8/01/2016

2016 明治安田生命J2リーグ第26節 京都 3 vs 3 C大阪 ドラマと凡庸。 #cerezo #セレッソ #セレッソ大阪 #sanga


杉本健勇が、酒本憲幸が、今までくすぶっていたセレッソを愛する連中が救ってくれた試合だ。けれど、劇的な幕引きに隠れて入るけれど、3失点して、ここ3試合で失点8という現実、首位札幌と勝ち点差8、札幌が未消化の試合を勝った場合は11という厳しい現実になんらかわりはない。それは、忘れてはいけない。

スターター




丸橋祐介、田中裕介の累積警告と椋原健太のケガにより、劇的な変化があった。システム3-4-2-1、3バックは右から茂庭照幸、山村和也、山下達也、ボランチに山口蛍、ソウザ、右サイド松田陸、左サイド関口訓充、トップ下は清原翔平と杉本、1トップリカルド・サントス。

ベンチには丹野研太、酒本、庄司朋乃也、木本恭生、ベサルト、玉田圭司、澤上竜二。

前半


前半はこの奇策がハマって、左サイドで優位に立てた。関口も杉本も攻撃的な選手ではあるが、関口はサイドを徹底して使う、杉本は1トップのリカルドとも関口とも連携をし、中にカットインするという住み分けができていたので、二人のコンビは即興とは思えないほど効いていた。

リカルド・サントスが二枚背負うのでこちらの最終列も1枚余る。

3バックの意図として、ベストなメンバーを組めない、大量点は望めない中で、まず失点を減らしたいという意図はあっただろう。4バックと違い、スイーパーの位置に山村が一枚余るというのが保険になるから。4バックも試したようだが(エル・ゴラッソに載ったのはその時のシステムだ)あまりに出来がよくなかったようだ。

逆に右サイドは清原、松田とメンツ的には変わらず、そこはあまり活かせなかった。



攻撃に関しては、そもそも4-2-3-1の時でもソウザは上がりたがるし、蛍はバランサーとして残りたがるので、結果的に3バックになっていた、それをハナから指向していただけ。ただ最終ラインに1枚入り、ボランチが受け持つゾーンが薄くなっているのは厄介だと感じた。

1トップのリカルド・サントスは、前半に関してはよく頑張っていた。2列目が1枚少ないことで杉本と清原が意図的に中に入ってサポートしていたのと、試合開始直前まで豪雨だった影響で芝がスリッピーになり、DFが目測を誤るなど幸運もあった。


そこで1点とれていればまた違っていたろう。3バックでもいける、やれるという気風ができていたはずで、1回あった決定機に打ち切れなかったのが悔いだ。

守備に関しては、やはりボランチの辺りがスカスカで、特にセレッソが奪われてすぐの状態では前線と最終ラインの間があまりにオープンすぎた。時間を稼げればボランチが帰陣してとりあえずの形になるけれど、その時間をどこでどう作るかまではシステムを煮詰められなかったのだろう。

後半


試合の転機になったのは、山口と清原の交錯だった。後半15分過ぎ辺りで二人はぶつかり、清原は意識が混濁、プレー続行不可になった。恐らくだけどボクシングで言うところのチン(アゴの先)に山口の側頭部が当たり、「脳が揺れた」状態になったのだと思う。



交代は玉田圭司

そこからセレッソの中盤は明らかに萎縮した。加えて京都はハーフタイムに3バックに対する指示を徹底させていて、奪ってすぐのカウンター、という流れが徹底していた。さらに間の悪いことに、この時間帯にあったセットプレーで杉本がマークを外し、失点してしまう。


次の2失点は「パス一本であっという間に崩された」「簡単にドリブルで崩された」ところが目に入ってしまうけれど、実際は、その一歩手前のパス出しをした選手のマークが外れていたり、ルーズだったりというところに問題がある。ついでに言うと、センターバックだけであの広大なエリアをカバーするのは無理がある(茂庭、山村、それに山下も、スピードのあるタイプではない)。

精神的に脆さが出て、システムの穴も見つけられたセレッソはわずか6分前後の間に3失点するという体たらくを見せる。


けれど、その次の攻めで1点を返し、さらにその次の1点で流れを引き戻したので、流れはどちらか分からなくなった。それは、玉田、杉本、山下の献身があってこそ。


セレッソは、奪われた時中盤があくという弱点をかかえ、京都は3-0から3-2になったことで精神的な優位性が失われた。この不安定な両チームの攻防が続く。


後半の残り15分の時点で、セレッソはべサルド、酒本を右サイドに入れ、トップにパワープレー要員として山村を上げた変則の4-4-2にシステムを変えた。それで杉本、酒本が活きる素地ができた。

特に酒本は太め残り(?)ではあったがよく効いていた。夏場のターンオーバーがどれだけ大事かを大熊清監督に知らしめる生きた見本になれたと思う。茂庭のところが危なっかしかったけれど、攻めるしか無い中でよく走ってくれた。


対する京都もエスクデロ競飛王のスピード、交代出場のダニエル・ロビーニョのリズムでセレッソの守備を後ろに下げ、前後分断を狙う。だが、結果が出たのはセレッソだった。清原の負傷により生まれた7分間のアディショナルタイム、その中で酒本の正確なクロスから杉本の豪快なヘッドという胸のすくゴールが生まれ、同点。試合はそのままタイムアップになった。

まとめ


京都は勝ち点3が1になり、セレッソは0が1になった。微妙なところではあるけれど、0と1では大きな差がある。その1点が無いからシーズンが徒労に終わるチームだってたくさんある。この試合は、アウェイの横浜FC戦と同様に、意味のあるタイスコアだった。

その流れを次節に持ち込めれば幸いなのだけど。田中、丸橋が戻ってきたことで生まれるだろう安定感に期待したい。先ずは、崩壊しつつある守備の立て直しが急務だ。


0 件のコメント :

コメントを投稿