8/07/2011

2011 J1 第20節 川崎1VS2C大阪 耐えて耐えて耐えて…。

前半11分 清武 弘嗣(C大阪)
前半36分 倉田 秋(C大阪)

後半19分 登里 享平(川崎)



厳しい試合をよく耐えてくれた。鹿島戦がキム・ジンヒョンで負けた試合であるなら、この試合は間違いなくキム・ジンヒョンで勝った試合。清武のキレ、クルピの判断もあったけれど、キム・ジンヒョンが苦い経験を忘れず糧にしてこの試合に生かしてくれたことが、とても嬉しい。
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写真は神戸戦でのジンヒョン



スタメンはこちら。当然だけれど、乾もピンパォンもいない。代わって入ったのは小松と、日本代表に選ばれた清武。永井は外れ、播戸と杉本が入っている。

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試合開始時


試合開始から10分は川崎の時間帯、ジュニーニョは衰えたとは言えやはり怖い。一度は2対1という決定的なシチュエーションを作られるものの、相手ラストパスの精度とキム・ジンヒョンの勇気ある飛び出しで防ぐ。後から思うと大きなプレーだった。


これはしばらく我慢しなくてはと覚悟していた前半11分に、コーナーキックから先制。清武がニアに走りこんで角度を変えると相手に当たってそのままゴール。

清武は代表に選ばれて自信をつけたのか、この試合は素晴らしい働きだった。押し込まれる時間帯が多い中、高速カウンターの起点として獅子奮迅の活躍をした。好調な時のマルチネスは本当にボールを奪われることがないが、今日の清武もミス一つなく、川崎にとっては厄介な存在だったに違いない。

2点目の倉田のゴールも押し込まれながらボールを奪い、清武がそのまま持ち上がり、相手を引きつけてから丁寧にラストパスを通した結果。

もう一つこのゴールを呼び込んだのが、レヴィー・クルピの判断。中盤と最終ラインの間に相手選手が入り込んでくるのを確認すると、前半20分あたりでキム・ボギョンを呼び、ポジションを修正させた。中後がアンカーとしてラインの前に立ち、その前にマルチネス、キム・ボギョンを並べる。清武と倉田がサイドでポイントを作る4-1-2-3のような形。

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前半20分~


これが前半よく効いた。硬くなった中盤と川崎の攻撃陣がバッティングしてボールが止まる。それを清武、倉田に流せば、それだけで素早いカウンターが出来上がる。川崎は危険を感じてプレーエリアを固定できないまま、連敗中の悪い流れを引きずっているようにも見えた。前半の0-2は理想的な流れだった。


川崎相馬監督はこのまま引き下がるような人物ではない。後半流れを変えようと激を飛ばし、選手を慎重に交代を重ね、流れを川崎に引き寄せていった。

特に効いたのは最初の交代、後半17分に山瀬を下げて大島を入れたところ。川崎のプレーに幅が生まれ、運動量も上がった。下がり過ぎたセレッソのDFの隙間を縫ったシュート、キム・ジンヒョンが一度ははじくが、登里が詰めて1-2。流れが川崎に傾く。

セレッソは前半同様4-1-2-3で守りを固めるものの、受け身になって流れが悪い。時折カウンターでいい形を見せるが、1トップの小松、後ろにいる倉田、清武への負担が大きく、次第に切れ味が落ちてきた。

交代させるなら運動量が多い前線の選手だったのは間違いないが、代えるタイミングを間違えると試合を壊してしまう。とても難しい状態だった。

その間にも川崎の鋭いシュートが雨のようにゴールを襲う。キム・ジンヒョンが鬼神のような形相でそれを弾き、掻き出し、捉えていったが、いつ同点に追いつかれてもおかしくない。ただ耐えるだけの時間が、長く長く続く。最終スタッツ、シュート数はセレッソ9本に対して川崎は倍の18本になった。

最初の交代は試合もクライマックスの後半40分。ボロボロになった小松に代わってフレッシュな杉本。長いストライドでボールを追い、必死で相手DFに食らいつく。

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後半40分


それでも大勢は変わらず、川崎は押せ押せ。ジュニーニョのドリブルからの火の出るようなシュートも、またしてもキム・ジンヒョン。腕一本で防いでリードを譲らない。

ロスタイムに入った頃には酒本もガス欠、ジュニーニョキラーとして藤本が投入される。

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後半45+3分


最後には川崎も焦りが見えてミスを連発、絶好機を自ら逃して試合を壊した。耐えて耐えての勝ち点3。


いままでは不様な敗戦と圧倒的な勝利を繰り返し安定しない状態が続いていたが、こういう苦しい試合をモノにしなければ順位は上げられない。たとえ試合をコントロールできなくても、耐えて勝つ、こういう試合が増えてくれば、チームにとってもよい効果が出るはずだけれど。

兎にも角にも、攻めでは清武、そして守備ではキム・ジンヒョンが素晴らしい働きをしてくれた。キム・ジンヒョンは辛い1週間だったと思うが、よく持ち直し、頑張ってくれた。選手として一回り大きくなった攻守の要、ダービーに向けて準備は整った。

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