ああ、何を口にしてもうまい、うまい。勝った試合の後のささやかな宴会さえ楽しいというのに、土曜の夜と来たら、日曜の昼と来たら。
試合後は、体は芯から冷えていたし、日頃使わない筋肉ばかり酷使したものだから、ボロ布のようになっていた。それなのに妙に気持ちが高揚してしまって、不思議と少しも疲れていない。温泉にでもじっくり浸かったように、心が温かで、防寒具を着こまなくても、寒いと感じなかった。コレオグラフィの後片付けを早々に済ませて、サポ仲間と予約していたバルバッコア・グリルでの宴席に向かう。
長居を過ぎて心斎橋に付く間に、一人、また一人とピンクのグッズやユニフォームが減っていったのは何とも寂しいものだったが、今年のような活躍を地道に続けていれば、きっと何かが変わるはずだと信じて、ラ・ポルト心斎橋のエレベーターに乗る。8階につけば別世界だ。赤味の美味い牛肉と、シャシャキとした有機野菜と、スタッフの温かい笑顔、そして仲間が待っていた。皆、ユニフォームやタオルをつけたまま。思うところは同じらしい。
とりあえず、ビール。なぜとりあえずだかわからないが、ビール。ずっと疑問だった。それほどうまいものだったろうか?小さな頃は一杯あおって「かーっ!」と唸る大人が何を感じていたのかわからなかった。
それが、その日、わかった!
「かーっ!!」
ああ、うまい。苦味の後に麦のほのかな甘味がジワリと滲み出して、舌を舐める、ノドを突く。はあなるほど、大仕事をした後のビール、何かを成し遂げた後のビール、これがうまいのだ。驚くほど、その一杯は特別だった。
その後は、バルバッコアご自慢のシュラスコを堪能した。チキン、ガーリックステーキ、クッピン、そしてピッカーニャ。どれも噛むとじわりと肉汁が滴る。食べるか喋るか、口は動きっぱなしで、アゴが疲れた。それでも食べ足りず、話し足りず。なんて特別な時間。この時間を用意していただいた仲間と、バルバッコアに感謝。
店を出る時、店長とは「来年もよろしくお願いします」と話をした。ACLでセレッソも忙しくなるが、それに合わせるお店も大変だと言ってくれた。アジアに出ても、このお店は一蓮托生、共に歩んでくれると約束してくれたのだ。これも素晴らしいプレゼントだった。
家に帰って丁度11時半、仲間の様子を調べていたら、まだ飲んでいたので笑ってしまった。ゴール裏の若い子達も長居で派手にやっているらしい。写真を整理して、ブログに上げてもまだやっている。夜中の2時半にもなっている。長居で夜中の2時半とは凄まじい。この若い力こそゴール裏の宝。結局夜更けというか、朝方までやっていたらしい。
さて、日付変わって日曜日も、仲間と呑む。今度は心斎橋のHUBに赴いた。13時からのイベント、2000円で飲み放題だからと誘われたのだけれど、まあ皆見事に酔い潰れたかサポーターが数えるほどしかいなくて冷や汗をかいた。それでも店長には気さくに接していただいて恐縮。
なるほど酒とフットボールというのはいい取り合わせだ。下戸には迷惑だが、しこたま暴れて、喜んで、悲しんで、そうした夜にはこういうパブがピッタリ来るのだ。どの酒もうまい。ありがたい。
しかしあまり酒だ肉だと騒いでも家族にはちっともありがたくない。それはあまりだと思って近くのはらドーナッツで土産を買う。おからを使った健康的な甘味だ。暫く肝臓にはお休みしていただこう。
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