4/27/2008

J2第9節 横浜FC1VS1C大阪 膨らみ始めたボール。

 セレッソが今年初めて引き分けた。引き分けにもいろいろと種類があろうかと思う。

「勝ち点1を確保できた引き分け」

 もあれば

「勝ち点2を逃した引き分け」

 もある。今日の試合に関しては後者が当てはまるのではないだろうか?とはいっても詰めが甘い、という後ろ向きな理由でではない。セレッソのパフォーマンスがそれ程よかったのだ。


 その「予感」は既にスタメン発表の時点からあった。

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 この4-3-3は合点がいく。アレー、ジェルマーノは前で仕事が出来るボランチ、羽田がアンカーでいてくれることでより持ち味が引き出される。香川、白谷のスピードは前で生きる。彼らが前を向いてボールを捌けるよう、小松がトップで体をはる。右サイドにはようやっと柳沢が戻ってきてくれた。


 序盤からセレッソは実に素晴らしく機能していた。アレーが少し持ちすぎるところが気になったが、あくまで気になった程度。丹羽と香川の左サイドもようやっと形になってきた。

 しかし特筆すべきは右サイド、ルーキー白谷と復帰した柳沢が本当によくやった。白谷のタテのスピードは確実に相手守備ブロックを押し下げていたし、柳沢はこれぞサイドバックという働きで弱点だった右サイドを一気にストロングポイントに変身させた。


 その前半に失点してしまったのは、全く不運としか言いようが無い。油断していた、というわけではないだろうがそれまで三浦淳のFKなど飛び道具もしのいでいただけに残念。

 それでもその後下を向かず、攻撃を続けたことは賞賛されるべき姿勢だと思う。10分も経たずに同点に追いつけたのも偶然ではない。サイドを深くえぐって小松のヘッドという流れもコンセプトどおり。


 後半は一進一退の攻防が続いたが、相変わらず白谷、香川、柳沢がよく攻めていた。いつもは左サイドに偏重する攻撃のバランスが整ってきた。シュートまでのバリエーションが些か少ない気がしたが、前回までに比べれば雲泥の差。


 このよい流れが断ち切れたきっかけは、残念なことにセレッソ側の選手交代だった。ターゲットマンとして奮戦していた小松に代えてカレカ、スピードに富んだ白谷を下げて柿谷。

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 前線からバックラインまで一体化していたチームが、この交代で体を崩してしまった。カレカはターゲットになり得ないし、柿谷はテクニック重視でタテに弱い。これで攻撃の術が無くなってしまった。


 そうなると形勢は横浜FCに傾いていく。後半半ばにはコーナーキックからドンピシャヘッドを叩き込まれたが、何故かノーゴール(セレッソサポーターからみても不可思議だったのだから横浜FCのサポーターとしては納得いかなかったジャッジだろう)


 もう一つ、収穫という訳ではないが、柳沢が疲弊し、右サイドが開き始めた終盤、レヴィークルピはセンターバックが本職の山下を右サイドで使用した。

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 起用時間が短かった為どれ程の効果があったのかは判らなかったが、千葉が怪我で離脱、羽田のアンカー起用で手薄になったCB陣にあって期待の選手が登場した。


 この4-3-3の習熟度が上がれば、攻守ともにクオリティが上がるのは間違いない。選手層の薄さは相変わらず気になるところだが、目標がはっきり見えた今は、そこに向かって前進あるのみだ。

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