後半4分 倉田 秋(C大阪)
後半18分 扇原 貴宏(C大阪)
後半45分+1 播戸 竜二(C大阪)
前回の対戦と比べて、お互いのやろうとしているサッカーに変わりはなかった。ただし磐田のポテンシャルは相当に落ちていて、セレッソのそれは比べものにならないくらいに上がっていた。0-4というスコアは出来過ぎな部分もあるけれど、チームはそれなりの働きをした。
スタメンとベンチ。高橋大輔とキム・ボギョン以外はベストメンバー、久しぶりに戦えるチームが作られた。清武、倉田、上本、それに扇原。待っていたメンバーの復帰。
前半
試合の立ち上がり、磐田は前回と同じように、今年の磐田のサッカーをしてきた。FWは常に前線に張り付きボールを待つ。残りのフィールドプレーヤー8人は相手のゴールに対して囲い込むように、馬蹄形に陣を敷く。そして駒野ら力のある選手をうまく使い、どちらかのサイドを崩し、そこから得点源である前田、金園につなげていく。もし全体が停滞すれば馬蹄形の底までボールを戻し、ロングボールで相手の守備陣の密度を下げる。二人の素晴らしいFWを生かすためのシステムで、愚直ではあるが、クロスやロングボールでゴール前にボールが来ると怖いも前回同様。
セレッソはシステム変更こそなかったが、それに対するケアを上手にしていた。サイドにボールが入るとサイドバック以外にもう一枚、中盤の誰かがかならず加わって、数的な均衡を崩さないように気をつけていた。一瞬も2対1という局面がなく、丸橋、酒本に対する負担は大きく下がった。
ロングボールに関しては上本、茂庭、扇原、マルチネスのブロック、そしてキム・ジンヒョンがよく頑張ってくれた。
際どいボールも何本かあって、油断していれば決められたかもしれない。そこを集中して耐えてくれたことが、このスコアに繋がっている。ゴール裏で見ていると、彼らの勇敢さがひときわよくわかって、胸が熱くなった。
攻撃に関しても、マルチネス、上本、扇原が起点になって良いボールを渡せるので、そこからシャドーへと攻撃に連動性が出た。レヴィーも試合後に「これがセレッソのサッカー」と自信を持って発言していたが、甲府戦から僅か1週間で、いい時のリズムを取り戻してくれた。
前半も半ばを過ぎると、シャドーと1トップの小松がスピード感ある攻撃をしてくれるので、磐田の馬蹄が少しずつたわみだすようになった。それまでも扇原がいいチャンスを2回作ってくれていたので、ほぼずっとセレッソのペースだったけれど、3シャドーが特によく動き出したこのあたりから、本格的に流れが傾きだした。
磐田の守備がシャドーに手を焼くと、後ろの扇原がいい形でボールを受けられるようになっていた。この試合一番気持ちが入っていたはずの扇原にとっては好機。そしてそれを逃すこと無く、キッチリと決め切れた。シュートはラッキーな形で決まったけれど、その幸運を呼び込んだのは、勝ちたい、結果を残したいという扇原の執念。
その後も得点後の失点という悪癖を何とか抑えこみ、前半を0-1で折り返す。上々の45分間。
後半
後半も前半の余勢をかって、立ち上がりからよく攻める。ファビオ・ロペスの突破からのシュートは決まらなかったが、その直後にあったチャンスは倉田がしっかり叩きこんで0-2。チームの頑張りが形となって現れたことで、セレッソは勢いを加速させることができた。
磐田は選手交代で流れを変えに来たが、ベースとなっているサッカーは変わらないままだったので、守備陣は大きな変更なく応対していた。スタッツを見ると前田のシュートが0本、こちらも頑張りが数字になって現れている。
そうして、試合の流れを決定づけるシュートが決まる。ゴール前で相手守備を翻弄させると、清武がスルーしたボールに再び扇原。マルチネス、丸橋の左足が鉈であるなら、扇原のそれは相手の急所を確実に突くフェンシングのエペ。鋭くゴール左隅にシュートを突き刺すと、再びエンブレムをかざしてみせた。
後半18分 小松→杉本
この日は扇原が主役。ただし復帰戦となった清武も十分に働いた。絶好調の時のプレーと比べればまだ物足りないかも知れないが、あれだけパス、ドリブルでボールを動かしてもらえれば、まわりは随分やりやすかったはず。後半37分で退くまで、そのプレーを堪能させてもらった。
後半37分 播戸登場
これでほぼ試合の趨勢は決まったのだけれど、それで納得していない男が一人。お祭りに彼は欠かせない播戸竜二の今季10点目が、ゆっくりとゴールに吸い込まれる。
後半44分 倉田→大竹
この勝利と残留争いをしている甲府の取りこぼしで、ほぼ今季の残留が決まった。まずは一息つける。
ただしだからと言ってチームのモチベーションは下げたくない。残り4試合、優勝争いのただ中にいる名古屋、柏とのアウェー戦が残っている。プレッシャーのかかった相手を苦しめ、リーグを少しばかり面白くしてやろう。
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