娘の体調が最近思わしくなかった。すぐに倦怠感が出て「だるい」などと言い出すし、実際微熱も出ていたし、無理に学校に行っても発熱して帰宅することが今月に入って2度ほどあった。
あまりにおかしいと町医者で血液検査をしてみたところ、抗原抗体というところの数値が正常値の8倍になっていた。
抗体というのはウイルスだの細菌だの、「異物」が侵入してきたときに、彼等を追い出すために頑張る部分だ。風邪をひいたから熱がでるのではなくて、風邪のウイルスが入ってきたのを追い出すために抗体が体を発熱させている、というのが正しい表現らしい。だから大人になって抵抗力が弱まると、発熱が中途半端になって風邪が長引いてしまったりする。
ところがこの仕組みが上手くいかないと、抗体が自分の体を異物として認識してしまう誤作動が起きることがあるらしい。つまり風邪でもないのに風邪の症状のようなものが出続けることになる。深く考えなくてもそれが大事であるのはわかる。異常な値は娘の体の異変を伝えていた。
「膠原病の疑いがありますね」
と町医者に言われた時、オレはこの子が生まれた時の騒動を思い出した。切迫早産で予定日より一ヶ月以上も早く生まれ、母子ともに危険な状態だったこと、一番小さなオシメでもブカブカな程小さかった姿、何度も鳴る心拍計のアラーム音、家族みんなが家内と、この子の健康を祈っていた。健康であれば、優しい子であれば、それ以上は何もいらないと。娘の名前も、そんな願いを込めた。それなのにこんなこともあるものか…。
今日がこの子の精密検査の日だった。正直仕事にならなかったが、家内から大きな病気ではなかったとメールが来て力が抜けた。そうして、心配してくれた仲間や、天国にいる祖父、祖母、父、今いる家族に、ただただ感謝した。
娘は今アクセサリー作りに熱心だ。それ程体を動かすものではないけれど、それでも健康でなければ楽しめない。何事にあっても、まず体と心が正しくあることが大事なのだ。今回の出来事は、そんな当たり前のことを再確認させてくれた。週末にはこの子と一緒にいる時間をとりたいと思う。多分、幸せな時間になるだろう。ホットケーキとか、喜んでくれるだろうか。
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