11/07/2010

J1 第29節 セレッソ大阪1VS0清水 セレッソを今一度せんたくいたし申候。

後半37分 小松 塁(C大阪)



高知県観光PRブースが来ていたから、ではないだろうけれど、土佐の男が大きい仕事をしてくれた。悪い流れを断ち切り、溜まった鬱憤をはらしてくれたのは、小松塁。
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スタメンとベンチから。マルチネスが出場停止明けで復帰したが、今度はアドリアーノが出場停止。代役は小松。ベンチには永井、リーグ戦では2度目。乾は右肩脱臼をおしての出場。キム・ジンヒョンがようやく帰ってきた。

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前半は、これが勝ち切れない、ゴールさえ奪えないチームかという程よく動けていた。何度もシュートまで持っていけていた。キンチョウスタジアムのムードがそうさせるのか、ここ何試合の中では一番動きが軽い。守備も堅調で、ターゲットのヨンセンに仕事をさせない。
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これであと少し、3シャドーの連携がとれていたら、チャンスの数はもっと増えていたろうし、より決定的な場面も作れていたはず。まだまだ孤立しがちだし、連携が取れても細かいパスワークがズレてボールをロストしてしまう。求められるレベルがとても高いので厳しい書き方になるが、夏場の快刀乱麻の切れ味を観てしまうと少し苦しく感じてしまう。乾も清武も家長も、一人ひとりだけ見ても素晴らしい。けれどこの3人がうまく絡めばそれぞれがもっと光る。みんなはそれを待っている。
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乾は右腕が動かせない程の痛みに耐えて奮闘。


前半だけでシュート11本。ただふかしたミドルやジャストミートしなかったミスキックを外すと、決定機は一度きり、バイタルでうまくボールを持った家長(?)からフリーでラインの裏を突いた小松のシュートのみ。小松らしく丁寧に流し込もうとして清水GK西部にはじかれてしまった。いい流れを活かせないまま前半を終える。
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パスワークが冴えた家長



後半になると清水が少しずつイニシアチブを取り始める。動きの質も量も豊富で、全体が押し下げられてしまう。冷静になれば繋げる場面でも安全第一で大きく蹴り出してしまうので、清水が支配する時間が長く、守備で疲弊することしきり。相手MF山本が怪我でプレー続行不可能になり、代わってFW大前が入ったのだが、小柄ながらスピードと運動量が売りのプレーヤーのようで、左サイドの守備で後手を踏むことが多くなった。ここで失点しなかったのが最大の勝因、チーム全員がよく耐えた。しかし乾はもう限界、後半27分に若きストライカー永井と代わって退く。

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後半27分


永井が入ったことで、チームは相手のゴールに向けて動き出し始めたように思う。播戸のように経験豊富ではないし、アドリアーノのように身体能力がずば抜けているわけではない(勿論トレーニング次第で成長できる伸び代はたっぷりある)けれど、彼は誰よりもゴールに貪欲で、労をいとわないメンタルを持っている。そういう「気持ち」の部分でチームが前を向けたのは、このルーキーのおかげ。
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後半33分には上本が違和感を覚えたか交代を余儀なくされたが、藤本、羽田とレベルの高いバックアッパーを揃えているコトが幸い、チームの総合力を維持することができた。

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後半33分


守備が余裕を持って相手の攻撃を防ぎ、マルチネスや家長にいいボールを預けられるようになれば、それはセレッソのペースということ。今日のハイライト、小松のゴールもいい体制でボールを持った家長からのスルーパスが決め手だった。前半とほぼ同じシチュエーション、小松は今度こそ冷静にキーパーの網をかいくぐり、優しくゴールネットを揺らした。ようやっと、ようやっと生まれたゴール、喜びは言うまでもない。
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いい流れでゴールを奪い、時間稼ぎとなれば、キープ力のあるプレーヤーが揃うセレッソは堅い。家長、清武、マルチネス、小松、清水のガツガツとした責めも、なんのといなす。永井一人がゴールを熱望していたのが若いと感じたが、他の10人は慣れたもので、ロスタイムも難なく消化し、試合を上手く潰した。
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勝ちに勝る良薬無し。苦しい戦いを続けるチームにとって、この小松のゴールが転機となることを願う。次の相手はかつてセレッソをリーグ制覇の一歩手前まで導き、一度はセレッソのJ1復帰を阻んだ小林監督が率いる山形。ここまで来ると楽な試合は一つもない。ただ目前の一戦を、悔い無く全力で戦ってほしい。

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