11/30/2008

J2 第44節 草津0VS4C大阪 俺達は臆病者なんかじゃない。

前半19分 香川 真司(C大阪)
前半31分 乾 貴士(C大阪)
後半5分 カイオ(C大阪)
後半23分 香川 真司(C大阪)



 今日は勝てればよかった。それ以外はいらない、そんな試合だった。その中で中身も伴った快勝、嬉しくないわけがない。


 スタメンは1トップにカイオが復帰、急遽帰国したジウトンに代わっては平島、あとは前節と変わり無し。

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 終わってみれば圧勝劇だったこの試合だが、立ち上がり香川が先制ゴールをあげるまでは、非常に息苦しい状態だった。ピッチの状態が悪く、普段の細かいパスまわしが出来ないでいたし、草津の前からのプレッシングも激しかった。香川、乾、カイオもうまく封じられていた。セレッソの持ち味が消されかけていたこの時間帯、しかしそんな状況を打開したのもまた、この3人だった。

 特にカイオはよく働いた。先制点はカイオが高い位置で相手のボールまわしを崩したところに香川が鋭く反応して生まれたし、2点目となった乾のゴールも同じ形。カイオはただ点を取るだけではなく、こういう細かな、しかし大切な仕事を黙々とこなしてくれる。スコア以上に存在感のあるFWだ。


 これで草津はそれまでの守備の形を放棄し、前に出て攻撃の層を厚くする策に出た。今期ホーム最終戦というのもあったろうし、秋葉、鳥居塚といったチームの功労者達に最後の花道を作りたいという想いもあったと思う。こと気迫という点に関しては、この時間の草津は素晴らしいものがあった。前半ロスタイムにはサイドバックの寺田が今日一番のミドルを放っている。

 レヴィークルピはセーフティーリードと思われるような状態の時、よく檄を飛ばして選手の気持ちを引き締める。ただ今日この一戦に関しては、決して形ばかりではなかったと思う。相手の気迫、慣れないピッチコンディション、引いて守ればこの試合判らなかった。実際一年前、この場所で、カレカの2ゴールの後引いて守った草津が、セレッソの捨て身の攻撃の前に同点に追いつかれている。追う立場の気持ちを知っているから、ことさら言葉が激しくなったというのは、考えすぎだろうか。


 このクルピの心配を杞憂に変えたのは、またしても香川、乾、カイオの3人だった。後半立ち上がりの攻防を何とかしのぐと、鋭いカウンターを見せる。香川のスルーパス、乾のドリブルでの崩し、カイオは優しいクロスにあわせるだけでよかった。3-0。

 これでようやくセレッソは恐怖という頚木から解かれた。矢継ぎ早に4点目、これもカイオが基点。前線でよいボールを供給し、猛烈なスピードで上がってきた香川の素晴らしいシュートを呼び込んだ。香川は森島の8番を背負ってからまた一段とプレーの凄みを増したように感じる。背番号の重みさえ糧に出来るプレーヤーだからこそ、ミスターセレッソは彼を後継者と決めたのだろう。


 後は守備。4-0と4-1では試合の価値が変わってくる。しっかり試合を引き締める為にも、次節への弾みという意味でも、守備陣には無失点が要求された。その中でジェルマーノ、前田、羽田、藤本はしっかりと仕事をしてくれた。羽田、藤本はもともと堅実にアベレージを出し続けるタイプだし、ジェルマーノも少し荒いところ以外は波がない。なのでここでは前田の出来不出来がポイントなのだけれど、湘南戦も今日の草津戦も、ほぼノーミス。全体のバランスもよく見てくれていた。ジウトンに代わって久しぶりのスタメンフル出場となった平島も、守備は満足の出来るものだったし、あまり期待していなかった攻撃面でもよく前線に絡んでいた。

 実はこの平島の出来というのも、今日の収穫の一つだったと思っている。例えば次節、未だ昇格の可能性を残しながら、同点、若しくはビハインドという状況に置かれた場合、攻撃のオプションとして4-4-2か4-2-3-1を採る可能性がある。その際ジウトンが左SBに入るのはかなりのギャンブルになるが、平島ならリスクは少なくて済む。交代も濱田を代えて古橋という一枚だけでいい。今日はカイオと古橋が交代だったので、カイオと古橋の相性が未知数のままなのが唯一の気がかりではあるが、少なくとも古橋と他の攻撃的な選手とのバランスは悪くない。

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 終盤には大型センターハーフ、黒木が初出場。ミドルを放つなどまずまずのパフォーマンスを見せている。

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 仙台が残り2節、共に引き分け、若しくは負けでない限り、セレッソの3位という可能性は無い。もし明日仙台が鳥栖に勝てば、それで終わりだ。それでなくても仙台の最終節の相手は、今日これでもかとやっつけた草津と来ている。こればかりは天に祈る他無いが、今までもさんざっぱらセレッソに辛く当たった勝利の女神、一度くらい微笑んでくれてもいいような気がする。ラストマッチでのミラクルを期待しよう。

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