10/06/2008

J2 第39節 横浜FC2VS2C大阪 絶望にさようなら。

前半37分 三浦 淳宏(横浜FC)
後半21分 小松 塁(C大阪)
後半29分 小松 塁(C大阪)

後半32分 エリゼウ(横浜FC)


 追いついた。勝ち越した。選手を代える。守備を固めるんだろうと思った。でも違った。結果、追いつかれた。試合を2行にまとめるとこんな感じ。


 スタメンに変化があった。江添の位置に羽田、ボランチは藤本を先発に。

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 意図は明らかだった。ここ2試合守備が不調、2得点するも3失点で星を落としていた。システムの崩壊は左サイドにあったから、ポジションどりの上手い羽田と守備的なボランチとして力のある藤本を入れ、その穴を埋めようとしていたのだ。(その穴自体を退かせるという意識は毛頭なかったようなのだけれど)

 前半はその意図がよく伝わった。ジェルマーノも藤本の位置まで戻ってボールを奪いにかかっていたし、羽田、藤本もその役割をしっかりこなしていた。結果として横浜FCに殆どチャンスらしいチャンスを作らせなかった。

 その代償と言うわけではないだろうが、前半の攻撃はやや淡白。香川、カイオらが単独突破を試み、そこを基点に攻撃を組み立てる形が多かった。右サイドの乾は不調なようで、ドリブルまではいいがそこから先のアイデアが枯渇していた。唯一の決定機となった小松の至近距離からのシュートも香川、カイオ、小松の細かいパスワークから生まれている。


 唯一の誤算はこれだけ安全策をとりながら先制を許したこと。ただし三浦淳宏のミドルは非の打ち所のないもので、本当に不運だったとしか言えない。

 ここでセレッソが浮き足立たなかったのは、この試合数少ない収穫だろう。無理にシフトチェンジしてカウンターを食らう悪癖を見せることなく、前半45分を終えた。


 後半になると中盤の位置が少しずつ前寄りになり、いつものセレッソの形が出てきた。カイオが強引なシュートを撃つ、香川も頻繁にゴール前に顔を出す、得点の匂いがプンプンと漂い始める。守備のリスクは増えたものの、攻撃の厚みはグッと増えた。

 そんな中、同点弾を放ったのは小松。左サイドから力強く放ったシュートはキーパー小山の股間を抜いてゆっくりとゴールネットにたどり着いた。流れが途切れかけたかと思われただけに嬉しいゴールだった。
 

 ここで勢いに乗るセレッソは、足の止まりだした横浜FCのボールを奪い、カウンターを仕掛けるシーンを多数生み出す。主役は香川。今日も香川のドリブルは切れ味良く、カイオ、小松と共にチャンスを作り出していた。逆転弾となった小松の2点目も香川が起点になったカウンターからサイドに流れた小松へとつながった素晴らしいものだった。


 問題はここから。レヴィー・クルピは1-1の時点で平島、古橋を交代要員として準備していたのだが、2-1と勝ち越した時点で古橋の投入を遅らせ、平島のみを投入した。私は前半から飛ばし気味で、後半高い位置をとり続けていたジウトンと交代させるものと思っていたのだが、引っ込んだのは右サイドの柳沢だった。

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 個人的にはサイドバックとしての平島のストロングポイントは守備だと思っている。1点が欲しい時ならば守備に目をつむっても柳沢、ジウトンの両翼で行くのがベストだ。しかし1点を守りたいのなら、ジウトンがピッチにいるのは疑問だ。以前からあれだけ左サイドを崩されていながら、そして羽田、藤本まで投入してその守備の修正に努めておきながら、最後の最後でレヴィー・クルピは自らの律を破った。その僅か3分後に失点があったことに因果を求めようとは思わないが、レヴィー・クルピは果たして本当にセレッソをJ1に引き上げたいのだろうか。それとも19才の若きブラジル人アタッカーを育てる事のほうがずっと大事なんだろうか。


 同点に追いつかれたことで古橋に再び出場のチャンスが回ってきた。位置は香川がいた左サイドハーフ。香川はセンターハーフの位置に、ジェルマーノはその後ろに、まさに総攻撃の様相。惜しむらくは攻め駒が古橋しかいなかったことか。

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 この布陣はかみ合うと迫力のある攻撃を見せるのだが、ボール奪取に貢献していた藤本が退いたことで攻守のバランスが著しく悪くなってしまった。パスも次第に粗野になり、プレーヤーの意識は乖離し始め、そうしてチームとしての体を無くして、また試合終了の笛を苦々しく聴く羽目になった。


 まだ可能性は残っているのだから、自暴自棄になるのはまだ早い。ただしそのチャンスを掴むにはレヴィー・クルピに「泣いて馬謖を」斬ってもらう必要がある。このブラジルの翁は諸葛亮になれるだろうか?

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