勢が嬉しい。

ただ「オレがオレが」という性格はゼ・カルロスともダブってしまうので、その辺りは難しいかも知れない。回りが香川、丹羽の時はフォローもあるが、ゼ・カルロスはそういう器用さの無いタイプ。ジェルマーノがそれを感じて、互いに生きる動きをしてくれるのなら、チームのスケールはもう一段上がるのだけれど。


さて、カウンター主体のチームは点をとられると打って出なくてはいけなくなる、はずなのだが、水戸にそういうセオリーは通用しない。1-0でも、ベースはあくまで堅い守備、堅実なプレー。なのでセレッソとしてもまだまだ苛立ちのつのる時間帯が続く。

少し細かく見ていると、小松のところで潰されているシーンが目立った。クサビになるボールには特に敏感になっているようで、執拗なマークに手を焼いていたし、トラップミスもあったりで、ポスト役になって、落ち着いて時間を作る、というのがなかなか出来ない。


このジリジリとした消耗戦は後半も続いた。自らの長所を知り、それを愚直なまでに続けるというのはなかなか出来ないものだが、水戸守備陣はそれを当たり前のようにやってくる。

選手交代に関してはやや慎重なクルピ監督が、一度に二人選手を入れ替えたのは、硬直した局面を打開する個の力を欲したからだろう。圧倒的な高さの森島康、ドリブルで仕掛けられる酒本、特徴のはっきりした選手を起用してきた。

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しかしながら、二人は期待通りの動きが出来なかった。森島康と言えども、十重二十重と囲まれては自由に出来ないし、酒本が自由に泳げるだけのスペースも無いとあっては止む無しか。セットプレーも手を変え品を変え、あの手この手でゴールに迫るが、後一歩が届かない。

救いだったのは、セレッソもまた相手攻撃陣をある程度封じていたところだろうか。特に吉田、江添、前田の三角形が硬い。

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相手も90分間集中力を切らさなかったが、セレッソもまた注意を怠らなかった。相手のミスに救われた部分もあったが、二試合続けて無失点は純粋に誇るべきだろう。アンカーが藤本から(カード対策として)羽田に代わっても、その堅牢さは変わらなかった。

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この守備があったればこそのラストプレーである。遂に水戸の集中力が切れたのだ。左サイド、ゴール前に出来たスペースを、香川が誰よりも早く見つけ、駆け込んだ。決定機。前節であれほど辛酸を舐めたのだから、二の轍を踏むわけが無い。今度は憎らしいほど冷静に流し込んで、勝利を決定付けた。


次の福岡戦は、森島康がU-22の代表に召集され、前線の層が薄くなる。厳しい試合になるだろうが、昇格するのであれば、勝利が絶対条件、ここが正念場と踏ん張るしかない。

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