後半17分 アマラウ(C大阪)
後半20分 マルチネス(C大阪)
後半43分 オウンゴール(C大阪)
結果としてはセレッソの快勝、ではあるけれど、この時期の残留争いをしていたチームとの試合は本当に厳しい。失うものがない、気負いがないチームと、何かがかかっている、プレッシャーのあるチームとの戦いは、実力差があるとしても、怖い。
スタメンとベンチは控えゴールキーパーが丹野から松井に代わった以外に変更なし。酒本のバックアップがいないのが不安だが、今のベストメンバー。
前半追い風となったセレッソは、うまくボールポゼッションをしながらも、湘南の徹底した守備を突き崩せなかった。1トップ3シャドーはそれぞれにらしさを見せていたが、フィニッシュの精度、その一歩手前のプレーの質が低く、ゴールを脅かすまでには至らない。アドリアーノのバイシクルはポストに嫌われ、セットプレーから家長のヘディングも枠外。
守備が完璧に相手を押さえ込んでいたので、最初の1点をどうやって奪うのかがポイントだったと思う。リスクをかけて前がかりになるのは避けたかったけれども、手をこまねいて時間を無駄にするのも下策、どうしたものか。
光明はセットプレーだった。酒本、丸橋がいい動きをしていたし、マルチネスも普段どおりのコンディションだったので、コーナーキックやフリーキックから彼等が質の高いボールを供給していれば…。
果たして、最初のゴールは酒本のコーナーキックから。後半8分、今日何度も左サイドを突破し、いいクロスをポンポンと上げていた丸橋の左足が火を吹いた。こぼれてきたボールを捉えた無回転のキックは、不規則にドロップしながら野澤の手を弾きゴール右隅へ。今季2点目のゴールは価値のある先制弾、時間帯も申し分なし。
ここからは、呪縛を振り払ったセレッソと、緊張の糸が切れた湘南の意識の差が露骨に現れてしまった。セレッソとサポーターにとっては心地の良い時間帯だったが、湘南にとっては辛い記憶になったはずだ。
先制からすぐ後のセットプレー、ゴール前のトリックプレーでアマラウのシュートは湘南の壁に当たってコースが変わりキーパー反応できず。その後左サイド深くまで斬り込み、相手のラインを押し下げてのマルチネスのミドルも完璧。前線が止められても後ろのプレーヤーも破壊力がある、彼等に何度助けられただろう。先制から12分後には0-3、試合の流れを完全に決める。
こうなれば、後は最終節に向けての用兵になる。00年ファーストステージでの斎藤大輔、05年のブルーノ・クアドロス、優勝まであと一歩と迫りながら、セレッソは守備の要を出場停止で欠き、ベストメンバーを組めなかった苦い経験がある。今期もこの試合までに守備を引き締めていた茂庭、上本がともにカード3枚をもらい出場停止にリーチがかかっていた。彼等をいつ下げるのか、それとも違う手を打つのか。
レヴィーの選択は後者。マルチネスの怪我を考慮し、ボランチに羽田を投入、守備の引き締めにかかる。
後半39分
ロスタイム間際の交代でも小松、永井を投入して前線のチェイシングに走らせる。結果的にカードが出ること無く、最終節をベストな布陣で臨む事がほぼ確実になったが、冷や汗の出る用兵だった。
後半43分
この間にも乾の速いクロスを湘南阪田がクリアミスして加点、得失点差でACL出場を争うライバルチームに差をつける。
湘南としても今期ラストのホームゲームの意地があった。攻撃の形こそ作れていなかったが、なんとか先制点を奪われまいとした守備は固く、丸橋のゴールが決まるまでは本当に胃が痛い流れだった。そこを突き崩せたのは価値がある。
これでリーグ4位以内が決まり、セレッソの球団史上最高位が確定した。後はどれだけ順位を伸ばせるか。他力本願に変わりはないが、まず自身がベストを尽くし、最終戦を勝利すること。アジアへの扉を開くのはオレタチだ。
そして最後になるけれど、同期の桜、湘南にもエールを。怪我人が続出しながら補強もままならず、一年で降格という辛い結果になったが、チームとしてのまとまりで個の力を上回るスタイルは、セレッソのように資金に限りのあるチームにとっての理想だった。このチームならばきっとまだまだ強くなれる。2年後、J1の舞台で戦いたい。絶対に勝ち抜いて、上がってきてほしい。
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